「……んっ……」  
何だろう?  
何かが私の身体に触れているような気がする…  
とても違和感…  
気のせいかしら…?  
 
その違和感は腰の辺りから胸元へと伸びてくると、たわわな乳房を  
グッと掴み揉みしだく。  
「んっ…んんっ」  
 ――― 誰……!? ―――  
そこで私は目が覚めた。  
覚めたとは言っても頭はガンガン、クラクラしてるし身体も…だるい。  
誰だか分からないけど、私の身体を弄っている手は服の上から  
胸、腰、腋、首と色々な場所へと移動し、身体全体を舐め  
回されている感じになる。  
「…ぁ…ぃゃ…誰…!?」  
目を開けその人物を確認しようと、そちらへ振り向こうとした時  
横向きにされ身体をガッチリと羽交い締めされ暗闇では誰だか  
確認出来ない。  
 
そもそも私は当直で仮眠室で仮眠を取っていた。  
今日の当番は私とハボック少尉、それと数人の兵士だ。  
当直で仮眠を取るのは初めてではない。  
軍に入りたての頃から利用しているが、やはり女である為  
寝込みを襲われる事も何回かあった。  
最初の当直の日、私は女であることを忘れていた。  
 
交替で仮眠を取るため目覚ましをセットし眠りに入った頃  
先輩の男兵士が仮眠室に入り、馬乗りし、インナーを捲り上げ  
乱暴されかけたので、その男が持っていた銃を取り上げ  
頭に銃口を向けると、両手を上げ  
「ホークアイ…冗談だよ」  
と後ろずさり、入口付近までさがらせたところで自分の銃を構え  
相手の銃を放り投げ返した。  
彼も私の銃の腕前を知っていたのでそのまま逃げて行ったが…。  
普通の女兵士なら間違いなく犯されていただろう。  
そのお陰で、すぐ構えられるように銃を近くに置き、神経を尖らせて  
仮眠を取る事にした。  
それからも何回か寝込みを襲おうと違う兵士が仮眠室に入って  
来たが、直に銃を突き出す私に誰も襲う事はなくなっていた。  
それでも仮眠室で本気で眠る事は無かったのだが、今日に限って  
何で眠ってしまったのだろう?  
 
男は容赦無く私の首筋を吸い上げ、胸を弄っている。  
「ぅぅんっ…誰なの…やめなさいっ」  
声は少しだけ出るようになったものの、身体が言う事を利かない。  
すごく重たいのだ…頭もハッキリしない。  
そんな状態なのに男の手は私のインナーの中に入り、ブラのホックを  
外し、胸を直に触ってきた。  
「あんっ…いゃぁ…やめてっ…」  
身体が言う事を利かないからなのか?  
誰が私の身体を弄ってるのかが分からないからなのか?  
とにかく私はいつもより感じているのは確実だった。  
胸を触られているだけで身体がジンジン痺れているし“あそこ”も  
濡れているのが分かる。  
 
誰だか分からないこの男に“そこ”は触って欲しくない。  
しかしリザの思惑とは裏腹に男の片手は腹部から下半身へと  
伸びていく。  
「ぁ・・・あっ…そこは…いや…」  
男は下着の上から花びらをなぞっている。  
湿っているのが分かったからか、下着の中に手を突っ込み  
指を巧みに使ってつぼみを擦り、愛液で既に濡れている  
花びらの中へ指を進入させていく。  
「あんん……だっ…ダメ…っ」  
リザの声が大きかったからなのか、男はリザの口を手で塞ぎ  
声が出ないようにしている。  
「―――んんっ―――…」  
膣の中をぐちゅぐちゅと男の指が掻き回している。  
つぼみに指が触れる度、リザは感じたくないのに身体は素直に  
反応して身体を仰け反っている。  
自分が情けなくて涙が出そうだった。  
「んふぅ―――」  
徐々に身体も軽くなり抵抗する力も出てきた。  
すると相手はこらえきれなくなったのか  
「ああっ…くそっ…」  
と声を出しリザを正面に向かせ両腕を掴むと馬乗りになり  
無理矢理口付けをしてきた。  
「んうんっ」  
唇を重ねていただけだったが男は舌を遣い口を開けさせ絡めてきた。  
リザはその声とキスで初めて相手が分かり抵抗するのを止めた。  
男はリザが身体の力を抜くと掴んでいた両腕を放し、リザの身体に  
腕を回した。  
リザもその男に両腕を絡める。  
 
