頬に男の漆黒の髪が触れ、首筋に生暖かい息をリザは感じた。
「…、ふっ」
薄暗い闇の中、男の両の手がそっとリザの肌に触れ、息を呑む。
男は動きを止めることはなく、その大きな手は無骨さとは無縁なやさしい愛撫をリザの胸に施す。
「はぁっ」
体に痺れを感じたのか彼女から熱い息が漏れると、その右手はゆるやかに下降を始め、
左の手はリザの細く白い体を支えるよう、彼女の後ろへと回されていく。
もう幾度かの情事を重ねた同士ではあるけども、いまだリザの肌に手を触れる瞬間だけ互いの呼吸が止まる。
それは彼女の肌に刻まれた印への愛撫の合図のように。その癒えない傷痕への慈しみの儀式のように。
内股を軽く撫でた後、ゆっくりと彼女の奥にある花弁に触れると、彼女の呼吸が荒く乱れ始めた。
「あ……っ、ロ、イ…」
彼女のあふれんばかりの蜜を指先に感じた瞬間、ロイは自身の猛りの開放先をリザの其処へと向かわせた。
二人で高みへと上るために。