ひんやりした地下室は、辺りに釣り下げられている機械鎧のせいでもっと冷たく感じた。  
「あっ……アル…や」  
「僕の名前、呼ばないでって言ったでしょ」  
薄暗くて表情がよく見えない。僕は壁にウィンリィを押さえ付けて、キスをした。  
『今から、』  
金色の綺麗な髪を覆い隠す布を取り、彼女の手首を縛りながら、ここへ閉じ込めたときに言ったことを思いだしていた。  
『僕を兄さんの名前で呼んで』  
馬鹿げてる。こんな意地悪なことを言って、やさしい彼女を拘束して。  
でも、止められないんだ。  
君が兄さんのものになってだいぶ経つけど、僕だって、その間ずっと気持ちを隠していて、必死だった。  
でも言えるはずがない。ウィンリィだって、兄さんのこと想ってたもの。  
ふたりの幸せを壊す権利なんてない。  
だけど兄さんだって、僕の好きな人を取る権利はないはずだ。屁理屈だとわかっていても、その考えは僕をずっと軽くした。  
「やぁっ…」  
ウィンリィの細い首にキスをいくつも落とした。  
「嫌?」  
僕は舌を這わせながら、耳元でそう言った。  
嫌に決まってる。  
「ひぁっ」  
「嫌なら、兄さんを呼べばいいじゃないか」  
正面からウィンリィを見た。肩は壁のせいで冷たく、青い瞳は潤みのせいで澄み、それが純粋な心を思わせて少しひるんだ。でも僕はもう……  
「今の状態を、見せられるならだけど」  
言ってから、黒い布に包まれた胸をつかんだ。  
「……っう」  
一気にその瞳から雫がこぼれ落ちた。今まで泣くまいと我慢をしていたのだろう。  
きっと僕なら、自分を逃がすと思ったの?  
「逃がさないよ」  
 
布を上にひっぱり上げると、豊かな胸がぽろんと落ちた。  
「…抵抗しないね」  
僕は、地下室の隅の壁にウィンリィを追い詰めていて、手首を縛っているだけで脚は自由なのだ。  
ただ涙ばかりこぼす彼女は、反対に口からは何もこぼさないままだ。  
しゃくり上げる彼女に構わず、僕は両手で胸を揉み始めた。  
「…っん……んん…」  
口を堅く縛って解こうとしない。  
「何で抵抗しないんだよ」  
胸の頂にあるピンク色を突いて言う。  
「ぁっ…アル、ごめんなさ…」  
「僕の名前は呼ばないでって言ったろ」  
 
突起を口に含み、舌でこねくり回すと、やっとあえぎが紡ぎ出せた。  
「ん…あぁ…」  
左手では胸を揉み、もう片方は乳首を舌で舐めていたが、僕は両胸を寄せてみた。  
「ウィンリィは胸おっきいから、寄せるとこんなにたぷたぷなんだね」  
寄せた胸の両方の乳首を、僕は一気に舐め回した。  
「あぁ…ぁんっ、あっ!」  
それと同時に大きな声で、彼女は鳴き始めた。  
「いいの?いくら地下室でも、そんな大きい声出したら、上にいる兄さんに聞こえちゃうよ?」  
「あ…」  
我にかえったウィンリィが、顔を思い切り赤くする。僕はにこっと笑ってみせた。  
「見せられないでしょ?兄さんに、僕に犯されて感じてる姿なんてさ」  
 
「…アル…も…やめて……?」  
小さなからだがかたかた震え出す。それは怯える小動物みたいで、余計僕の気をひくだけだった。  
「だから呼ぶなって。何回言えばわかるの?」  
僕は肩をつかみ、脇に置いてある薄汚れた机にウィンリィを乱暴に倒した。  
 
