戦場での特殊部隊は他とは一線を画す存在だった。  
駐屯地に仕立て上げられた東部の町でも、私たちは一般兵士の宿舎ではなく、  
町の外周部にテントを張った。一般兵士達は近づくことなく、遠巻きにして見  
ていた。朝も夜も猫のように静かに移動する部隊を、彼らは近寄りがたく感じ  
ていたのだろう。  
だが、その中にも不穏な視線はあった。私の体を舐め回すようなねっとりと  
した視線。うなじや背筋に落ちたままいやな感じを抱かせる。女のいない前線  
だから仕方がないと考えていても、どうしても慣れるものではなかった。気持  
ち悪い。正直な感想はそれだ。  
 だが、私は身の危険を感じていたわけではなかった。特殊部隊という肩書の  
前で、暴挙に出るような兵士がいるとは思わなかったからだ。前線に転属して  
半年ほど経ち、慣れてきていたせいかもしれなかった。私は警戒心を失いかけ  
ていた。だが、実際は肩書きなどそれほどの意味はもっていなかったのだ。  
 
 それは作戦と作戦の合間、ちょうど駐屯地に戻ってきていた時のことだった。  
私はこの駐屯地の副司令官に呼び出されて宿舎へ出かけた。その頃、私は6人  
で編成する小隊の副隊長だった。次の作戦を伝えるにしても隊長の中尉に伝え  
ればいいものを、と疑問には思ったが、勲章授与ではないかという隊員の言葉  
に納得した。だから、私はS&W一つだけしか身につけないままで、宿舎に向  
かった。  
 宿舎の中は汗くさい、男性寮特有のにおいに満ちていた。私は案内役の兵士  
が来るのを玄関で待ちながら、服装に気を遣ってこなかったことを後悔してい  
た。その日の服装は白のタンクトップ一枚と、支給されている迷彩服のズボン  
だった。腰にはピストルベルトとマガジンポーチがついているだけだった。下  
着は前線に慣れてから着けないようになっていた。上下合わせて200g程度、  
それだけでも軽くなると動きやすかったからだ。  
 だが、今下着を着けてこなかったことは失敗だった。玄関の近くにいる兵士  
達は何か囁き合いながら私の胸を見ていた。見ているだけではなく、近づいて  
きて腕をぶつけてくるような者もいた。  
「おっと、すまねえ」  
 男はわざとらしく私の鼻先を横切って、腕を胸に擦りつけるようにした。押  
し付けられた乳房がへこみ、私は顔が赤くなっていくのを感じた。恥ずかしか  
った。私が悪いわけではないとわかっていても、恥ずかしい気がした。だが、  
その男はそれだけでやめるつもりはないようだった。  
 男は私の反応を見ると、口元をにやつかせてもう一方の手で乳房を掴んだ。  
そしてそのまま、乳首を中心にゆっくりと円を描くように擦る。私は手を振り  
払おうと身をよじったが、いつの間にか腰に手を回されていて逃げることがで  
きない。男は乳首がタンクトップの上からでもわかるぐらいに立つまで撫でる  
と、ゆっくりと乳首をつまんだ。  
「ん……っ」  
 
