はぁはぁと息を荒げ、白い肌に浮き上がった錬成陣が上下に動き、
乱れ濡れたシーツの上で月明りに浮かび上がっている。
ロイは静かに引き寄せられるように錬成陣に指を伸ばしていた。
「…サラマンダーか……」
真ん中にリザを縛り付けるように彫られた火の神の化身。
この神の化身がもたらした焔という強大な力は、
若い青二才には希望に満ちた未来を想像させ、現実を思い知らされた若者に野望を抱かせた。
「リザ……」
「…何ですか……ロイさん…」
「君は綺麗だ」
暫くの沈黙のあと、再び二つの小さな影は一つの大きな影に成長する。