「・・・ん・・・」  
朝、目が覚めた。  
暖かい日差し。  
「ふわー…あ」  
伸びをして立ち上がり、窓を開け放つ。  
「良い天気。今日も頑張りますか!!」  
今日も、鉄の匂いがするこの街で。  
 
『ことばにできない。』  
 
「ウィンリィ!!」  
ガチャガチャと音がし、ウィンリィは振り向いた。  
「アル!久しぶりね!」  
ニコニコと笑いながら、アルに隠れている少年を見た。  
「…エドくぅ〜〜〜〜〜ん?(怒)」  
ウィンリィに呼ばれた少年はニコニコと笑いながら外れた右腕を提示した。  
「………。」  
「………。」  
5秒。  
「何でアタシの愛する機械鎧をこんな風に扱うのよっ!!  
 しかも何!?今回取れちゃってんじゃない!!!」  
「うわわわっ ゴメンっ ゴメンッ!!」  
スパナで追い掛け回される少年はひたすら謝りスパナをかわす。  
「兄さんの使いっぷりじゃ、機械鎧はサスガに長くないよね…」  
アルは笑いを含んだ声で、そう言った。  
 
「うーん。まぁ、部品が有るから今日の夜には元通りに出来ると思うわ。」  
「いつも悪いな、ウィンリィ。」  
社交辞令となった毎回の言葉。  
イスに座りながらエドは頭を掻いた。  
「そう思うんなら、もっと大事に扱って欲しいわ。」  
にっこりと笑いながら言ったウィンリィの言葉には怒りが見え隠れしている。  
しかし、本気で怒っていないのももちろんエドにはわかっていた。  
毎回、壊れた腕を見るのは痛々しいものだと、ウィンリィは顔を歪める。  
「まぁ、仕方ないのかもしれないけど。」  
ポソリと言った言葉に。  
「え?」  
「…何でもないわよ…」  
ウィンリィは俯いた。  
 
白い肌。キレイな髪。  
ビロード布地のような皇かなキャミソール。  
(だ〜〜〜〜〜か〜〜〜〜ら〜〜〜〜  
 何でコイツは毎回会うたびにこんな格好してるんだっ!!!)  
毎回、エドはウィンリィの服装にドキドキしてしまう。  
どこに、目をやれば良いのか。  
そのくせ、今日は何処となく淋しそうな表情をするから、気になって仕方がない。  
(まぁ、ガーフィールさんは女よりだから、いいっていったら良いけど…)  
時折香る、彼女のやわらかな香り。  
衝動的に抱きしめたくなってしまうこともよくあることだ。  
もし、彼女が許してくれるならば。  
 
「夜、宿を取るんでしょう?エド。」  
「あ、ああ。いつものところに泊まろうかと思ってる。」  
「わかった。夜に機械鎧つけに行くから。」  
ウィンリィはそう言うと作業に取り掛かった。  
もう、何も見えていない。  
見えているのは、エドを守るはずの、エドの腕だった。  
 
毎回。エドがここに来るのが怖かった。  
とても見れないような壊れ方をしているあたしの作った、彼の腕。  
大事なあたしの腕は、必ず彼を守ってきた。  
だから、必死にならなければ行けない。次にまた会う為に。  
 
夜には雨が降ってきた。  
(あたしの機械鎧が濡れちゃう。)  
ウィンリィは急いで宿まで走ると、勝手に宿の扉が開いた。  
「早く入れ。」  
「ありがとっ」  
部屋の中まで入ると、テーブルに大事そうにゆっくりと腕を置いた。  
「ごめんね。部屋濡らしちゃって。」  
「そんなのはいいから、風呂入って来いよ。風邪ひくぞ。」  
風呂。その単語にウィンリィは少し嫌そうな顔をする。  
「うで……」  
エドはエドで、必死に風呂へ進める。  
「良いから、早く!!」  
「うで……」  
「だ―――――ッ!!!もうっ!!!」  
いきなり叫ぶエドにウィンリィはビクっとするが、ふと気付いた。  
顔が、赤い。  
「……エ・ド?」  
「頼む!頼むから!!雨に濡れて服が透けてんだよっ!!」  
「!!!」  
ウィンリィは顔に血が上るのを感じ、そのままバスルームに駆け込んだ。  
 
おどろいた。びっくりした。エドがそんな事を気にするなんて。  
ソレに反して自分は気付きもせず、平然としていた。  
ハズカシイ。雨に打たれたら、服が濡れるのは当然のコト、なのに。  
――――ウィンリィは浴槽の湯船に顔を埋めた。  
 
