・小鷹x夜空  
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 今年の夏はオレの人生で一番、イベントが多く、衝撃的だったと思う。  
 誰か一人と相手の心に迫る印象的なことがあれば素直に関係が深まっていったのに、世  
の中そう上手く行かないもので、夜空、星奈、理科と3人もそうした感じになって、楽天  
的なヤツだったらこの世の春を感じているところだと思うが、俺はどうにも浮かれた気分  
にならない。分不相応という感じなんだろうか。それぞれ、表面的な付き合いではないし、  
俺は、心を開いて付き合っているつもりだ。相手も素直な思いを伝えてきている…と思う。  
 
 でも、何だろうな、この気持ち。彼女たちに回してもらってるコマのようなもので俺は  
ずっと回り続けて倒れてはいけないような落ち着かなさを感じる。  
 小鷹という自分の名前の影響があるか判らないが、1本の心地よい枝に止まったり、  
しっくりくる巣に居たいと思うんだ。  
 そうした気持ちが、夕飯後のまどろんだ時間に夜空へ電話を掛けた。数回のコール後、  
『もしもし、夜空か? あのさ、これからそっちに行って良いか?』  
『小鷹からそうした電話なんて珍しいな。もちろん、歓迎するよ』  
『悪いな。じゃ、これから出かけるから、よろしくな』といって、電話を切った。  
 
 着替えて、下に降りると小鳩が居た。  
「ちょっと、夜空のところに行ってくるから」  
「あんちゃん。小鳩とお話しでもいいんじゃ、なか?」  
「そうだな…帰ってきて、まだダメだったらよろしくな、小鳩」  
「うん、判った。気をつけてな」と、心配顔の小鳩に抱きしめられてちょっと和んだ。  
 靴を履いて玄関を出て、俺は虫の声がうるさいくらいの夜道を自転車に乗って出かけた。  
 
 行って、どうなるんだろう?と思ったけど、夜空に逢えば、なんとかなるんじゃないか?  
と思ってモヤモヤした気分をペダルに込めて、飛ばし気味に夜空のマンションまでたどり  
着いた。脇に自転車を停めて鍵を締めて、薄暗いマンションのエントランスに入り、来て  
いたエレベーターに乗って4階まで上がった。迷うことなく夜空の部屋のカメラ付きイン  
ターフォンのボタンを押して、しばし待った。  
『む…小鷹だな』「おう」とインターフォンで応対し、ぱたぱた音がしてドアが開いた。  
「急に済まんな、夜空」「いや。小鷹なら、どんな用件でもいい」夜空の親しみを込め  
た笑顔を見ると落ち着くな。玄関で靴を脱ぎ、いつもと変わらない部屋の匂いのリビング  
に来た。  
 
 フロアソファーに座っていると夜空は紅茶を淹れて隣に座ってカップを渡されたので、  
芳香に鼻をくすぐられつつ紅茶をすすり、夜空の温もりを感じつつ、  
「俺は、落ち着かないんだ。誰かにすっぽりとはまるかなと思っていたけど、そうでも  
なくてさ、身の置き所がないような感じで」  
「こうして、私と身を寄せ合っているのに?」  
「俺は、優柔不断だと思って、しっかりしようと思ってるんだ。でも、それ以上に押さ  
れてしまう感じでさ…その、弱音を言っても良いのだろうか」  
「小鷹。付き合って間もない頃ならともかく、私と小鷹は、十分に深い仲だ。なので、  
むしろ、もっと頼って、悩みがあるなら打ち明けて欲しい」  
 夜空は、俺の目をまっすぐ見て俺の心を温め、一息ついて紅茶を飲んだ。  
 
「そう言ってくれるか。以前、夜空だけを選ぶと言ってから、かなり裏切るようなことに  
なってしまい、心苦しいんだ」  
「小鷹は、あいつらのことを浮気と思ってないんだろう? ああしたことがあっても私の  
ことを常に心に置き続けてくれていると思っているのは、傲慢か?」  
「そう言われると確かにそうだな。星奈や理科も本気だからつい、俺も応じてしまう。  
 でも、自分からこうして夜空の元に来るってそういう意味だよ」  
 俺は、夜空のふわりとした膝の上に頭を乗せ、やさしげな夜空を見上げつつ、  
「この格好でいいか? 情けないついででさ。俺って、ダメな奴だよな」  
 夜空は俺の頭をやさしく撫でている。まるでお母さんみたいだぜ。  
 
「無邪気な顔をして……小鷹は子供のようだな。ダメ女のようなことを言うが私は、小鷹  
がしたことを認めないといけない。愛する相手のしたことを全否定できないのだ。  
 深く愛すると言うことは、そういうことだろう」  
 
「心に響く、重い言葉だ。俺と夜空は一体であり、それがしたことだから、というわけな  
のかな。そうか…そんなにもか」夜空の手のひらが俺の頭を包み、近づいてくる夜空の顔  
に唇を合わせて持ち上げられて、重ね合わさる唇、そして、交じり合う舌から伝わってく  
る夜空の染み入るような悲しみが俺の涙を生み、頬を伝って流れた。  
 