作業着を脱がせると、手首は頭の上で縛られ、胸を隠す布はまくり上げられ、下半身は下着だけという、いやらしい姿だった。  
何よりも、輝く長い髪が広がり、一層艶めかしさを引き立てた。  
「…ウィンリィ」  
僕は上に乗り、唇にキスをした。何度も何度も飽きもせず夢中で、同時にやわらかな胸をまさぐった。  
「…ん…ふぅ…」  
ふたりの息が荒くなる。閉じようとする唇を無理矢理こじ開け、ねっとりと深い口付けをかわした。  
たっぷり一分はそうしただろう。  
「ん…」  
口を離してから、絶え間なく吐く息が早いのに気付いた。彼女の眼はうつろだった。  
「エドって、呼んでみて」  
「……」  
「ほら」  
再び堅い胸の頂を口に入れる。  
「ふぁっ!…あ、え……ど…」  
「言えるじゃない。どうして言わなかったのさ」  
その理由は僕だってわかっているのに。  
「…っ…て…あ!」  
ぴちゃ、と水音が響いた。  
「下着、濡れて大事なとこ透けてる」  
わざと観察して言う。  
顔を見ながら、下着の上から指を動かしていく。少しずつ、表情が女っぽくなるのがわかる。  
「は…っ」  
ぴちゃ、ぬちゃ、  
「いいの?」  
一番感じる、小さな箇所を指で撫でる。  
「ぁあんっ!」  
「…ここ、好きなの?」  
「くぅ…ん…っ!」  
「可愛いよ」  
その声は、今だけは僕のものだ。  
 
くたりとしたからだを机に座らせて、いやがる脚を無理矢理開かせた。  
「…恥ずかしい…」  
僕はしゃがみ、眼の前の香りを放つ秘部を見つめた。  
「兄さんとはいつもしてるんでしょ?」  
何も言わない。  
「嫌なら僕を兄さんだって思えばいいだろ。エドって呼んでさ」  
ちゅく、と濡れた下着に舌を這わせる。  
「はぁあっ」  
さっき一番感じていた小さな箇所ばかり、薄い布ごしに責めていく。  
「あ、ぁんっ、ふん、んん…っ」  
僕は下着を太ももまで下ろし、直接そこを舐めていく。  
豆粒みたいに小さなそこは、赤くうれて蜜をまとい綺麗だった。  
ちろちろと舌で突くと、  
「やぁ、エド、エドっ」  
ウィンリィは声を出した。  
蜜をじゅるっと飲みほして、しつこくそこばかり責めて、可愛い喘ぎで頭がいっぱいになる。  
「はぁ、ぁ、んっ、エド、んぅ」  
ちゅぷ、と指を一本入れた。舐める勢いも強くすれば、もっともっといい声で鳴くだろう。  
指を動かして、いいところを探す。  
「あぁぁっ!!…アル、ごめんなさ」  
「ふーん、ここがいいみたいだね」  
指を一気に三本に増やしてそこをかき回す。  
「いやぁっ!んあ、あぁん、やぁ!!」  
舐めながら顔を見上げる。からだは反り、眼をぎゅうっとつむって、たくさん鳴いている。まだ涙は流れているけれど。  
「やあぁぁあっ!」  
達したみたいだ。溢れて止まらない蜜は白濁になっている。  
 
「…は、はぁ、はぁ」  
ぐったりとした面持ちで脚をだらしなく広げたまま、ウィンリィは荒げた  
呼吸をしている。僕はべとべとになった唇でそっとキスをした。  
僕はウィンリィを床に下ろし、俯せになるよう言った。  
後ろ手に縛られているせいで、肩でからだを支えてお尻だけを突き出す格好になった。胸の先はコンクリートの床に触れ、堅くなっている。後ろに回ると、ぱっくりと開いた秘部から太ももにまとわりつく下着に糸が引いていた。  
前おきなしに、僕は自身をそこにあてがう。  
「あ……んっ!!」  
……気持ちいい。こんなに暖かいなんて。  
ヌプヌプとどんどん吸い込まれて、完全に僕はウィンリィの中に。  
「ウィンリィ」  
「…は、はぁ…あ」  
「僕のが入ったよ。兄さんのじゃなくて、僕のが」  
「あ……」  
ウィンリィがこちらを振り向く前にお尻をつかみ、激しく出し入れした。  
「あぁ!!ぁあん、やん、やっ!!」  
「何が嫌なの?こんなにいい声で鳴いてさ」  
「んん、んはぁ、ふぁあ!!」  
ずちゅずちゅ音が鳴り、結合部はいやらしい蜜で光っている。僕が眼をやると、知らぬ間にウィンリィも腰を前後に動かしていた。  
「気持ちいいの?奥まで当たって」  
高く上げたそこに、僕がぶつかり合う音がする。  
「んぁ、あ、エドっ!」  
「うっ……!」  
ウィンリィの中で果て、ゆっくりと自身を抜いた。  
 