 制止しようと口を開くと、喘ぎのような息が漏れた。周囲の兵士達も話すの  
をやめて、こちらを食い入るように見つめている。避けようと身体を捩ったせ  
いで、尻を兵士達の前に突き出すような格好になっているのだ。私は秘所がじ  
わりと濡れてくるのを感じながらも、逃げ出さなければいけないと思っていた。  
「なぁ、女兵士さん。逃げないのか?」  
 男が耳元を舐めながら挑発してくる。当たり前だ、逃げられるものならば逃  
げるに決まっている、そう答えようとして私は口を開く。すると、男はそれを  
待っていたかのように迷彩服の上から、中指で割れ目の筋をなぞるようにした。  
「ぁ、…ん」  
 びくりと身体が震え、力が抜けてくる。服の上からでもわかるぐらいに、秘  
所が濡れているのがわかる。強く押されると、縫い合わせが濡れたところに擦  
れて、どうしようもなく気持ちがいい。見られているせいか、触られていると  
ころだけでなく体中が熱くなっている。このまま流されてしまってもいいので  
はないだろうか、ふとそんな気持ちが生まれる。  
「ホークアイ准尉、いらっしゃいますか」  
 だが、その時、迎えの兵士の声が玄関に響いた。男はびくりと動きを止めて、  
固まる。今なら、離れられる。私は力の抜けた腰を壁に押し付けるようにして、  
男を突き飛ばした。  
「私です、副司令の部屋はどこでしょうか」  
 息も荒いままで、濡れた迷彩服も見てわかる様子だったと思うが、私は落ち  
着こうと努力しながら返事をした。  
 
 案内役に連れられて階段を登る。着衣を直したいと申し出たが、無視される。  
その時点で反応のおかしさに気付くべきだったが、私はまったく気付けなかっ  
た。ぞわぞわとして熱くなった場所のせいで集中できなかったのだ。  
 案内役の兵士は副司令の執務室の前まで連れて来ると、そのまま立ち去った。  
S&Wを預かることもなく、そそくさと逃げるような足取りだった。怠慢か気  
付かなかったからなのか、どちらなのだろう。そんなことが思い浮かんだのは  
、周りに人がいなかったためだ。  
 佐官、将官の部屋が集まったスペースに来ると、ほとんど人がいない。私は  
乱れた服を直して、一息つくことにする。ここの副司令は壮年の男性で、非常  
に古い頭の持ち主だ。歴史的なものを愛し、新しいものを嫌う。若い軍人の意  
見を、まるで子供の我が儘のように言って否定する。当然、私の上官であるマ  
スタング少佐とは、とても仲が悪い。  
 少佐は誰とでも仲が悪いような気もするが、特に副司令には気に入られてい  
なかった。副司令は、革新的なものが嫌いなのだ。頑迷で、理想主義を笑う。  
どこにでもいるが、理解できないものを遠ざけておいて満足するタイプ。それ  
が彼だ。  
 だが、古いものはいつでも新しいものに取って替わられてしまうものだ。私  
はそう長くないうちに、この連隊全てを少佐が掌握するに違いないと思ってい  
た。副司令が古いタイプの軍人だとすれば、少佐は新しい、理想に生きる軍人  
だ。私は少佐の繊細で理想主義なところ、そしてそれを本気で実現させようと  
するところに憧れていた。恋をしていたと言ってもいい。少佐のそういう部分  
はとても魅力的だったし、刺激の強すぎる戦場でも健全なままの少佐は、私が  
まともでいるための支えだった。  
 けれど、少佐には少し潔癖なところがあった。あれだけ女の人が好きな癖に、  
女の悪いところを見るのをとても嫌がるのだ。女性賛美もいいが、相手のいい  
部分だけを取り出して美化するような態度には、正直呆れてしまう。でも私は  
やはり彼が好きなので、玄関であったことが伝わらなければいいと思っている。  
憤ってくれるとまで信じることはできない。  
 
