あの日…2人がいなくなったリゼンブールで、  
ウィンリィは何もする事もなくただ、泣いていた。  
「なんで置いてきぼりなのよ…私達ずっと一緒だったじゃない」  
2人が、この世界の為に旅立った事は分かっている。  
けれども、ウィンリィにとってみれば、2人がいないこの世界が酷く辛いのだ。  
ある日、ロックベル家に一本の電話がなった。  
電話に出たピナコは、段々声を大きくし驚きを隠せないでいる。  
「ウィンリィ!ウィンリィ!軍人さんから電話だよ!  
アルにそっくりな人が出てきたんだってさ!」  
「!?」  
ウィンリィは、その言葉に素早く反応し、受話器を手にとる。  
「も…もしもし…?アルが見つかったって…」  
電話の相手はマスタングであった。  
「いや…見つかったと言うより、何か違うのだ。」  
「違うってどういう事ですか?」  
マスタングは、説明しようとしたが  
「とにかく、すぐに中央まで来てくれないかね?見て貰えば分かる」  
 
ウィンリィは、急いで中央に向かうのだった。  
中央に着いたウィンリィは、ドキドキしながら急いでマスタングに会いに行く。  
「あのっ…アルっ… ハァっ…」  
息も絶え絶えマスタングに詰め寄る。  
「あちらの応接間にいる。少し話してきたらどうだ?」  
ウィンリィは、ゆっくり応接間のドアを開く。  
ガチャ…  
開くとそこには、金髪碧眼のアルフォンスそっくりな男がいた。  
「アル…?アルなの?あれ?でも少し大きい…?」  
「?えっと、あなたは…?僕は、アルフォンスです。  
アルフォンス ハイデリヒ。」  
ウィンリィは、一瞬クラッとして  
「はハイデリヒ…?アルじゃないの?それにしてはソックリな…」  
ハイデリヒは、困った顔をして、  
「参ったな。さっきもマスタングさんに同じように聞かれたよ」  
と笑った。  
「…そうなの…。ハイデリヒさん…。私はウィンリィ。ウィンリィ ロックベルです。」  
ウィンリィは無理やり納得しようと、笑ってみせた。  
 
ウィンリィ…?どこかで聞いたな。…あぁ、エドワードさんかな。」  
「?エド?…」  
「ええ、エドワード エルリックさん。少し前まで一緒に暮らしてたんです。」  
頭が混乱するウィンリィ。  
「どういう意味?もう私意味わかんない。」  
「前にエドワードさんに聞いた話なんですけど、  
夢の世界に来ていて自分の世界は別にあるって。そんな感じなんです。」  
ハイデリヒは、自分もよくわからない状況を説明する。  
「…で、今どこに住んでるの?もし行き場がないなら、うちに来ない?」  
「え…いいんですか?僕、気がついたらここにいて、周りには知り合いが誰もいないんです」  
「じゃあ、うちに来なさいよ。エドの話聞かせて?」  
こうして、ウィンリィとハイデリヒは出会ったのだった。  
 
 
しばらく一緒に過ごした2人は、お互いに認め合い  
端から見ると、恋人関係になっていた。「ハイデリヒ、向こうでエドは女の子と一緒に住んでるって…」  
ウィンリィはこの手の話を、毎日聞く。「ウィンリィ…またその話?本当にエドワードさんが好きなんだね」  
ハイデリヒは少し悔しそうに言う。  
「僕はまた彼に好きな人を取られるのかな」  
「え…?」  
ウィンリィが、ハイデリヒに顔を向けた瞬間  
ウィンリィは無理やり唇を奪われた。  
 
「…っ!ちょっ…待って!」  
ドンっとハイデリヒを押した。  
「何するのよ!…初めてだったのに!」  
ハイデリヒは、少し笑って  
「あぁゴメンね。エドワードさんと、経験あると思って悔しくて。」  
「ハイデリヒ…」  
「…いいかげん、アルフォンス…アルって呼んでくれないかな?」  
ハイデリヒは急に真面目な顔をして、ウィンリィを見つめた。  
 