(ヤバい。ドキドキする。)  
エドも胸の動悸を止められないで居た。  
今まで、あんなに上手く隠していたのに。  
「――――…ッ」  
眼の奥に、熱いものを感じた。  
「…ッくそ!!」  
一言そう漏らすと、鞄の中にしまってあった難しい本を取りだし、  
窓際に椅子を引き、読み始めた。  
"カチャリ"  
本を読んでいるエドを見て、ウィンリィは目をゆっくりと伏せた。  
エドは本に目を落としたまま、呟くように言う。  
「ちゃんと、温まったか。」  
片腕で、器用にページをめくった。  
「…うん。」  
「風邪なんか、引かせるワケにいかないんだからな。髪の毛ももっと、ちゃんと拭け。」  
「…うん。」  
頷くだけで声に色がないウィンリィにエドはようやく目を向ける。  
「おい、ちゃんと聞いてるの……」  
白い肌。濡れた髪。そして…  
「…エド…服…」  
「!!!」  
エドはとっさに自分の服を脱いで、彼女に投げつけた。  
ウィンリィは顔に当たった服を手にとって、浴室に戻っていく。  
「――――〜〜〜!!!」  
顔を真っ赤にしながら、エドは「そうだよ、服は濡れてんだ、着れねぇよ」とか  
「バスタオル捲いてたから重傷じゃない」とか色々と考えていた。そして、ふと気付く。  
「…元気が…ねぇな……。」  
 
「大丈夫か。」  
「あ、うん。」  
頷いて、ウィンリィはスムーズにエドに腕をつけ始めた。  
その間、会話というものは殆どなかった。  
腕の調整が終わりそうな頃に、ウィンリィが小声で謝った。  
「謝るコトなんか、ねぇだろ。」  
彼女は幼馴染という枠を外しかかった事に対して謝罪しているのだろう。  
彼女が自分自信で気付かぬ内に。  
「お前。俺の事 なんだと思ってんだよ。」  
「………。」  
「国家錬金術師だ。」  
謝ってもらうつもりなんか一切なく、彼女自信の知らずの内の謝罪が  
心のどこかに引っかかったのか、彼の口調は強い。  
「………。」  
「お前は、機械鎧技師だろ。謝る必要が何処に有る。」  
「……だもん……。」  
「あ?」  
「幼馴染だもん!!謝る必要!?  
   沢山あるわよ!! 沢山!!!」  
――――…逆ギレ?  
「何よ!!じゃあエドは私の事なんだと思ってるのよ!!」  
ウィンリィの涙声が、頭にガンガンと響いた。  
 
 
良い香り。女のコの匂い。  
心地良い声。  
「うるせぇよ。」  
ウィンリィを抱き寄せ そのまま唇を 寄せる。  
 
 
荒く荒く口付けて、エドは青い目を光らせたまま。  
唇を離し、ウィンリィの肩に顔を埋めた。  
「お前は、女だ…。か弱くて、俺なんかとは違う…」  
苦しそうに、エドは喘いだ。  
「俺より、誰より…キレイな…。」  
"ガツン!!!!"  
「ぐわっ!!」  
頭を襲った重い衝撃。  
――――…スパナ??  
エドは頭に手を当てて唸る。  
「納得…・・いかない。」  
「ウ…ウィンリィ…さ…ん???」  
「あたしは…鉄の匂いが好きで、こんな工具を持ち歩いてて……  
  そんな、お花ちゃんじゃなくて……」  
ウィンリィは耐え切れなかった様に泣き出して、  
 でも伝えたい言葉を必死につむいだ。  
「………好き………。」  
 
 
泣きながら言われた言葉は、とても痛かった。  
自分の言った言葉を否定したくて、  
なのにその言葉しか出せなくなった彼女が、いつもよりか弱く見えた。  
―――気がついたら、押し倒していた。  
先刻のように、荒々しくキスをして、ベッドに押さえつけていた。  
ウィンリィは喘ぐ。苦しそうにしゃくりあげながら息をする。  
正気に戻ったようにエドは体を離した。  
「悪ィ…」  
ウィンリィに背を向けると、ウィンリィは後ろからエドを抱きしめた。指が、微かに震えている。  
「…あたしの事、好き?」  
エドは、少しして頷く。  
「ウィンリィのことは好きだ。」  
胸が、ドキドキする。ウィンリィの甘い声。香る体臭。  
「………。」  
ウィンリィはそっと体を離した。  
顔が、見れない。  
今、荒々しい情欲が体の中ですごい勢いで渦巻いている。触れたい。でも、触れてはいけない。  
「……ッ」  
再び、ウィンリィの泣き声がする。  
「エド。私怖い。」  
俺が怖いのだろうかと、エドは思う。獣の匂いに気付いたのかと思った。  
「次にエドがどんな怪我をして帰って来るのか考えると、すごく怖い。」  
ヒューズさんのように。  
「…エドは、あたしの事なんかどうでもいいかもしれないけど、  
  あたしはそんなの嫌だよ…。」  
エドは、その言葉にようやくそっと振り向いた。  
「あたしの事、ちゃんと見て。全部。」  
「全ッ…」  
びっくり、した。  
ウィンリィもぐすりと鼻を鳴らしながらエドを見る。顔はどちらも熟れた様に赤い。  
「全部って…お前。」  
ウィンリィは少しエドを見つめた後に、エドから借りたシャツを脱いだ。  
 