 時間が過ぎてしまった。私は慌てて副司令の部屋の扉をノックする。  
「連隊所属第○○隊副隊長、ホークアイ准尉です」  
「入りたまえ」  
 私は部屋に入った。部屋の中には護衛兵が三人いた。扉の前に一人、副司令  
の横に二人だ。三人とも、新兵であることが丸わかりの色の真っ白な兵士だ。  
扉の前の兵士など、ボディチェックの振りをして、身体を触ってくる。前から、  
後ろから舐め回すようにねっとりとした視線を浴びせ掛け、生地を確かめると  
断って胸をまるごと包み込む。  
 突起を手の平で押し潰すようにされ、少しかたくなっているのに気付いたの  
か、力を込められる。身をよじろうとするとヘラヘラと笑って、胸を愛撫した  
つもりになっている。だが、玄関の兵士ほどに巧みな手つきではなく、ただ気  
持ちが悪いだけだ。  
 私は眉を歪め、腕を振りほどいて肌を隠す。すると、兵士はまだ調べ終わっ  
ていないと近寄ってくる。まだ迷彩服の濡れた場所に気付いていないからいい  
が、もし気付かれたらどうされるのだろうか。気持ちが悪いだけのはずなのに  
興奮したように秘所が熱くなる。  
「おいおい、准尉さん。まだ下を確かめていないだろ」  
 兵士は腰に手を回し、迷彩服の端をつかんでゴムを弾く。ベルトで隠れてい  
るかもしれないが、中は何も履いていない。いやらしい染みがついているのを、  
気付かれるかもしれない。動揺して、太股を擦り合わせて少しでも隠そうとす  
る。  
「准尉さん、それじゃあ見えないだろう」  
 私は素直に一人でここに来たことを後悔する。ここは戦場で、女に飢えた男  
はどれだけでもいるのだ。副司令もこの連隊に来て長いはずなのだが、こんな  
兵士しか側にいないほどに人望がないのだろうか。私は心の中で副司令を責め  
ながら、目の前の男を睨み付ける。  
 恋人でもない男にヘアヌードを見られるぐらいなら、射殺覚悟でS&Wを撃  
ってしまおうか。手を腰に伸ばす。その時、副司令が口を開いた。  
「今日、呼んだのは君の部隊のことなんだが」  
 
「なんでしょうか?」  
 部隊について問題があるはずがない。規律違反はほとんどなく、戦歴データも飛び抜けて  
いる。  
 だから、聞き返す時堅い声になってしまったのは仕方ないだろう。不快に思われる可能性  
もあったが、不必要な叱責ならば認めるわけにはいかない。少佐でなく私を呼んだ理由  
が、見えた気がした。女だからと見くびっているのだろう。  
「君のところの兵器の状態について聞きたくてね」  
 私の態度の変化は伝わったはずだが、副司令は鷹揚そうに見える顔を作って身を乗り出し  
た。若い兵士の反抗心ぐらいは許容するとでも見せたいのだろうか。それとも、兵士の感  
情を汲み取るだけの感受性もないのか。私は事務的に報告書の存在を指摘する。  
「前の作戦で破損した備品については既に文書にして提出してありますが」  
「いや、私が聞きたいのは人間兵器のことだ」  
 人間兵器。私を軽んじることや部隊について難癖をつけることにならまだ、冷静さを装え  
る。副司令ほどの上官になれば、下士官を人扱いしない人間だっている。男ばかりの戦場  
でならば、玄関の兵士のような行為もおかしなボディチェックも有り得ることだ。だが、  
マスタング少佐を物のように言われるのは許せなかった。頭に血が昇る。そういう言い方  
をする人間にまともに答える必要はない。私は唾を飲み込んで、ゆっくりと返事をした。  
そうしないと上官に対する言葉が出てきそうになかったからだ。  
「小隊のことでしたら、私でなく上官に伝えて頂けますか?」  
「どういう意味だ?」  
 副司令の声が震える。鷹揚そうな表情が強張り、私を睨み付ける。  
「先程の質問にはお答え致しかねます」  
 私は一定の調子を保って答えた。私はまだ士官学校を卒業して少ししか経っていない子供  
で、権力者を怒らせるとどうなるかがわかっていなかった。顔を潰さずに受け流す方法も  
知らないままで、その割に自分が正しいと思っていた。上層部に嫌われても少佐が軍で昇  
進していけるのは、彼が能力のある錬金術師だからということを、実際の意味ではわかっ  
ていなかった。  
 
