「入るぞ、ウィンリィ。いないのか?」  
作業部屋の入口からまず見えるのは大きな窓。  
全開にされた窓からは爽やかな風が入り、素っ気ない柄のカーテンをユラユラと踊らせる。  
部屋の机上や棚、床にまで工具が散らばり足の踏み場もない。  
一歩一歩小さな部品を踏まないように気を付けながら進むと目的の人物を発見。  
 
 『鋼の錬金術師』ことエドワード・エルリックの機械鎧を直すために徹夜が続き、  
整備士ウィンリィ・ロックベルは部屋の片隅で床に腰を下ろして眠り込んでいた。  
少し離れた位置にある窓から柔らかな光がウィンリィの露出された肩へと降り注ぐ。  
穏やかな天気のせいで仕事中は暑かったのだろう。  
作業服を半分脱ぎ、上半身はチューブブラ姿で袖を腰に結わえている。  
(腹出して寝てたら風邪引くだろ)と普段は自分が言われている台詞を呟きながら  
エドワードは着ていた赤い上着を片手で苦労して脱ぎ、彼女に掛けようと腰を屈めた。  
 
いつもは自分より高い位置にある彼女の顔を見下せるのが嬉しくて、  
ついついウィンリィの顔をじっと眺めてしまう。  
寝顔は少々幼く見え、普段の気の強そうな印象の瞳は閉じられている。  
丸いほっぺたは連日の徹夜のせいで少しだけかさついているのかもしれないが、  
リップクリームすら付けていないはずの唇は荒れることなくふっくらして見える。  
男であるエドワードとは何もかも違い興味深い。  
 
“触ってみたい”という欲求に従って左手が彼女の口元へと伸び、  
5センチ…3センチ…  
あと少しで触れるという時に彼のポケットに入っている銀時計の鎖が  
チャリっと音を立てた。  
 
エドワードは思い切りビクッと反応して慌てて手を戻し、  
ウィンリィにちらりと目線を向ける。  
どうやら彼女はまだ深い眠りの中だ。  
それに安心した後、己の手を眺め自己嫌悪に陥る。  
 
今、何よりも優先するのは弟の身体を元に戻すこと。  
間違いに気付かず人体錬成を行った対価として、失った弟の身体と  
自分の手足を必ず取り戻すと誓った。  
そのためなら誰にののしられても構わない。  
そんな自分達の力になり、いつも見守ってくれるウィンリィは兄弟にとって大切な存在。  
それなのに今、幼なじみの彼女を“女”として意識してしまうのはまずい。  
二人が元に戻るまでは…  
 
エドワードは微かに表情を緩めるとスヤスヤと休んでいるウィンリィの唇をそっと塞ぐ。  
「………っうぐっ…うっ」  
いきなりのことに驚いて目を見開いたウィンリィは両手でエドワードを突き飛ばした。  
「ぜー、はー、エド!あんたいきなり何するのよっ。あたしを殺す気!?」  
寝ているときに手で口を塞がれたら呼吸困難になるのは当たり前だ。  
涙目になって近くに転がっていたスパナを振り上げる。  
エドワードに向かって投げようとしたのだが、彼の表情の違和感に気づきスパナを下ろす。  
 
「エド?」  
「いいからそれ投げろよ。」  
疑問に思いつつも取り敢えずスパナを彼の頭に命中させた。  
ゴィィンと鈍い音が響き、その痛さに悶絶するエドワードが床に転がった。  
 
「あんたマゾにでもなったの?」  
「んなわけねーだろ。  
お前があんまり間抜け面で寝てるからつい悪戯したくなってよ。  
やりすぎて悪かったな、ウィンリィ」  
ニカッと笑い、邪魔したなと部屋から出ていってしまったエドワードを  
ウィンリィは訝しげな目で見送った。  
 
 
新たな機械鎧が完成し、無事エドワードに装着。  
その出来は兄弟で組み手をしてもビクともしないほどだ。  
取り付け作業や食事の間、エドワードとウィンリィは普段通りの会話を交わした。  
しかしウィンリィは何か引っかかる物を感じていた。  
 
昼間、アルフォンスと少佐相手にハードな組み手をしたため、  
椅子で眠ってしまったエドワードは夜中に目を覚ました。  
あまりの熟睡っぷりで誰も起こすことが出来ずその結果放置されたようだ。  
いくら野宿になれているからと言っても、せっかくならベットで寝たい。  
掛けられたタオルケットを手にし、いつも自分に用意されている部屋へと向かった。  
 
