「んっ、ふっ・・・」
「いいぞ・・・もっと深くくわえられるか?」
「ん・・・・」
大佐の言葉に私はさらに深く彼自身を口に含んだ。
そして彼を高めるために舌を絡めていく。
鼻に付く青臭い匂い。
口いっぱいに広がる苦い味。でも大佐のだからおいしいとさえ思える。
私が強く吸い上げると大佐が口のなかで弾けた。
一雫も残さないように飲み干し、彼の下腹部に飛び散ったものも舐めとる。
そんな私の姿を見てか大佐のものはまた立ち上がりはじめた。
「悪いが急ぐ・・・・もう挿れていいか?」
彼の言葉に私は大きく足を開いた。前戯などないのはいつものこと。
まあ実際、彼のを舐めているだけで私は感じてしまっているから。
今も私の秘弁は早く大佐のものを飲み込みたくて収縮を繰り返している。
「では、いくぞ・・・・」
言葉とほぼ同時に堅いものが私の中へと入ってきた。
熱い彼自身を体内に感じる。
薄く目を開けると、快感に顔を歪ませた大佐が目に入った。
(今・・・・・この瞬間は大佐は私だけのもの―――――
――――次はいつになりますか?」
行為がおわり帰り支度を始めている彼の後ろ姿に、私は声をかけた。
「今はちょっと分からないな」
振り向くこともなく彼は答える。
「次のまとまった休暇の際はどうでしょうか?一日くらいなら・・・・・」
「・・・・分からないといっているだろう」
声のトーンこそ同じだが、有無を言わせない強い口調。
「そ、そうですよね・・・・」
「悪いな。また連絡を入れる。では・・・また明日」
彼は私の部屋をでていった。
彼の足音が完全に遠ざかるのをきいてから、さっきまで身体を重ねていたベッドに倒れこんだ。涙が・・・・頬を伝う。
(・・・・どうしてこんなことになってしまったんだろう?)
二ヵ月ほど前、私は大佐に思いを告白した。
でも彼には既に恋人がいたのだ。
誰よりも彼の傍にいたつもりだったのに、肝心なところで鈍い私はそれにきづけなくて。
恋人がいるということを聞かされても、彼が好きだということ以外何も見えなくなっていた私は言った。
「・・・・・身体だけで構いません。私を愛してくれませんか?」
はじめは拒否されたけれど、私の嘆願によって今の関係が始まった。
この関係もはじめはよかった。
少しでも彼に近付けて幸せだった。
・・・・でも、やっと気付いた。
どう頑張っても私は大佐の一番にはなれないことに。
改めて考えたらまた涙がでてきた。
自分から望んだ関係――――そして今の関係をやめる決心は私には付けられない。
私は涙を拭い、シャワーを浴びるために立ち上がった。
明日にはまた優秀な中尉として彼の元で働かなければならないのだから・・・・・・。