 だから、そのまま退出しようとした時に副司令が護衛兵達に合図をしたの  
にも、全然気付かなかった。ドアノブを廻そうとして初めて、閉じ込められたことに気付  
いたほどに、私は無知だった。  
「退出してもよろしいでしょうか」  
 伺うというよりは肯定を迫るような言い方で私は聞いた。副司令は答えずに、私の身体を  
眺めている。顔は見ていない。胸や腰、迷彩服で隠れたはずの秘所を検分するように見つ  
めている。いやらしい感じはしない。欲望よりもっと冷静な、例えるならば商品を確かめ  
るような眼差しだ。  
「准尉、まだ報告は済んでいない」  
 副司令はそう言うと、護衛兵達の方を見てあごで私の方を示した。兵士達は何も言わずに  
私の方へ来ると、両脇に立ち腕を拘束した。私は驚いてしまって、何をされているのか咄  
嗟に理解できない。  
「兵器の調子を報告したまえ」  
 副司令が命令する。答えを待たずに、ボディチェックをしていた兵士がタンクトップの裾  
を引き上げる。副司令に挨拶するように、胸がぶるりと震えた。  
「何をするの…っ!」  
 私は焦って腕を振ろうとする。だが、両脇から拘束されていて動くことができない。それ  
どころか胸を突き出すようになってしまい、そこを副司令がつかむ。かさついた手に乳房  
を揉まれ、乳首が隆起していく。  
「ほぉ…、美味そうなおっぱいをしているじゃないか」  
 副司令は隆起した乳首を弾くと、馬鹿にした様子で嘲った。弾かれた瞬間びくりと震えて  
しまい、顔が熱くなる。何回か興奮させられた後なので、敏感になっているのだ。副司令  
が何事かを囁くと、護衛兵達も確かめるように手を伸ばしてくる。指が食い込んできて、  
私は息を詰めた。  
「おい、准尉さん。いつからこんなに濡らしてたんだ?」  
 ボディチェックをしていた兵士が下半身を探っている。胸をこねられたせいで、迷彩服が  
股間に張り付いているのだ。兵士が食い込んだ部分をなぞる度に、びりびりとした刺激が  
走る。  
「ん…、いや、触らないで」  
 
 兵士の指が割れ目を往復する度に、抵抗する気力が萎えていく。濡れた場所が痒くて仕方  
がない。  
「准将殿、下も脱がせてよろしいでしょうか」  
「いや!お願い、そこはやめて!」  
 見られたら、どうすればいいのかわからない。私は叫ぶように懇願する。だが、兵士は躊  
躇うことなく、一気に迷彩服を引き下ろす。愛液が布地に糸をひき、その状態をまたから  
かわれる。限界を越えた羞恥のせいで、また濡れてくるのがわかる。  
「もうこんなに濡れているのか。こんなに淫乱ではマスタングも大変だな」  
「ぁぁ、…ぅン。…ちがぁ…」  
 副司令が指で秘裂を広げ、クリトリスをくすぐる。私と少佐はそんな関係ではないと、否  
定する余裕さえ与えてくれない。腰が勝手に震え始め、胸を副司令に押し付けてしまう。  
「淫乱な准尉さんはおっぱいを触ってほしいそうだ」  
 副司令が言うと、兵士たちが胸を強く揉み始める。  
「あ、…いや、ぁ…」  
 感じてはいけない、そう体に言い聞かせようとしても無駄だった。腰から熱が生まれてき  
て、どうにもできなくなる。イきたくてどうしようもなく、太股を擦り合わせる。前や後  
ろに硬い肉棒が押し付けられるのにも、抵抗できない。太股を擦り合わせるたびにがくが  
くと膝が震え、とうとう絨毯の上にしゃがみこんでしまう。尻に愛液の水たまりが当た  
り、恥ずかしさに目を伏せる。  
「准将殿!この女、入れてほしくて愛液を漏らしてますよ」  
「備品の絨毯にまで染みを作っております。これは懲罰ものでしょう」  
「准将殿、早く穴を塞いではどうでしょうか」  
 聞こえるのは辱めるような言葉ばかりだ。擦り合わせていた太股も、両脇から開かされ  
る。副司令に割れ目どころか粘膜まで見せてしまっている。士官学校を卒業してすぐ軍に  
入ったせいで、誰にも見せたことのない場所を暴かれている。嫌なはずなのに、絨毯に擦  
れて秘肉が濡れた音を立てる。私は情けなくて啜り泣く。すると、身体に当たっている肉  
棒は堅くなっていくのだ。  
「お願いです…、もう…やめて、」  
 しゃくり上げながら切れ切れに言うと、ボディチェックをした兵士がにやにやしながらフ  
ラッシュを炊いた。明るさに目をつむり、遅れて写真を撮られたのだと気付く。だが、写  
真を撮られたショックを受けながらも、熱は上がるばかりだった。  
 