さて寝直すかとベットに腰掛け、部屋の灯りを消そうとした時、  
コンコンとノックが聞こえた。  
「あ〜アルか?入れよ」  
 
部屋に入って来たのはTシャツに短パン姿のウィンリィだった。  
なんでその格好で男の部屋に来るかね、この女は…と心の中で愚痴りながらも  
薄手の服でノーブラらしい目の前にある彼女の胸に視線がいってしまう。  
エドワードはそれをなんとか誤魔化して平静な態度に努める。  
「ああっ?ウィンリィ、こんな時間に何だよ。急用?」  
「言いたくないなら言わなくてもいいけど、なんかあんたの態度が気になったのよ」  
「まだあの悪戯を気にしてんのかよ?鼻フックと迷ったけどな〜」  
そのアッケラカンとした態度にエドワードが自分に話すことはないと理解した  
ウィンリィは聞き出すことを諦めた。  
 
「も〜何よ!こっちは徹夜であんたの腕を仕上げたってのに、乙女に向かって  
鼻フックとは恩を仇で返す気?」  
怒った振りをしてポカポカとエドワードを叩く。  
座っているエドワードと立っているウィンリィでは圧倒的に後者が有利だ。  
調子に乗ったウィンリィは勢いを付けすぎてバランスを崩してしまう。  
慌てたエドワードが自分の方へ引き寄せると二人共ベットに倒れた。  
 
クニュ  
「いった〜い」  
起きあがろうとした体勢で二人は固まった。  
エドワードを下敷きにして上に乗っているウィンリィ、  
彼が助けようと出した機械鎧の右手は、脇の位置でしっかり支えているが  
問題は生身の左手の方だ。  
彼女の右胸を鷲掴みに…  
 
その時のエドワードは脳内大パニック、心臓バックンバックンで身動き一つ出来ない。  
ウィンリィは真っ赤に染まった顔を背けただけでやっぱり動けない。  
その時、凍結していた様な左手の親指に彼女の鼓動を感じた。  
ドクドクドク  
壊れてしまいそうな心音に思わず両手を離す。  
ガクンとウィンリィの身体がエドワードの上に落ちる。  
その時、彼の中の理性も粉々に崩れ落ちた。  
縋り付く彼女を抱きしめる彼、耳元で囁いた言葉は  
「壊したい…」  
 
えっ?と自分の耳を疑った彼女などお構いなしに体勢を入れ替え、唇を貪り始める。  
只々荒々しいだけのキスを繰り返し、己の欲望に従って彼女を求めようとした時、  
ウィンリィはエドワードの頬を両手で包み、唾液にまみれた顔で微笑んだ。  
「我慢しなくていいんだよ。私が受け止めるから」  
それはきっと今、彼女に向けている欲望だけじゃなく全てを受け入れてくれるということ。「今夜のことは二人だけの秘密にしよ?」  
エドワードの中の葛藤を感じ取り、今はエドワードを受け入れ、  
明日からはまた元の幼なじみに戻ってくれるというのだ。  
 
「ごめん、ウィンリィ。俺、どうかしてた。そんなの許されない」  
体を離そうとするエドワードの首に両腕を絡め啄むように優しくキスをすると  
「あたしに対して我慢しないで、格好悪いエドなんて見飽きてるよ。  
アルに喧嘩で負けてる姿や牛乳が飲めないって駄々こねてる所とかね。  
もちろん、決意に向かって突き進む格好いい所だって知ってる。  
全部大好きよ。神様も誰も許してくれなくても私が許すわ。」  
 
ウィンリィの顔をタオルケットで綺麗に拭き、二人は仕切直しをする。  
「ウィンリィ…」  
「エド…エドワード」  
ゆっくりと顔を近づけて触れるだけのキスをする。  
これが二人の気持ちがこもったファーストキス。  
 
