「リザ・ホークアイ中尉殿。もう少し足を開いてもらえませんか」
言葉は丁寧だが尊大な言葉で促したのは、彼女のまごうかたなき上司であり大佐であるロイ・マスタングだった。
「悪趣味な……っ」
彼女が普段きっちり着込んでいる軍服ははだけられ、乱れた服の隙間からは白い肌が露わになっていた。
リザの下肢を覆うものは頼りない下着一枚であり、それ以外のものはロイによって取り払われている。
軍服の下に着込んでいたハイネックのシャツは捲り上げられ、形のよい乳房はリザが吐息を吐き出すごとに不規則に揺れる。
覆いかぶさっていたロイはリザに軽いキスを落とすとそのまま首筋を舐め、乳首を嬲りながら、唇を下へを移動させていった。
そうして太ももに顔を埋める。リザの秘裂はもう見なくてもわかるほどに潤っている。
リザが放つ女の匂いがそれを知らせるのだ。ロイは喉の奥で低く笑った。
この行為をリザは良しとしない。わかっている。
情を通わせる行為に対して過敏すぎるほどの嫌悪をリザは持っている。
そのくせ、身体は与えられる愛撫を貪欲に貪り、もっともっととせがんで来るのだ。
そんなリザがロイには不思議でならなかった。
理性と身体のバランスが巧く取れていないのだろうか。
ならば今彼女が受けている羞恥はどれほどだろうなとロイは考える。
それを考えるとロイの表情は自然に笑顔を形作った。
中心に向け、つ、と柔らかな太ももを舐め上げ、指先で彼女の濡れた肉を割るように下着の上からなぞり上げる。リザの腰が大きく震えた。
湿った布の感触が肌に心地よい。
乱れた彼女の姿を見るのはこの上なくロイを興奮させるものだった。
「……悪趣味なのはお互い様だろう。さらに言えば、わかっていてこんな男を選んだ君が悪趣味であり、見る眼がないのだろうな」
笑いながらロイが言った。