IS〜インフィニット・セレクション〜
談話室に入ると、理科がいた
夜空はもう帰ると言って帰ったし、その他も買いたい本が、だので来ていない
「あ、待ってました、せんぱい。新作ゲームですが、やりますか?」
理科は近くに置いてある見慣れない機械-彼女の額の汗からして、頑張って運んできたんだろう-の電源をいれ、どーぞどーぞと手招きする
「まだやるとは一言も言ってないんだがな」
−まあ、やるけどさ。
手渡されたのはヘッドギア型の機械
「操作は以前やったあれと同じ感じです。あ、ホストは理科がやりますね」
「どういうゲームなんだ?コンセプトとかジャンルとか」
「タイトルはIS〜インフィニット・セレクション〜。コンセプトは《もしかしてファックス》ですよ。もしもの世界を体験できます。まあ、あまりにも現実離れしたのは無理ですが…」
視界は真っ暗になり、横に理科が見えるだけになった
「願うだけでいいです。世界のような大きな設定はホストの理科しかできませんが、小さな事ならせんぱいも出来ますよ。例えば…美味しい肉が食べたいとか。」
鈍い光がおこり、霜降りの1ランク下の生肉が現れる
「まあ、生肉をどうしろって話ですよね」
フッと肉は消え、香りまで付いていたことに気付かされる
「ほう…。じゃあイケメンになりたい。とかでもいいのか?」
願ってみた
……
……
……
…何も、何も起こらなかった。
無言でぽんぽんと理科が肩を叩いてくる
泣いていいかな?
「で、理科はもしもの世界で何がしたいんだ」
「小鷹せんぱいと、…友達みたいな事がしたい、です。リアルでやろうとすると障害もありますし」
俺の可愛い後輩は可愛らしく笑った
砂の城を作ったり、川で泳いだりしたり色々なシチュで遊んだ
とりあえず休憩、大の字に横になる
正直、すげぇ楽しい
「今度は7人でやりたいな」
刹那、理科の表情はとても冷たいものになり
「…せんぱい、さっきの言葉、修正です」
「へ?何、聞こえなかった」
「せんぱいと恋人みたいな事をしたいです」
止めようとしたが
理科が俺が動けないよう設定したようだ。ぐっと身体が抑えつけられる感覚に襲われ、全く動けない
理科はというと、下着姿になり、カチャカチャと俺のベルトを外してくる。
く…ちゃんと靴下は履いてる辺り、しっかり俺のツボを押さえてやがる
「く…ちゃんと靴下は履いてる辺り、しっかり俺のツボを押さえてやがる。ツッコむ所はそこですか」
「心を読むなっての」
「抵抗しないんですね…うっわ臭…ちゃんと洗ってます?」
「一応抵抗してるんだがな…」
無視して、そそり立つ俺のをまじまじと見、鼻を曲げる理科
そして、ぱくっとそれを口に含んだ
「う…ぁっ…ぐっ…」
一心不乱に動く理科の舌と指、手は
的確にツボを押さえてきており、自然と俺の声は大きくなる
「理科っ…もう出っ…」
理科が動きを止め
顔を上げてニッコリわらう
「せんぱいに興味が沸いたと言ったでしょう?理科は興味が沸いたものは結構調べ抜くんですよ」
イきたくてもイかせて貰えないのが5回程続いた
その間に理科は丸裸になり悶絶する俺をオカズに2回は絶頂を迎えたというのに、俺は動けないから自分を慰めることすらできなかった
拷問のような6回目が終わったあと、理科は静かに口を開いた
「ここから先へ行くと引き返せません…せんぱいが嫌というならやめます。でも続けたい。理科はせんぱいの事が好きですから。
…67億分の8の隣人部メンバーなんかじゃなく、67億分の1の彼女として理科と付き合ってください」
理科は俺にここまでやっておいて告白してきた
先走り汁と汗を大量に流しながら考えた
どうやら動けるようにしてくれたようだ
あれからどれだけ経っただろうか
「ごめん…やっぱり俺はまだ8人でいたいんだ」
「あとそれを何回言い続けるんですかっ!!
理科は…理科達は8人じゃ嫌なんです!!
…
…もういいです」
ヴんと音がし、強制的に現実世界に戻される
「…誰を選んでも、理科はせんぱいの友達ですから」
大粒の涙を流しながら、理科は談話室を走って出て行った
翌日学校では俺が一年生を泣かせたという噂が出回った
否定は全く出来ない…
図書室で本を借りてから、
家に帰ろうとする足を引きずって談話室に行った
ドアを開けると理科が、
いつもどうり、挨拶してくれた
「どもです。せんぱい」
「おかえりなさいませ。あにき」
「遅いではないか。さあ小鷹、双六するぞ」
「クックック…眷属ごときが私を待たせるとは」
「きゃわー(´・ω・`)ってなってる小鳩ちゃん可愛い〜」
「あっ!最初はマリアの番と決まったじゃなイカっ!!うんこ夜空っ!」
いつも通りの光景だった
いつもの部活。いつもの他愛のない会話
でも近いうち、俺は決めなければならない
”いつも”に終止符を打つことになっても…
終わり