「葵が失踪!?」
聖クロニカ学園生徒会長、日高日向は朱音の言葉に思わず
立ち上がった。が、朱音は日向をなだめ、正確には…と事情を話した。
「登校…拒否?…何故だ…あの葵がそんな……」
あの明るかった葵が部屋にこもりっきりだなんて。
心配した朱音と火輪が遊佐家へ見舞いに行ったが
母親に「ごめんなさい…あの子、誰にも会いたくないって言うの…
本当にどうしちゃったんだか…何か学園であったの?」
と逆に尋ねられた。
「……そうか」
日向は短く答え、しばし思案した。
そういえば…葵は登校を拒否する前に元・隣人部へ通っていた。
羽瀬川小鷹にずいぶんとなついていたようだが……
今、彼の部も理科室登校の志熊理科を除いて、部員全員が急病で入院と
報告を受けている。
が、それは担任を通してだ。おそらく、何らか…登校できない事情があるのだろう。
柏崎星奈が登校していない時点で理事長サイドの力がかかっているようだ。
ネットにクロニカ学園女子生徒の卑猥な動画が流れているといった下卑た噂も聞く。
しかし…一体、誰だ?そんな事をして誰が利を得る?羽瀬川小鷹か?いや、彼の
中等部在籍の妹も急病で入院とある…では志熊理科か?いや、わざわざ隣人部の
廃部を免れるため、理科部を創設し、存続させている。それに羽瀬川を支え、彼の
心労を労っているらしい…。
仮に彼女が犯人だとしても何が目的で、何が動機かわからない?それに証拠もない。
羽瀬川小鷹と二人きりになり、愛を育むためか?それだけの為に敵性がある部員を
全て潰す?馬鹿げている。『柏崎星奈を潰す』それは、即ち
柏崎家一族とその傘下に連なる全ての組織を敵に回す事を意味するのだ。
………犯人は別にいる。いるとしか思えない。
「……一体、何がどうなっている…」
日向は思案を中断し、息をついた。
「会長…せ、生徒会室の前に…こんなモノが…」
火輪があわてた様子で一枚のDVDディスクを持ってきた。
「さ、差出人は……『遊佐 葵』……」
「――――っ!」
日向はノートPCを起動させ、震える手でDVDをセットした。
嫌な予感もするが、葵に関する何か手がかりが見つかるかもしれない。
そして映し出されたのは、葵の姿だった。
対面で撮影されているのか、葵しか見えない。
『はい、じゃあ名前と学校を教えてくれる?』
『遊佐 葵、聖クロニカ学園高等部2年……』
『出演してくれる動機とかは?』
『お金が欲しくて…』
『ぶっちゃけ処女ですか?』
『………………はい』
『じゃあ、書類にサインして母印を右手の人差し指で』
『………………』
そして映し出される日向、朱音、火輪は言葉を失った。
葵が泣き叫びながら、めちゃくちゃに犯されている。
『ひ、日向さん!朱音先輩!火輪!は、羽瀬川くんっ!
だ、誰か、誰か助けて!いやです!自分はいやあああッ』
耳を覆いたくなった。卑猥な言葉を投げかけられ、男に何度も何度も突き上げられる葵。
頭を振りながら、露わになる硬く緊張した首の筋や全身の筋肉が激痛を物語る。
葵の柔尻に叩きつけられる男の下腹部、陰嚢がゆれ、肉棒が根元まで押し込まれる。
男がうめき声をげ、葵に密着した。アップになる結合部からはぶりゅっぶばっと
逆流してきた白濁があふれ出ている。男が満ち足りた痙攣を終えると、
うつぶせになったままぐったりとした葵の股から血が混じった白濁液が股を濡らしていた。
放心状態の葵に男たちが近づき、四つん這いに拘束する。
現れたのは軍用に使われるような巨大な犬が3匹……
変態達の喜ぶ玩具にされた葵が画面を通して、映し出される。
もはや少女から発せられているとは思えない悲鳴と絶叫。否応なしに結合させられる秘部。
何度も何度も突かれ、犬が後ろ向きになり交尾を始める。
崩れかける葵を男たちが無理やり四つん這いにさせ、結合部をアップさせた。
最後の犬の行為が終わると、ぶしゅ…ぶばっ…と黄ばんだ糊のような犬の精子が
葵の股間から漏れ出し冷たい床に垂れ落ちた。
犬が葵から離れ、その周りを囲んだ男たちが笑いながら葵を仰向けにした。
「は………あ……あ…」
犬と交を強要された葵は何も反応しなくなっていた。
絶え間なく股から零れ落ちる犬の精液が映され、映像が切れ、ある文字が浮かんだ。
『メスイヌ二、ナリタクナケレバ、デシャバルナヨ、アバズレドモ』
日向は無言でPCを閉じ、顔を伏せた。
「すまない……二人とも、今日はもういい……戸締りは私がする」
「で、でも。け、警察に――」
泣きながら火輪が言いかけた瞬間、日向のマウスにバキッとひびが入った。
「帰れ……と言っている」
低く、怒りに満ちた日向の声。悟った朱音が火輪を半ば強引に生徒会室から連れ出した。
廊下を歩きながら、二人は日向の激しい慟哭を聞いた。
END