「ぁ…ん…」  
ウィンリィが切なげな声を出す。そのまま横たわり、たわわな胸が揺れた。  
「まだだよ」  
僕は彼女を抱え、仰向けにし開脚させた。縛られた華奢な手が頭上に行く。  
「エド…エド…」  
泣きながら、しかし放心して、兄さんの名を呼び続けるウィンリィ。僕は彼女を犯したのだ。  
間を開けずにすぐ嬌声が上がる。  
「はぁ!はん、んぁっ!ふ……っ!」  
突き上げるたびに胸が揺れ、僕は頂を舐め回し、同時に秘部の豆をいじりながら腰を振った。  
「やあぁっーー!!」  
「またイッたの」  
だらしなく開いた口にキスする。  
「ア……ル…ごめんね……きぁっ」  
聞きたくない。  
僕は仰向けに寝転がり、ウィンリィを上にした。  
「んっ…ご…ごめんなさ…」  
「兄さんとするみたいに、自分で腰振りなよ」  
やったことあるんでしょ?僕は付け足して言う。  
「あた…あたし…アルの気持ち気付いてた……のに…」  
「黙って」  
僕は上半身を起こした。  
「ほら、動いて」  
この腰はこんなに細いというのに。  
「ごめ……ね…」  
こんなに愛しいものを、僕は壊した。  
「うっ!あぁ!あっ!!」  
彼女の腰を持ち動かした。「…ごめ…ん、ウィンリィ……っ」  
でももう止まれない。  
「あぁ、ん、エドっ!」  
君の奥底にいるエドという名前。  
それは僕の兄さんで、君は兄さんのもので、僕の手には入らないんだ。  
 
「償いのつもりで…僕に抱かれたの?」  
そのとき響いたノックの音。  
僕もウィンリィも、はっと我にかえってぴたりと止まった。  
「アルー、ウィンリィ、まだ部品見つかんねぇのか?」  
…兄さんだ……!  
ウィンリィのからだが冷えていくのがわかる。  
部屋に鍵はかかっておらず、今開けられたら薄暗いにしても、すぐにばれてしまうだろう。  
「兄さん、今ウィンリィ集中して機械鎧組み立てしてるから、来るとスパナ飛ばされるよー」  
慌てるウィンリィを押し倒し、秘部に勢い良く吸い付いた。  
「ぁっ……!!」  
口を押さえようにも縛られてできないウィンリィは、湧き出る快感にされるがままだ。  
「くぅ、あ、アル、やめ…っ!」  
「ふーん。じゃあ俺、できるまで上行っとくな」  
階段を上がる音がしたとき、僕は弱いところを思いきり吸った。  
「ぁんっ!!」  
またイッたらしい。  
「兄さんが来たのにね」  
じっとり汗をかいた彼女の額に口付ける。  
「これから先、ずっと兄さんにこんなやらしいこと、されるんだろ」  
「ア…ル……」  
「まだやめないよ。……今は、僕のものだからね」  
今だけは、僕だけのウィンリィでいて。  
僕は熱い僕自身を、愛しい彼女に突き入れた。  
こんなに近づいても、彼女には届かないと知っていても、何度も何度も、彼女を抱いた。  
 
END  
 

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