白い肌。やわらかそうで、頭がクラクラする。見てはいけないと、エドは顔を反らした。  
触ったら、絶対に優しく出来ない。欲望に負けるわけにいかなかった。  
「エド……」  
「ダメだ。着ろ。」  
「……嫌。」  
「ウィンリィ!!」  
「嫌!!!」  
怒鳴ったはずだった。  
いつもなら大概ビクリとしていう事を聞くが、ウィンリィは嫌がった。  
「…絶対…着ない……」  
ささやくような声がして、背中が温かくなる。ウィンリィが抱きついて来たのが良くわかった。  
やわらかい体。ウィンリィの吐息。ゆっくりと、強く 強く抱きしめてくる。  
「……馬鹿か…お前は……。」  
エドは苦しそうに言う。  
「うん…。」  
エドが回されたウィンリィの手をポンポンと叩くと  
ウィンリィは素直に体を離した。  
エドはゆっくり振り向いて、ウィンリィの顔を伺った。  
自分から脱いだくせに、とても恥ずかしそうにして後ろに体を反らす。  
「…見て欲しいんだろ。俺に、全部。」  
少し冷たいような声でエドが言うと、ウィンリィは頷いてエドを見た。  
「エド……。」  
とても切ない声で呼ばれ、エドは苦笑する。  
自分から言い出して勝手に脱いだくせに、恥ずかしいと顔で訴える。  
ただ、気持ちがきまっているのは見て取れた。  
ソコからはエドが強制して止められるものでもないのも解かっていた。  
顔を近付けて、ウィンリィにキスするように促す。  
するとウィンリィも唇を寸前まで近づけて、エドに促し返した。  
 
「エドから、して。」  
「何だよ、ソレ。」  
クスクスと笑った後、希望に添えるようにエドはウィンリィに口付けて、  
そのままウィンリィをベッドに寝かせた。  
エドが口内に侵入すると、ぎこちなくウィンリィがソレに答える。  
エドの手が腰に触れると、ウィンリィの体がビクリと反応し、震えた。  
その手が体をさすり、胸に届く。  
「あ…」  
ウィンリィは恥ずかしさのあまり、声を上げる。  
「すっげ、やわらけぇ」  
キスの合間に囁いたエドの言葉はとても熱くて。  
ウィンリィは重ねてくるキスに夢中になって答える。  
最初は優しく触るだけだったものが、だんだんと強くなり声を上げた。  
「んっ…ぅぅんっ…」  
「ウィンリィ、可愛い。」  
胸にキスを落として、痕をつける。  
「俺のものだ。」  
「ふ、…エド…?」  
「もう、俺のものだ。」  
そう言って、胸の先端に唇を落とす。  
「あっ…ああんっ…エドぉっ」  
熱い。  
触れたところ全てが熱かった。  
息が荒くなり、キスをし合って そんな中ウィンリィも「好き」と  
まるで熱に浮かされた声で囁き、そんな様子にエドも答えてしまうものだから  
体がすぐに反応して熱くなるのは当然だった。  
ウィンリィの反応を見ながらエドは意地悪そうに下部に手を伸ばした。  
 