「結合写真も撮らなければな」  
 副司令はそう言うと、私に軍服を脱がせるように命じてきた。脱がせば挿入されることは  
確実で、ゴムを持っている様子はない。私は必死で首を振った。避けられるわけがないの  
はわかっていたが、万に一つでも心変わりがあるかもしれない。  
 だが、そんなことは起こらなかった。副司令はそれ以上強制せずに軍服を脱ごうとした  
が、兵士は抵抗を許さなかった。何回か頬を張られ、副司令の命令に従うように指導され  
る。軍の訓練でも女兵士には暴力はあまり振るわれていなかった。慣れていないせいでよ  
り恐ろしく感じる。私は副司令のベルトを口で外し、ブリーフのゴムを犬のようにくわえ  
た。両腕も足も拘束されていて、口しか自由に動く場所がなかったためだ。ブリーフを下  
ろす時に勃起した肉棒が頬に当たり、グロテスクさにまた泣きそうになる。  
「兵士でなくて犬だとは気付かなかったぜ」  
 後ろの兵士が臭い息を耳元に吹き付ける。気持ち悪くてたまらない。だが、拘束された身  
体では逃れることができない。副司令の肉棒が潤んだ入口を愛撫している。こんな男に処  
女膜を奪われるのだ。戦慄が全身を駆ける。「い、いや…。やめて…」  
首を横に振って、腰を浮かして逃げようとする。叫べば誰か来るかもしれない、そう思い  
ながらも大きな声が出せない。集まってくるのが玄関にいた兵士のような者たちだったら  
どうしようと思うのだ。  
「騒がないでくれよ、准尉さん」  
 それでも口を開こうとすると、兵士が手でふたをする。副司令が胸をたっぷり揉みなが  
ら、わずかずつ侵入してくる。恐怖でかたくなってしまったせいで、かえって肉棒の形が  
わかるようになってしまう。  
「ひっ…、」  
 ぎゅっと眉が歪む。副司令が股間に膝をつき、ぐいぐいと突いてくる。肉が裂け、血が溢  
れる。  
「ひっ、」  
 口を押さえられているせいで苦しくても呻くこともできない。フラッシュが何度も炊か  
れ、結合部にレンズが向けられる。駐屯地に高級品であるカメラなど殆どないはずだ。呼  
び出した時からそういうつもりだったのだと思い知る。副司令が「ふぅっふぅっ」と妙な  
息を吐いて膣内にすべてを埋め込む。  
 
