グラトニーはラストを探して、セントラルの街に出ました。  
「ラスト・・・ラストぉ・・・」  
たくさん歩いても、ラストは何処にも居ません。  
 
庭の草影に、おままごとをしている女の子がいました。  
彼女も一人ぼっちです。  
「ボク、グラトニー」  
「・・・あたし、エリシア」  
女の子はお人形の頭を下げながら、彼女の名前を言いました。  
「なんで一人で遊んでるの?」  
「・・・パパがいないの」  
 
ラストは居ないので、グラトニーは他の場所に去ろうとしました。  
「えっと・・・パパ役やって!」  
女の子はグラトニーの服を握りました。  
グラトニーはラストを探したかったのですが、  
エリシアは強引に泥で作ったご飯を出しました。  
 
「はい、どぉじょ。召し上がれ」  
「いただきます」  
グラトニーは食欲ですから、何でも食を進められたら思考が止まってしまいます。  
エリシアが作ったご飯を全て食べてしまいました。  
「本当にたべちゃったの?しゅごいね」  
「もっと、もっと」  
エリシアは上機嫌で、葉に乗せた泥のご飯を出しました。  
「はい、どぉじょ」  
グラトニーは、それも全て平らげました。  
 
「ごちそうさまでした」  
グラトニーは、食事を終えて、キチンと挨拶をして、去ろうとしました。  
「ごちそうしゃまでした。あぁもうこんな時間?お風呂に入る時間ョ。パパ」  
エリシアはそう言いながら、服を脱ぎ始めました。  
おままごとの時のエリシアは、彼女のママの口調にそっくりです。  
「でも、ボク、服って知らない」  
「いいかりゃ、脱ぐのょ」  
エリシアはグラトニーの服も脱がそうとしましたが、  
グラトニーの服は脱げません。  
「いたいよぉ」  
「じゃあしょうがないから、そのままお風呂に入るぅ」  
「お風呂ってなに?」  
グラトニーは聞きました  
「お風呂、知らないの?お風呂って身体を洗ったりするところだよ」  
エリシアは身体をこすっています。  
グラトニーも真似てみます。  
「洗ってあげるね」  
エリシアは、グラトニーの禿頭をくしゃくしゃにしました。  
 
「それから、お風呂ってどうするの。なんか食べるの?」  
「それから、パパはママのおっぱいを触るの」  
「なんで?」  
グラトニーは聞きました。  
「知らないけど、パパはよくママのおっぱいを触ってたよ」  
「ふーん」  
「はい、触って」  
エリシアは、グラトニーの手を引っ張って彼女の胸の上に彼の手を置きました。  
ラストのような大きな柔らかい胸は無く、ただ、ぺったんこな皮膚があるだけです。  
「・・・ラスト・・・」  
グラトニーはラストを思い出しながらいいました。  
エリシアは、触られたことに満足している様子です。  
「次にパパはこっちも触るの」  
そう言って、エリシアは彼女の下半身にグラトニーの手を置きました。  
そこには、ただ筋があるだけです・・・  
「どう?」  
エリシアは満足げに聞きました。  
「・・・よくわかんない。それで、それでどうするの?」  
グラトニーには性欲はありません。  
だからエリシアが要求している事が全く分かりません。  
 
「それで、最後に抱き合うの」  
エリシアはグラトニーに抱きつきました。  
「パパ・・・」  
「ラスト・・・」  
 
「ねぇ・・・、食べていい?」  
長い時間抱き合いながら、グラトニーは聞きました。  
「駄目」  
「でも、ボク、とってもエリシアちゃんを食べたいの!」  
グラトニーはいつでもどこでも何でも食べたいホムンクルスでしたが、  
こんなに、特定の物を食べたいと思った事はありませんでした。  
それになんだか、ラストに「いい子ね」と抱かれたような気持です。  
ラストとは全然感触が違うのに。  
「ねぇ、エリシアちゃんを食べていい?」  
「・・・じゃあ、エリシアが大人になったら、食べてもいいよ。  
パパが銃を持って言ってたもん。  
『大人になってエリシアが本当に本当に大好きな人と出会ったら、  
食べられる前に、パパの所に連れてきなさい』って、  
それって、大人になったら好きな人に食べられるって事だよね」  
「食べる! 食べる!」  
「エリシア、グラトニー君のこと好きだから、大人になったらきっと食べてね」  
「うん。約束」  
 
そうして、2人は何時までも抱き合っていました。  
 
夕暮れの赤い幕が、天を被い始めてきています。  
「エリシアちゃーん、何処に居るのー?ご飯の時間よ」  
「あ、ママが呼んでる!じゃあねー、グラトニー君」  
「うん、バイバイ」  
エリシアは、服を着て家に入って行きました。  
 
夕焼け時のセントラルは、夕飯の良い匂いがしています。  
グラトニーは一人ぼっち。  
ラストを探して街をさまよいます。  
 

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