愛している人を抱けないから、夢を抱く。この幸せな夢は、覚めたら空  
しさを覚える。けれど今日も同じ夢を抱く。覚めたら空しさを覚えるけ  
れど……。愛しい人の名前を呼べないけれど……。  
 
リザをベッドに押し倒し、首筋を舐め挙げた。その後を、唇で辿り跡が  
付かない程度に甘噛みした。顎を取り、舌を絡める深い口付けを交わす  
。視界の端で、リザの金髪が光った。顎を取っていた手で、彼女の髪を  
絡め取る。「彼女」の髪はこういう色でなく、もっと淡い色だ。しかし  
「彼女」も彼女と同じ金髪だから、夢を見るには十分だ。彼女を脱がし  
ながら、口付けを与える。全てを脱がした後に現れた、胸は形も色も極  
上だ。透き通るような肌、豊満な大きさと形、男を誘うかの様な色付い  
た蕾、どれをとっても全ての男が喜ぶ極上のものだろう。しかし、自分  
が求めているのはそのようなものではなく「彼女」のものだ。しかし、  
「彼女」も胸が綺麗だった。  
 
「彼女」の変わりに、彼女を抱くことに罪の意識を感じないことなんて  
無かった。なんてったって彼女は、自分の錬金術の師匠から宜しく頼ま  
れていた師匠の愛娘でもある。自分だって、それなりに可愛がっても居  
た子供だ。いつも彼女と居るとき、罪の意識に苛まれる。けれど、「彼  
女」への思いを他に消化出来なかったのだ。その理由で、自分の罪が許  
されると思っては居ない。この罪を、この身滅びるまで抱いていこう。  
 

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