「小鷹は繊細だな。できることをして、思うようにしたんだからいいではないか?」  
「それが、俺の甘えなのかな。言葉では、うまく伝わらないと思うので…」  
 俺は身体を起こし、ソファーから立ち上がって、潤んだ瞳で俺を見上げる夜空をそっと  
抱き上げた。部屋を移動して、いつもより少し重く思える夜空をベッドに下ろした。  
 俺は服を脱ぎ捨て、ベッドに乗り、夜空のシャツとズボンを脱がして下着も取ってしま  
って廊下の明かりのみの薄暗い部屋で、それが当然のように抱き合った。  
 
 夜空に触れる度に、撫でる度にわき起こるこの気持ち。じわっと伝わってくる俺を惹き  
つける体の奥から出てくるムラムラするもの。そういったものがお互いの素肌を通して、  
交わされていき、熱い口づけを生み、体臭が変化して夜空が欲情していくのが判る。  
 
 俺のモノを握ってしごいてる夜空の口にそれを押し当てるとねっとりと舌が亀頭を愛撫  
し、何かの生き物のような生暖かい舌が竿に沿って根元まで這っていき、玉袋を弄ばれた  
りしつつ、俺のちんこは淫らな口に咥えられ、ゆるく出し入れされると熱いものが漲って  
俺の頭にも熱いものが生まれ、口からそれを抜いたら、淫らな笑みを浮かべる夜空は手の  
ひらで乳房を寄せて誘うので吸い付くような弾力の胸の谷間にちんこを挟み、ぐにぐにと  
なんともいえない感触が心地よく、首を引いた夜空はぺろぺろと亀頭を舐めていくので先  
走り汁が止まらず、夜空の指は自分の乳首を弄りながら甘い呻きを漏らし、そのいやらし  
い光景が俺の下腹にじんじんと淫らなモノを呼び覚ます。  
 
 そんな夜空の首筋の汗を舐め、胸元にちゅっとキスをして乳房を舐めて、乳首を吸い、  
舌先でこねつつ、脇の下から脇腹、腰に掛けて撫でていき、尻から撫で上げるように熱く  
湿った股間を手のひらで包んでふにふにとした肉の感触と唇のようなひだをあやすように  
弄り、悶える夜空の乳房と股間を刺激していくとふぅとかあぁっとか心地よい声がする。  
 乳首を舐めていた舌を下に這わせていき、みぞおち、お腹、へそと舐めていくと身を捩  
って夜空が反応し、股間に顔を埋め、熱く潤んだそこを吸い、舐めていくと、  
「あぁっ、いぃっ。もっとねっとりとしても、そう、あぁぁ…いい」  
 夜空は歓喜の表情を浮かべ、俺の舌を求めて腰を持ち上げ、淫らなそこに俺の頭を押し  
つけ楽しんでいる。そんな夜空の乳房を揉み、指先で乳輪を摘まみ、起った乳首をくにく  
にしつつ、じらすように内股に舌を這わせたり、反対側の股の付け根に強くキスしたり。  
 指をぬるぬるになった膣に挿入して、出し入れしつつ、舌先でクリトリスを舐め続けて  
いると夜空の甘い喘ぎ声が止まらなくなり、指を増やして反応の強いところを柔く刺激し  
ていくと声が高まって、膣が締まり、空いている手で乳首をこねつつ、背筋を反らせて息  
を詰まらせて悶えている夜空が愛おしく、そのまま続けて数度、びくんびくんさせていた  
ら、ぴゅっと潮を吹いた。  
 
 はぁはぁと息を荒くしている夜空を見つつ、コンドームを1枚取り出して封を切り、ど  
うにもとまらないくらい勃起している俺のに根元まで装着した。  
 そして、夜空の股を開いてひくつく熱い膣口にぐにぐにと馴染ませて、ぐっと挿入した。  
「あ…まだ敏感なのに、あっあぁ、小鷹、そんなにしたらまた、来ちゃう」  
 熱く締め付けてくる肉壁に俺はかまわずずんずんと出し入れして、快感に身をこわばら  
せる夜空の肉体を抱きしめ、胸元にキスマークを付けるとぐっと締め付けてきて、あぁっ  
と夜空は乱れ、ふーふーと息が荒くなって、熱く俺のモノを包み、出し入れする度にぞく  
ぞくするような肉襞が絡んでくる夜空に腰使いを止めずに耳元で、  
「大好きだよ、夜空」とささやくと「もうっ、小鷹のバカ…」  
 と俺にしがみついて、んんっと息を詰まらせて、また、達した。  
 
