ヨキの独裁体制はライラの敗北であっさりと崩れてしまった。  
かつての独裁者は鉱夫達に袋にされてしまう。  
それを見たライラは自己保身のために逃げることにする。  
逃げても逃げても追いかける追っ手・・・  
正直もう疲れた・・・捕まってボコられようが犯されてもいいとさえ思った。  
「あのおかっぱだけは許せねえ!」「なんとしても捕まえろ!」  
こんな会話を聞くと、自然に体は逃げる体勢になってしまう・・・  
 
なんとか森までたどりつくことができたライラ。すっかり汗でびしょびしょになってしまった・・・  
森は暗くて何も見えない・・・とりあえず座りたい・・・そんな思いで腰をかけたら、いい背もたれがあった  
その背もたれがライラの運命を変えることになろうとは・・・夢にも思わなかった・・・  
 
 
ライラはその「背もたれ」が動いて驚いた  
「きゃあっ!」  
この声を聞いた「背もたれ」も驚く  
「あっ・・・ごめんなさい・・・あれっ?もしかしてライラさん?」  
その「背もたれ」はライラの名前を知っているのである。  
「あなたは・・・アルフォンス君?」  
ライラはその「背もたれ」の声を聞いて、一発で即答したのである。  
その「背もたれ」とは「アルフォンス・エルリック」であった。  
偶然というべきか、あまりにも珍しい組み合わせ・・・これは運命であろうか?  
 
「ライラさん・・・一体どうしたんですか?すっごく汗かいていますけど?  
 あっ、遅れました。僕は・・・兄さん達がどんちゃん騒ぎしているのに耐えられなくて・・・  
 それでここで空気にあたっていたんです。」  
アルは嬉しそうなんだが照れているのだがわからないそぶりを見せる  
それに対してライラは落ち着きがない・・・  
「私はね・・・追われているの・・・もう・・・疲れたわ・・・」  
そこまで言い出した途端、ライラの目から涙がこぼれだした。  
「ライラさん・・・」  
アルはライラに手を伸ばそうとするが・・・  
 
 

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