長い口付けが終わると、小声で  
「大佐…こんな所で何をしているんですか?」  
「ん?たまにはこんな所でするのもいいかな…と」  
リザは呆れている。フゥッと溜息をつくと  
「だめですよ。ここはドアも無いんですから」  
「大丈夫だよ。リザが声さえ出さなければ」  
「“中尉”です」  
「君は相変わらず手厳しいね」  
そう言うとリザのインナーとホックの取れたブラをたくし上げ  
乳房の突起を舐める。  
「んぅっ、だめです…大佐…」  
「中尉、命令だ“声を出すな”」  
「んもうっ…んん」  
リザの下の着衣を途中までずらし、身体を丹念に舐め上げる。  
舌のザラザラ感はこそばゆいが、彼女の身体を知り尽くしている  
彼の舌がなぞっている所は敏感な部分で身悶えしてしまう。  
「んあっ…はぁぁ…ふぅん…」  
「どうした?中尉、声が出てるぞ。私の命令に背く気か?」  
リザは声が出ないように「んっ」と口を閉じた。  
「よし、それでこそ私の部下だ」  
リザの身体をひっくり返し四つん這いにさせ上半身はベッドに  
押し付ける格好にさせると(orz?)ロイも自分のズボンを下げ  
後ろからリザの中に肉棒を挿入させる。  
「はぁっ…大っ佐…避妊具を…着けてくださいぃ…」  
「何言ってるんだ。今日は安全日なのは分かってるじゃないか」  
「そうっ…じゃなくてっ・・・ぁんっ」  
ロイの肉棒は既に奥深くまで挿入され、ギッ、ギッ、とベッドの  
軋む音が聞こえる。  
 
ロイも早く終わらせなければ…と思っていた。  
いつ出動命令が出るか分からないし、誰かに覗かれでもしたら  
今まで二人の関係を内緒にしてきた意味がなくなる。  
リザも声が出ないようにしているが「んっ…んっ…」と声が  
漏れてしまっている。  
随分前から身体が感じていたせいか、リザは早くイキたくて仕方ない。  
「……んも…ダ…メっ…」  
ロイは腰の動きを早め絶頂の時を迎え、リザの中に大量の  
白い液を放出させると腰を動かしながらゆっくりと肉棒を抜く。  
リザの白い足に液が伝う。  
今迄に無い疲れでクタッとベッドに倒れ込んだ。  
ロイは自身の物をティッシュで拭き、着衣を整えると  
リザの横に寝そべり  
「どうだ?緊張感が増して興奮しただろ?」  
そう言いながらたくし上げたブラやインナーを元通りに戻していく。  
リザはそれを払い除け、少し怒った口調で  
「自分で出来ます」  
そう言ってブラのホックを着け、下着、ズボンを直し終わると  
ベッドを指差し  
「大佐、これはどうするおつもりですか?」  
その方向を見るとシーツに染みが付いていた。  
「ははは。弁解の余地無しだね」  
「ですから“避妊具を着けてください”とお願いしましたのに…」  
リザは小声で言った。  
「シーツ換えてもらわないと次に使うハボックに何て言われるか」  
ははは、と笑うロイを横目にリザはシーツをベッドから外しながら  
「どうして今日に限って眠込んでしまったのかしら…」  
 
溜息を吐きながら言うリザの腰を引き寄せ  
「知りたいか?」  
かなり意地悪な顔だ。リザが無言でロイを見つめていると  
「これだよ」と言って小さなビンを取り出した。  
彼の話に由るとハーブの一種で心を落ち着かせる効果があるそうだ。不眠が続いていたのでヒューズに相談したところ、彼の妻の  
グレイシアに『食後に服用すると就寝時にはグッスリ』と勧めれられ  
半信半疑で使用したが、かなり深い眠りにつけるらしい。  
「だからリザに使ってやろうと思って」  
そう言われれば皆で食事をした後、ロイに『疲れが取れる』と  
ミルク入りのハーブティーを勧められた…。  
更にロイは嬉しそうに  
「実はな…服用するといつもリザを抱きたくなるんだ」  
子供のような手口を使うロイに怒る気が失せたリザは、  
「大佐が取替えてもらってください」  
とシーツを押し付けガンベルトを着用し、上着を羽織っている。  
「・・・これを私が持って行ったら…変じゃないか?」  
「それは大佐が私も含め、お咎めが無いように言い訳をしてきて  
 ください。大佐のせいで減給や処罰は嫌ですからね」  
満面の笑顔でリザは言う。  
そのリザの笑顔を見ながら「はぁ――…」と溜息を漏らすと  
「どうしたものか…」  
と頭をくしゃくしゃと掻いている。  
リザもそんなロイを見ながらポツリと  
「媚薬…か…」  
 
「ん?」  
ロイがリザに視線を向けると  
「そんな事をする大佐はまるでお年を召された将軍様のようですね」  
とクスッと笑う。  
ロイはグッと唾を飲み込み  
「それって…リザ!君まさか!?」  
「さあ?どうでしょう?」  
リザは小悪魔のような顔でクスクスと笑う。  
「どうなんだ!?リザ!」  
「その質問は命令ですか?大佐殿」  
「いぃ…いや…」  
「それでは、時間ですのでハボック少尉と交替して参ります!  
 大佐はお帰りにならないと変に思われますよ?」  
リザはピッと敬礼すると仮眠室から出て行った。  
 
部屋にはリザがセットした目覚ましが鳴り響いていた。  
 
 
           おわり  
 
 
 
【追記】  
リザは仮眠室から出ると  
「そう言えばお祖父様が“マスタング君はワシに良く似ている”  
 って言ってたわ」  
とクスクス笑っていた。  
 
 
       本当におわり。  
 

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