 口づけをして慈しみ、夜空を起こして、女性上位にして手をつなぎながら、  
「今日の夜空は、感じやすいね」腰をもじもじと前後にしている夜空は、  
「小鷹がかまってくれないから、こんなに…もう…また、じわっってきた」  
 そうだよな、夏の間は、あまり夜空とできなかったんだよなと思いつつ、とんとんと下  
から突き上げていると眉根を寄せて夜空は感じ入っていた。腰を反らせるようにしていつ  
もとは違ったところを突かせたりする夜空の中は妙にうねり、俺のモノが翻弄される。  
 へたりと覆い被さってきて喘いでいる夜空の乳房をちゅーちゅーしたりしているうちに、  
どうにも高まってきたので、ぎゅっと抱きしめて熱い夜空の体を突き上げていると、  
「もう…ダメ、ダメだから、小鷹、こんな体勢で…でも、来て、来て、あはぁっ」  
 急速に高まる反応にどうにも止められずに俺は、びゅびゅっと射精した。  
 
 ぐったりとしている夜空をそっと仰向けにして、俺は夜空から抜いてコンドームを交換  
して、夜空を四つん這いにしてバックから挿入した。  
「ふぅ、ふぅ、今日は小鷹もそんなにしたかったのか? ああっ、あんっ」  
 尻肉をこねつつ、ぱんっぱんっと腰を強くしたりしつつ、  
「一度じゃ治まらない気分なんだ。だって…こう…夜空のが俺をはぁはぁ」  
「…あぁ、いぃ…そう、だってこんなにいいのに、はぁ…私だけの小鷹じゃないなんて」  
 俺の腰にも熱いものが集まり、夜空のこの堪らない肉体をもう、下から乳房を掴み、乳  
首を押し込むようにぐいぐいしながら、腰を使うと、夜空は高い声を上げて、背筋が震え、  
俺のをさらに締め付けてくるのでぐーっと子宮に押しつけてみたりすると、  
「そんなに強くしたら、もうっ、いっちゃう、そんなにぐいぐいしないで、あうっ」  
 背筋に汗が流れ、夜空は息も絶え絶えでへたり込んでいる。異様な高ぶりが俺のちんこ  
に来ていて、まだ出す気になれない。夜空を仰向けにして、  
「俺のわがままで、ごめんな、夜空。これで終わりにするから」  
 まなじりに涙がにじむ夜空にキスしつつ、熱くほてったそこに挿入した。  
 
「…ふっ、楽しませてもらってるのは私だぞ。こんなにも…あぁ、まだ、もっと」  
 覆い被さり、痛々しいほど起った乳首が俺の胸にころころと当たる夜空に密着して、  
長い足が俺の腰を挟むようにして締め付けて、お互い、無我夢中で求め合い、体中がぞく  
ぞくする感覚に支配され、汗と何かで何とも言えない匂いに包まれ、  
「もう…夜空、俺は、はっはっ、保ちそうにないぜ、うぅっ」  
「あぁっ、小鷹が中で暴れて、くぅぅ、あ…あぁ、はぁーっ、もう、いくっ!」  
 暴力的な快感が一点に集まり、ぎゅうっと俺のちんこをほとばしり、頭を真っ白に染め  
つつ、びゅーっびゅーっととんでもない勢いで射精した。なんかからだが痺れる。  
 夜空もうーんと息を詰まらせ、唸っていて、俺の意識は落ちた。  
 
 気がついたら窓の外が明るくなってきていて焦った。まだ夜空の中に包まれていた俺の  
を抜いて、コンドームの始末をしていると、  
「…小鷹? ああ、あのあとそのまま寝てしまったんだな」  
「そうみたいだ。シャワー浴びようぜ」と夜空に言うと黙って両手をこっちに差し出して  
首に絡めるのでお姫様だっこして、バスルームに行った。  
 
 軽くシャワーしてボディシャンプーでお互いを洗っていると、  
「ふふふっ、昨日はあれだけしたのに小鷹のは元気になってるじゃないか」  
「これは、朝立ちだ。健康な男子の証拠だよ。弄るなってば。生でしたくなってしまう」  
「そのうち、止められなくなるかもな。何なら、今からでも…」  
 そうじゃないよ、夜空と俺はシャワーを出して変な雰囲気ごと洗い流した。  
「ちょっと違うと思う。好きだけど、まだダメだよ、夜空」  
「へたれめ。でも、焦ることもないか」とバスルームを出て、バスタオルで体を拭いた。  
 お互い、服を着て、気持ちがすっきり切り替わった。  
 
「小鷹が私を一番、必要としてくれてうれしかった」抱きついてきた夜空にキスし、  
「もっとさ、ぶっちゃける勢いだったんだけど、今は、これくらいだよ夜空」  
「十分だ。もっともっと回数を重ねてくれれば、思うようになる」  
 やさしく光る夜空の目を見つめているとそういう気になってきた。  
「じゃ、俺はこれで帰るよ。またな、夜空」  
「ああ。本気で愛しているからな? 小鷹」  
「俺もだよ、夜空」もう一度熱くキスしてから、夜空の部屋を出た。  
 スズメの声が聞こえる廊下を歩き、エレベーターに乗って1階まで来た。  
 
 自転車の鍵を開けて、ふと、上を見ると夜空が手を振っていたので、俺も振り返し、  
なんか、いいなって思いながら温かい気持ちで家に帰った。  
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おわり  
 
 

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