リンとランファンが身を寄せる場末の病院。  
そこを取り巻く影があった。  
「! 若」  
「来たぞ」  
ガシャーン  
窓ガラスが割られる。中に入ってきたのは二体のホムンクルスだった。  
「よお、久しぶりだな」  
それはエンヴィーとグラトニーだった。  
「ホムンクルスか」  
刀を抜くリン。左腕を失ったばかりのランファンを庇うように立つ。  
「リンさま……」  
リンもランファンも前戦の傷が癒え切れていない。  
特に慣れないオートメイルを着たランファンはまだ戦力外だ。  
「俺が防グ。お前はその隙に逃げロ」  
「! そんな」  
ランファンが色めき立つ。その前にエンヴィーが立った。  
「部下を逃がそうってか。泣かせるねえ」  
「行くゾ」  
リンが青龍刀を抱えて奔る。そのときエンヴィーが変化した。  
「!」  
エンヴィーが化けたのはランファンその人だった。  
リンの刀がぶれる。その隙にエンヴィーはリンを刺し貫いた。  
「若――っ!!」  
そのとき新たな影が部屋に飛び込んできた。  
 
「ち、行くか」  
エンヴィーが奔る。身をかがめるとランファンの鳩尾に拳を叩き込んだ。  
「!!」  
そのまま二つ折れになるランファン。  
ホムンクルス二体はそのままランファンを抱えて走りだした。  
 
ぴちゃぴちゃという音で目が覚めた。  
 
ランファンは手足を大の字にするように鎖で拘束されていた。  
ぴちゃぴちゃというのはグラトニーが垂らす涎の音だった。  
「食べていい、食べていい?」  
「まあ、まてや」  
エンヴィーがランファンの顔の真ん前に立つ。  
「貴様……っ」  
ランファンはエンヴィーを睨みつけた。  
リンを、ランファンの最愛の人を貫いた敵が目の前にいるのだ。  
「お前たちは何ものだ?なぜ俺達の『中』が分かる?」  
ランファンがぼそぼそつぶやいた。  
「ん、なんだって?」  
「くたばれ、化け物」  
ランファンはエンヴィーの顔に唾を吐きかけていた。  
「…………」  
「食べていい?」  
グラトニーが迫る。それをエンヴィーは押しとどめた。  
「いや、こいつは俺が『壊す』」  
 
そういうと何やら取り出す。チェーンソーだった。  
「左腕だけじゃバランスが悪いだろ」  
そういうとエンヴィーは体を変化させた。  
「リンさま!」  
そう。エンヴィーはランファンの愛するリンに化けたのだ。  
「これからお前を解体してやるよ。もう秘密なんてどーでもいいや」  
声までリンと同じである。  
エンヴィーはランファンの右腕にチェーンソーの刃を据え付けた。  
「ひっ、若」  
恐怖でランファンの顔が真っ青になる。  
「まずはお前の右腕も切り落としてやるよ」  
そういうとエンヴィーはチェーンソーのスイッチを入れた。  
 
ギャギャギャギャ  
 
鋼鉄の刃が高速で回転する。血飛沫が上がって辺りを鮮血に染める。  
「ぎゃあああああああああっ!!」  
刃は高速でランファンの肉を切り、筋肉を引き裂いて、骨を砕いた。  
ぼとっと音がする。ランファンの右腕は切断されてしまった。  
「うわ……ああ……」  
「どうだ小娘。なかなか様になるだろう」  
そういうと今度は右足にチェーンソーをあてがった。  
ブルルルルルルル、ギャギャギャギャ  
「ぐぎゃ、ぐげええええええええっ!!」  
ぼとっと音がする。今度は右足が切断された。  
「それじゃ、行くぞ〜」  
次にエンヴィーは左足にもチェーンソーをあてがう。  
「ぐぎゃあああああああああああああああっ!!」  
左足も付け根から切断されてしまった。  
「あ……ああ……」  
ランファンは文字通り四肢を切断されダルマにされていた。  
すぐ死ぬと面白くないので、ガスバーナーで傷口を焼いて止血した。  
「よし、これから犯してやろう」  
そういうとエンヴィーは己が逸物を取りだした。  
濡れてもいない、それ以前に致命傷のランファンの女性に逸物の切っ先をあてがった。  
そして腰をつきこんだ。  
「り…ん……さま……」  
ランファンの花園はエンヴィーの男根に蹂躙されて何度も擦れる。  
エンヴィーはランファンの女性がすり切れるまで犯した。  
それから三日間。その間中犯されていたランファンはついに息を引き取った。  
死体はグラトニーの胃袋に収まった。  
 
(ランファン……)  
 
(お前は俺の大切な臣下だ……)  
 
(絶対に離しはしない)  
 
ランファンが旅立った頃、リン・ヤオもマスタングたちの必死の看護にも関わらず命を落とした。  
こうして不老不死を求めてアメストリスを訪れた二人の男女は二度と故国の土を踏むことはなかった。  
 
(終わり)  
 
 
 
 
 
花畑を歩いていた。  
自分がどこから来たのか分からない。  
ただもう皆の下へは戻れないと分かっていた。  
「リンさま――っ!!」  
少年は自分を呼ぶ声に振り向いた。ランファンだ。  
「ランファン」  
「愛しています。もう離しません」  
ランファンの体の傷は全て癒えていた。  
「俺もだ。もうお前をどこにも行かせない」  
二人は固く抱き合った。  
 
(終わり)  
 

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