いつもならエドはそのままあたしの髪を撫でたり胸を触ったりキスしたりして(それも触って欲しいよってリクエストして)結構淡白に終わるのに久しぶりに帰ってきた今日は違った。
あたしを抱き起こし胸や首に何度もキスをする。右手は背骨に指を沿わせ左手は軟らかい動きであそこに愛撫を加える。もう十分いつでも受け入れれる。
「エドぉ〜」
「ん、……ウィンリィ」
気持ちいい。と言おうとした時、ゆっくりあたしを押し倒し右足を抱え上げ足の指先をくわえる。
「ひゃあ、くすぐったいよ」
エド、顔をあげて「くすぐったいだけかよ。じゃあここは」とふとももの内側をペロと舐めた。
「…あっ」
くすぐったいのと別に何かが痺れた。いつもと違い過ぎるよ。
エドがそのまま上に上がってくる。それからあの部分に舌を這わせた。
「!」
くちゅ
ぴくんと背中がそる。
「……あっ、ん。エド」 くちゅ、くちゅ、
エドになぶられて湿った音が聞こえる。
「やっ、エドっ。んっ、ぅんっ」
こんなエド知らない。いつものエドはぎこちない愛撫をして目があったら赤くなりながらキスして、朝までベットで抱き合いながら眠っている。
「…エド……んっ、あぅん」
エドが顔をあげた。
「……ウィンリィ。声出せよ」
「!何、ばっ!!」
「……んっ」
再びエドが顔を沈めた。 「ひゃっ」
クチュ、ピチャという湿った音に合わせてあたしの押し殺した声があがる。
背中から頭、そして下半身にいいようのない痺れが絶え間なくくる。
「あんっ、んっ、んっエド。もういい………んっうんっ。エドぉ」
ピチャ。エドの舌に合わせてあたしの腰も動く。もう舌はいい。もっと奥に欲しい……。
「あっ!!!んっ」
……そこじゃないっ。もっと!。
咄嗟にエドの頭を髪を掴んだ。エドの結んでいた髪がとけ肩にかかる。口元を手でぬぐい。エドはあたしの足元に座り込む。
「…で、ウィンリィ、どうして欲しい?」
どうしてって、何?? 何。どうしてって。欲しいって。欲しいって。下半身は絶え間無くうずいてる。
首を傾げながら金の目があたしを見る。
エドはイジワルだ。
「……さっきから言ってる」
エドから視線を外しふてくしながら答える。
「聞こえねぇ」
といいながらふともものつけ根を指でなぞった。
「……っ!」
腰がくだけそうになり、勝手に動こうとする。
「エドのものが欲しいっ」
あたしは叫んでいた。
エドはニコリと笑うと、あたしを抱き起こした。そして自分は枕を背中に足を伸ばし「こいよ」と言いはなった。
エドのものがそそり立っている。けどエドは横になったままだ。
「ウィンリィこいよ。自分から来てみろよ」
って、エド、あたしが上になるの……
エドの左手が促すように腰を押した。エドの身体を跨ぐ。
身体の真下にエドのものがある。そう考えただけでダメだった。腰が落ちエドのものをくわえ込もうとするけどあまりにも濡れていて前に後ろに滑ってしまう。
「あんっ」
はやく欲しいのに……
「…ウィンリィ。手で支えろよ」
言われて始めて気付き、エド自身を手に持ちあてがった。
「あ……」
軽い抵抗感。
そして圧迫感。
ずっと待っていたんだ。これを。
いままで感じたことのない感覚が下半身をおおう。 「んっ」
深くエドのものをのみこもうと腰を落とす。
「はうっ」足ががくりと折れエドのものを一気にのみこんだ。
「!!あっん!」
それを合図にしたかのようにあたしの身体はあたしの意志とは関係ないかのように腰をふり快楽だけを求める。
「あっ」
「あっ…」
「ん…あっ…」
「あっ、あっ、あふっ」
あたしはエドの目の前で抜き差しを繰り返す。身体が勝手に動く。肉の打つ音が湿った音にまじって聞こえる。もう自分じゃわからない。何をしてるかも……ただはやくこのうずきを気持ちよくしたい。
「ウィンリィ…声…出せつて。感じてんだろ」
エドがあたしの顎を掴み囁く。そして胸を愛撫する
「!あ、エドぉ、んっんっあっ、あっ、やっ、いい。いいっ。んっ、はぁっ。エド、エドっ」
エドの肩にしがみつき、夢中で腰を振る。あんっ
エドの金髪が顔にかかる。んっ。エドがこちらをむく。やっ、、んっ。いいっ。もっとっ。あっ。んっ。ここっ。
何かを言って……