「ン、グム…ゥ」  
 激痛が身体中を貫いている。肉棒が何度も往復して擦れている。濡れた音がうざったいぐ  
らいに響く。  
「なんだ、准将さんは初めてだったのかよ」  
 兵士が口をふさぐ手を離すと、馬鹿にしたように言う。泣き叫ぶ気力もなく、ひぃひぃと  
息を吸うことしかできない。  
「これからはマスタングの報告をするんだ。いいな」  
「あ、いや……いやです、」  
 副司令はそう言うと抜き差しする速度を速めてさらに奥へと侵入してきた。私は必死で拒  
否しようと首をふる。メリメリと身体が軋む音がする。痛くて苦しくてどうしようもな  
い。  
「ふん、すぐに報告をしたくなる」  
 副司令はそう言って、子宮に届くのではないかというぐらい深くまで進入した。身体が揺  
さぶられ、全部副司令でいっぱいになってしまった気がする。  
「いた……ゃ、あ、あ」  
「よし、准尉。出してやるぞ」  
 何度目かわからない涙を零すと、副司令は満足そうに喉を鳴らして肉棒を打ち込んだ。一  
際奥に侵入し、ぶるりと体を震わせる。奥の方で何かが溢れたような感覚がして、私は中  
に精液を吐き出されたことに気付いた。  
 副司令は全て吐き出してから肉棒を引き抜き、精液まみれの身体の写真を撮った。もう満  
足したらしく、後は兵士たちに任せると言い、部屋を出ていく。その後、私は気を失うま  
で男たちに貧られ、何度も精液を吐き出された。血と精液で滑りがよくなる頃になると、  
 私も段々痛みだけではなくなっていった。状況になれ、感じることを覚えた。だが、三人  
の兵士だけでも前線に来てからずっと飢えていた女の身体を貧り尽くすのには、身体がも  
たなかった。外のテントに帰る時には、腰ががくがくしていてほとんど歩くことができな  
かった。  
 
 問題はそれからだった。副司令は写真を楯にとって、毎晩マスタングの報告に行くことを  
要求した。それは毎晩犯されることも意味した。副司令の部屋に行くとき、私は下着をつ  
けることを許されなかった。与えられた、スリットが入っていて歩くたびに恥丘や隠毛が  
丸見えになるミニスカート、上は乳首の色がレースの間から透けるようなキャミソールを  
着せられた。テントから副司令の部屋までを往復する間は、張り型を中に入れるように言  
われた。張り型を入れたまま歩くには、ずっとそれを締め付けていないといけなかった。  
 歩く度に中の位置が変わり、太股を愛液が伝った。立ち止まると水たまりができかねない  
ので、私は早く歩くことにした。そうするといやでも中が刺激されてしまい、部屋に着く  
頃には充分に中が熟れているのだった。  
 だが、それだけ目立つことをしていたのに、なぜか駐屯地で噂になることはなかった。規  
則が厳しく、十時以後に廊下に出ることが許されていなかったためかもしれない。副司令  
達に、私を他の人間にも分ける気がなかったせいかもしれない。私は少佐に関してはでき  
る限り当たり障りのないことだけを報告したが、犯される方はそんな風に手を抜くことが  
できなかった。  
 
 フェラチオや手コキはもちろん、穴の締め方やアナルの開発まで行われた。指先が入るだ  
けで脅えていたのが、段々と感じられるようになるのを、副司令たちは喜んだ。鉛筆や万  
年筆を挿入して、くじ引きをされることもあった。その頃には官能も開発されていて、私  
はくじを混ぜる間に潮を吹いてしまうこともあった。愛液でてらてらと濡れ光った筆記具  
を、何度も舌で清めさせられたのを覚えている。備品が汚れると叱責しながら、副司令た  
ちは色々な物を私の秘所に入れた。水筒やペンライト、Cレーションを注ぎ込んで食事会  
をされることもあった。私は痛みよりも快楽を感じられるようになっていて、Cレーショ  
ンを舌でほじくられる時には、何度か気をやりもした。乱暴なことをされるうちに、痛い  
だけでなく興奮できるようになったことが、まだその状態の中でマシなことだった。  
 だが、感じるようになっても、彼らに対する嫌悪感は変わらなかった。気持ちが悪かった  
し、許せないと思っていた。そのまま二カ月ほど夜と朝の二重生活が続き、私は疲労して  
いるところをヒューズ大尉に気遣われた。少佐でなく、ヒューズ大尉に気遣われたこと  
が、私にはとても悲しかった。  
 
 

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