一度離して今度は角度を変え、より深く、舌を差し込み辿々しく絡ませる。  
初心者同士でなかなか上手くいかないが吐息は段々熱くなっていく。  
エドワードの左手が服の上から柔らかく胸を揉む。  
Tシャツをすりあげて手にすっぽり収まるお椀型の胸を弄び、先端の薄い桃色を口に含み  
チロリ  
と舌を動かしウィンリィを攻め立てる。  
びくっ  
大きな反応を示し、我慢していた声が押さえきれない。  
「あっ…んっ…はぁ」  
今まで出したことのない声に驚き、慌てて両手で口を押さえるウィンリィの手を取り  
その手に口付けるとエドワードはちょっと意地悪な笑顔を作る。  
「なぁ、お前の声聞かせて?」  
甘えたようなそのお願いは後に聞き入れられる。  
 
「ああっ…あ…うぅんっ、エっエドォ!」  
最初は痒いだけだったが体中を愛撫されだいぶ感じるようになってきた。  
熱くなった体にエドワードの機械鎧の右腕が滑るとウィンリィは声にならない叫びを  
上げる。  
その反応にニヤリと笑ったエドワードは、わざとウィンリィの耳に吐息がかかるように  
「イった?結構感じやすいんだ、ウィンリィ」  
「……なんでそんなに意地悪するのよ!エド、性格わっる〜い」  
「だってさ、よく言うだろ。好きな娘程苛めたくなるって」  
 
ウィンリィの頬にキスして彼女が油断した隙にTシャツと短パン、下着を一気に取り去り  
エドワードも上半身裸になる。  
その手際の良さに唖然とするが一つの疑問が彼女の頭に浮かんだ。  
「…ねぇ、もしかしてエドってこういうことに慣れてるの?  
性格的にもてるとはとても思えないけど手慣れ過ぎ…」  
「悪かったな、もてねぇよ!いつもつるんでるのが猥談好きの軍人達、  
だから耳年増ってやつだ。俺って優秀だから話だけで結構実践上手くいってるよな?」  
ウィンリィは同意を求めてくるエドワードにバカと一言投げつける。  
 
さてこれからが本番だとウィンリィの足を広げて、濡れているその中心に頭を埋め  
「なぁ、ここ舐めていい?」  
「だっ駄目!そんな所駄目に決まってるでしょ!」  
「…って言われてもやるけどな」  
勝手にウィンリィの感じる部分へと舌を伸ばしペロと一舐め  
びくっ  
「ヒャァッ…!」  
二舐め  
ビクッ  
 
しつこく舐め続けると密が溢れ、一本、二本と指がスムーズに入るようになった。  
「こんだけやっておけばいいだろう」  
エドワードは我慢に我慢を重ねたいきり立つモノをズボンから取り出す。  
「エドぉ…」  
最早ウィンリィは攻められ過ぎて目が虚ろになっている。  
そんな彼女にキスをして  
「ちょっと我慢しろよ」  
そう言った瞬間一気にモノを突き刺した。  
ウィンリィの体に今まで感じたことのない激痛が走り  
赤い液体が花弁のようにシーツに散る。  
「………っ……」  
声も出ない。  
その痛みに必死に耐え、涙がポロポロと流れている。  
エドワードの背中に彼女の立てた爪が傷を作り、  
チリッと痛みがあったがそのままにした。  
 
「…大丈夫か?」  
エドワードの言葉に黙って頷く。  
ゆっくり腰を動かし始め、段々と激しくしていく。  
最初は苦痛の表情しか見せなかったウィンリィにも変化が見られ出した。  
「ウィンリィの中、気持ちよすぎる。もお我慢できねぇ。っくぅっ」  
エドワードは全てを彼女の中に解き放つ。  
その瞬間、二人の頭の中は真っ白になり何も考えられなくなった。  
 
 
「うん?あたし…」  
気を失ったウィンリィが意識を取り戻したときにエドワードは隣で寝そべっていた。  
「おっ起きたか。15分くらい気絶してたぜ。大丈夫か?」  
初めてのことでちょっときつかったが、好きな人と一つになれてウィンリィは幸せいっぱいだった。  
「うん、大丈夫だよ、エド。心配しないで」  
そう言ってはにかんだウィンリィを待ちかねていたのは悪魔の一言。  
「そっか。じゃあもう一回やろうぜ!」  
 
 
 
その後、4回致して計5回。  
徹夜続きだったウィンリィはまさに天国へいってしまいそうだった。  
結局エドワードはそのまま旅立ち、ウィンリィは痛い腰をさすりながら  
やっとの想いでベランダまで辿り着き兄弟と少佐に「いってらっさい」と言った。  
いつもの幼なじみとして…  
 
 
( 終わり)  
 

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