「…エドっ、んっエドっ」
「んっ」
「んっ」
「んっ」
「んっ」
「…んっ」
「 」
「………リィ……」
「……ウィンリィ」
その声で目を開ける。ん?エド。目の前にエドがいる。金髪が顔の半分をおおってる。
あ〜顔が見えないよ。もったいない。手を伸ばして髪をおさえようとした…………
「!」
身体全体、特に下半身に甘い電流がはしった。
口をぱくぱくするあたしをエドは抱きよせ「ウィンリィ、大丈夫か」と笑う。
「!」
思い出した! 思い出した。さっきのコト。なんで今までぼ〜としてたのか。
顔が赤くなる、とともに涙が出てくる。
「ウィンリィ」
あたしを覗き込むエドに 「このぉ〜、浮気もの!馬鹿!馬鹿!馬鹿!馬鹿!馬鹿!」
枕でたたきのめす。
「待てよ、ウィンリィ!いてっ。浮気ってなんだ。いてっ」
「何言ってんのよ。浮気したんでしょうっ」
「何でっ」
「だって…だって…だって、あんなの初めてだもん。あんな風なエド初めてだもん」
いつものぎこちない愛撫ややや淡泊な抱き方。今日とは天と地の差がある。旅先で何かあったんだ。
何かって、そんなのいくらなんでもわかる。
「馬鹿豆っ!!あんなのどこで覚えたのよっ。浮気者っ!」
「!」
しっかとエドはあたしを抱きしめキスした。
長い長いキス。手から枕が落ちる。そして
「俺は浮気なんかしてないから」
唇から聞こえる声。
「だから泣くなよ」
「…けど、けど」
「……」
エドが髪をかきあげ大きく息をはいた。
そして
「ウィンリィ、さっきのイッたか?」
「あ、えっ」
そんな事聞かないでよ。真面目な顔でエドはあたしを見てる。
「……う、ん」
「俺もあんな気持ちよさそうなお前初めて見た」
確かに気持ちはよかった。けど……
「……今まで、俺は俺だけが気持ちよくなるよう動いて、俺だけでイッてたんじゃないかなって思ったんだ」
エド?
「俺がよけりゃ、ウィンリィも気持ちいいと勝手に思い込んでたわけだ」
頭をポリポリとかく。
「で、それでなんだな……」
エドの顔が朱く染まっていく。
「……やっぱり、お前も気持ちよくなった方がいいだろうし。俺としても……その方がいいし。だから…だな。いろいろと……」
エド。
「あ……、エド。あのね今までのが別によくないとか我慢してたわけじゃないよ」
エドにはただ側に居て抱きしめあってるだけでもあたしは十分気持ちいい。
「ああ…」
さらに首まで朱くする。
エド……
その朱くなった首に腕を回す。
「すっご〜く。気持ちよかった」
耳朶に触れるぐらいに近づいて囁く。
「……エド、大好き」
「……俺も」
エドの腕があたしを抱きしめる。
……エド、うれしいよ。
あたしの事を想ってくれて、それで……
……ん?
……ん?
……ん?
…………
「……エド」
「ウィンリィ?」
「……エドがあたしのコトをとっ〜ても想ってくれるのは解った」
抱き合ったままで言う。
「で、誰にそのテクニックを教わったの?」
エドの身体がピクリとした。
「あぁ……馬鹿だな、ウィンリィ。この天才錬金術師のエドワード・エルリック様の……」
「エド」
「……何事も本の知識を得る」
「書物の知識だけじゃないよね、エド」
「……いや、だから」
「……エド。実践で覚えた?」
「……待てよ。これには、ウィンリィ」
「やっ〜ぱり実践なんだ」
「ウィンリィ!」
「たぁ〜くさんの実践だったんだ」
「たくさんじゃ、いや、違う。浮気なんかしてないっ」
「……」
「アルに聞いてくれ」
「……」
「ウィンリィ、右手に何持ってんだ!」
「……」
「ま、待て。スパナを離せ!!」
「……」
「ウィンリィ!!」
「馬鹿っ」
伸びてるエドの側に横たわる。髪で顔が見えないのはやっぱりいやだ。そっと髪を分ける。
それからキス。
お姫様にするようにキス。
……ねぇエド。あたし以外の唇にキスしたらやだ。あたし以外の胸に触っちゃやだ。どんな時でも。
あたしはキスが上手くなくても、エッチが上手くなくてもかまわない。エドが好きだと言ってくれるなら。その手で抱きしめてくれるなら。
大好き。
もう一度キス。
おやすみのキス。
夢に入る前につぶやく。
明日は真相を吐かせるから!
(終わり)