「ア…ル…アル」  
ウィンリィがそう呟くと、ハイデリヒは  
どうしようもない衝動に駆られた。  
ガバッ!  
ハイデリヒはウィンリィを抱きしめた。  
「ちょっ…ハイ…アル!」  
どうにか離れようとするが、逃れられない。  
そのうちに、ハイデリヒはウィンリィの首筋から鎖骨へとキスをしていった。  
「やだっやめてよ!」「止めないよ。やめてあげない。ウィンリィが僕だけを見てくれるまで」  
そういうと、近くにあったソファーに押し倒した。  
激しく甘いキスをする。それさえ抵抗するウィンリィ。  
ハイデリヒは無理やり舌を入れる。  
「んっ…んーー!」  
ハイデリヒの右手がウィンリィの左の胸を弄る。  
「んっんんーー!んふぅー!」  
ハイデリヒはようやく口を離して、次に胸に移動させた。  
 
「やだっ!いやあ!…っはぁ」  
嫌なのに、イヤなはずなのに、少しづつ感じてくるウィンリィ。  
ハイデリヒは、さらに激しく愛撫する。  
「やぁんっ…っやだぁっ…!」  
ハイデリヒは、ウィンリィの一番大事な所を刺激し始める。  
「あんっ!やっ!そこはダメ…っ!」  
ウィンリィは必死に足を閉じるが、ハイデリヒの力にはかなわない。  
結局大きく開かれてしまった。  
「これ邪魔だね」  
ハイデリヒはそう言うと、足の間に潜って行った。  
「きゃあっ!やだやだ!やめてよ〜」  
有無を言わさず、ハイデリヒはパンツを脱がして、中身を晒した。  
「…すごくキレイだね。キラキラしてる…」  
そう言って、愛撫し始めた。  
 
「ああんっ!イヤっ見ないで!あんっ」  
気持ちいい…ウィンリィは、自分がそう思っている事に嫌気がしていた。  
(エド…エド…ごめんね。私…もう…)  
「!?」  
ウィンリィは突然の異物感にのけぞった。  
「やっあっあっ…なにっ…やぁっ」  
「すごいよ!ホラもう僕の指が三本も入ってる!」  
ハイデリヒは指を抜き差ししていた。  
「あっあっあっ…」  
ウィンリィは段々抵抗する意識が遠のいてきた。  
 
「ねぇウィンリィ。僕もう我慢できないや。」  
「えっ?」  
ハイデリヒの方を見ると、すでに彼は裸になり  
彼自身をウィンリィの中に入れようとしていた。  
「!ま…待って!ちょっ…」  
「待てない。ごめんね、ウィンリィ」  
ハイデリヒはゆっくり挿入し始めた。  
「痛いよ!アル!やめてよ〜!」  
「あれ?これも初めてだったんだ?うれしいなぁ」  
ウィンリィは目を閉じて、呟いた。  
(エド…ゴメン。)  
スブッ!  
「あっっ!痛っ!」  
「ゴメンね、もう入ったよ。僕達一つになったんだよ。  
ねぇウィンリィ、いい加減僕を見てよ。本当に君が好きなんだ。」  
「アル…私だって、嫌いじゃないのよ。だけど、まだ気持ちの整理ができてないの。」  
ウィンリィは、ハイデリヒの寂しそうな顔を見て胸が苦しくなった。  
もうエドはいない。だけど、この世界で生きていかないといけない。  
もう待ってなくてもいいんだー…  
「ウィンリィ?どうしたの?そんなに僕とするのが嫌?」  
ウィンリィは涙を流していた。無理やりしといて、それはどうなの  
と思いながらも、ウィンリィの中で整理ができてきた。  
「ううん、いいの。ごめんね。アル…好きだよ。」  
ハイデリヒは嬉しそうに笑って、キスをした。  
「動いていいかな?」「…ゆっくりしてね。」  
ハイデリヒは腰をゆっくり動かし始めた。  
「あっ…あっ…なんか…気持ちいい…」  
「僕もだよ。すごくヌルヌルで気持ちいいよ…」  
段々無意識にスピードが早くなる。ウィンリィも快感しかなくなる。  
「ふぁっ!あっ!あんっ!なんか変だよー!」  
「変になっていいよ…僕もうそろそろ限界…」  
そう言うと更にスピードが早くなる。  
「ああんっやっ!イクっイクよぉ!」  
「…くっ」  
2人同時に果てた。息も絶え絶えに2人は抱き合う。  
「はあはあ…こんな…形で抱いて…ごめんね。ウィンリィ」  
「…」  
「ウィンリィ?……」ハイデリヒが顔を覗く。  
「寝てる…」  
ウィンリィは、安心した顔で寝ていた。2人でこれからずっと居られると信じて。  
終わり  
 

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