「ん…ンン…」  
"ピチャ…"  
一度、淫猥なおとが響いて、ウィンリィは泣き出しそうになる。  
「コーフン、してるんだな。」  
クスクスとエドが笑うと、ウィンリィは「恥ずかしいよぅ」と  
蚊の鳴くような小さな声で訴える。  
「たまんねぇ。可愛い。」  
エドの吐息と声に熱が混じっている。  
普段の声からは想像も出来ないほど艶が有った。  
「きゅぅぅんっ…!!」  
指が、体の中に進入する。  
「あつい…中、すっごくあつい。」  
「やっん…恥ずかしいよ…そんなの、言っちゃ…ヤだ…」  
処女だったら、小指一本挿入するだけでかなり痛むと言うが  
救われる事に、ウィンリィは特に痛みを感じていないようだった。  
「…言うよ。――――なぁ、ウィンリィ。」  
「え…?」  
「入って、良いか?」  
「やっ…」  
くちゅ、と内部を動かすと、ウィンリィは喘いだ。  
エド自身もすごい熱を持っているのだ。開放したいに決まっている。  
「―――…いや、入る。入らせて。」  
ウィンリィの返事を聞かず、エドは熱を取り出した。  
全ての服を脱ぎ去って、エドはウィンリィを押さえる。  
「やっ…エドっ…待って…」  
「待たないよ。――…待てない。もう。」  
 
秘部に当たる、ウィンリィの体とは比べ物にならないような熱。  
ウィンリィの入り口をくちゅくちゅとなぞった後、ゆっくりと進入してきた。  
「ンッ…んんんっ……!!!」  
すごい圧迫感と共に、痛みが襲ってくる。  
「いっ…ああああッ…エドぉっ!」  
「何だ、ウィンリィ……」  
「エドっ…エドっ…」  
エドの背中に手を伸ばし、必死にウィンリィはしがみついてきた。  
みしみしと体の内部で音がして、激しい耳鳴りがする。  
「ウィン、ウィンリィ。」  
すごく熱の有る囁きは、何故か聞こえた。  
耳鳴りはすごい音なのに、エドの吐息と、そして囁き。  
奥に収め切ると、エドはウィンリィを抱きしめた。  
「ウィンリィ…好きだ。」  
「エド、あたしも。あたしも、好き。」  
きゅうーっと抱き返して、ウィンリィは息を大きく吐いた。  
「あたしの中に、エドがいる。」  
「うん」  
「すごく、嬉しい。」  
「うん。」  
まだ快感も掴めないウィンリィが、そんな事を嬉しそうに言う。  
痛いだろうに、そんな事は一言も口にしない。  
「ウィンリィ。」  
「…ん…?」  
「好きだ…何回言っても、足りない。」  
優しく、ついばむようなキスを贈ると、ウィンリィは切なそうに笑う。  
 
「このまま、溶けちゃえればいいのに。」  
「…?」  
「混ざり合って、ひとつになって。ずっとずっと一緒にいれたらいいのに。」  
「…俺も、そう思うよ。」  
切なそうな声をしてエドは言う。  
軽く腰を動かすとウィンリィは眉を顰めたが、しっかりと背中に手を回してきた。  
「きゃぅぅぅんっ…」  
ゆっくりと揺さぶられ、そのまま痛みを受け続けていると  
エドは唇にキスを落とし、一気に激しく揺さぶった。  
「やあぁぁぁんっ!!エドっ…エドぉっ!!」  
「ウィンリィ…もっ…ダメだっ…」  
一気に腰を引き、ウィンリィの体に熱をブチ撒ける。  
中で出すわけには行かないと思ったが、結果、ウィンリィの体を汚してしまった。  
快感の中でエドは「うぁ、やっちまった」と思っていたが、  
ウィンリィは息が整うと、ソレを指で弄んでいたりもした。  
「わ、ワリ…」  
「あったかいね。」  
クスっと、ウィンリィの笑った顔が見えた。  
「全部、新鮮で嬉しい。」  
しあわせそうに笑うウィンリィの体を布で拭いながらエドは思う。  
「お前…」  
「ん?」  
「……いや、何でもない。」  
痛くなかったはずがない。  
先程も言ったが、処女は小指を内部に入れるだけで相当の痛みがあるという。  
それなのに、痛い、とも やめて、とも言わなかった。  
最後には快楽に負けて突っ走った自分を責めすらしない。  
 
 
 
―――決めた。  
 
「ウィンリィ、痛かっただろ。ゴメンな。」  
毛布を体にかぶせて、艶やかな髪を撫でてやる。  
「痛さなんて、あんまり気にしてないわよ?  
  だって、嬉しい方が、勝っちゃってるもん。」  
可愛い。――…とても、可愛い。  
「次は、ウィンリィがキモチ良くなるように、絶対してやるから。」  
「……そんなの、スグよ。だって、  
  ダイスキな人に触られて気持ちよくならないなんて、  
   そんなのおかしいもんね……?」  
 
そして、エドは微笑んでそんな事をいう彼女に、キスを贈った。  
愛しすぎる気持ちを、なんとかして伝える為に。  
 

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