小鳩が隣人部に入部する、ほんの少し前の話―。  
   
 小鳩は薄暗いリビング中央に置いてあるソファーの上に腰掛けながら、愛おしい兄が帰ってくるのを今か今かと待ち侘びていた。  
 その腕の中にはキモ可愛系の兎の縫いぐるみを抱き、そのふわふわの頭の上に顎を置き、プゥ〜と不満げに頬をふくらます。  
 金髪碧眼の美少女の上に、フリフリのリボンやらがたくさん付いたゴスロリ服を着込んでいるに加えて、小鳩は本当にお人形みたいであった。  
「・・・・・・我が下僕の分際で、主である我を待たせるなどとは。くっくっくっ、いい度胸をしているな」  
 小鳩は腹ただしそうにそう吐き捨てると、キッチンへと赴く。  
 食器棚からコップを取り出し、気を紛らわさそうとして、いつも飲んでいるトマトジュースを取り出そうと冷蔵庫の戸を開ける、が。  
「・・・・・・ない」  
 小鳩はトマトジュースが品切れているので、違う飲み物を探そうと大粒の瞳をクルクルと動かすが、  
「むぅ〜、ペプシもないやんか・・・・・・」  
 小鳩は苛々した手つきで乱暴に冷蔵庫の戸を閉めると、詰まらなそうにキッチンに戻り、ソファーの上にゴロリと仰向けになった。  
(最近のあんちゃんはウチに冷たい・・・・・・。今やって、ウチを一人にしてあの変な部に入りびったとるし)  
 小鳩はだらりと力なく床におろした手を、ギュッと力強く握りしめた。  
 いつもならとっくに家に戻ってきて、ウチが帰ってくるのを待っていてくれてたのに。  
 今や夜遅くに帰宅して、ご飯も手抜きだし、会話もそこそこにすまし、宿題があるからと早々に部屋へと引っ込んでしまう。    
「・・・・・・下僕のくせに。そうだ、我には力があるではないか。一万年前の時を生きる夜の血族、レイシス・ヴィ・フェリシティ・煌に不可能などはない。  
 そう、たかが猿の僕ごとき、我が本気を出せば首を捻ることもたやすいわ。・・・・・・ククク、あやつの慌てふためく顔が目に浮かぶわ」  
 小鳩はそう不敵に笑い、リビングを後にした。  
 
 訪れた場所は兄である小鷹の自室。昔はよく遊びに来ていたのだが、思春期ということも手伝ってか、気恥ずかしさからか、今ではほとんど皆無に近かった。  
 その小鳩がなぜ今更兄の部屋へ訪れたのかというと、  
「下僕の弱みを握っておけば、もう主である我に逆らおうとする気は起こすまい・・・・・・」  
 と、このように実に下らない理由であった。  
 素直に寂しいから部活に行かないで、言えばすむのに、小鳩はわざわざ回りくどいことをする性質があるのだ。  
 さてさて、そんな大それた野望を抱いた小鳩は久しぶりに兄の部屋へと足を踏み入れると、  
「・・・・・・相変わらず、綺麗やん」  
 小鳩は懐かしげにそうポツリと呟いた。  
 
 小鷹は年頃の男にしたらだいぶ綺麗好きで、部屋もいつも綺麗に整理整頓されており、家の中がゴミ屋敷にならず綺麗なのは、小鷹が毎日掃除しているおかげでもある。  
 周りのみんなは不良、とか言うけど、本当は心優しくておまけに家事も上手で、意外にスキルは高いんだけどなぁ・・・・・・。  
 絶対、兄のそんなことを知ったらきっと友達だってできるし、彼女だって・・・・・・。  
 小鳩はそこまで考えて、思わず胸がちくりと痛むのを感じた。それは次第に大きくなり、小鳩は成長途中である未発達な胸へと手を当てた。  
 (あんちゃんに、彼女か・・・・・・)  
 それを嫌だと思う自分の心に驚きつつ、それでも小鳩はその気持ちに気づかないように、そっと胸の奥にしまい込んだ。  
「・・・・・・我がここに来たのは懐かしむだけではない。下僕の弱点を見つけること。そうだ、なぜ我が下僕のことで胸を痛める必要がある」  
 小鳩は兄のベットの上に腕に抱えていた縫いぐるみを置き、部屋の中を物色し始めた。  
 机の中、タンス、引き出し、本棚等々。しかし、見つかったら困りそうなものは出てこなかった。  
「むぅ〜、どこに隠したんよ」  
 小鳩は自棄になって、今まで探す場所の対象になってなかった、ベットの裏の方に手を入れて見ると、何やら薄い雑誌みたいのが指の先に当たり、小鳩はその雑誌を取り出した。  
 その本の表紙を見た途端に、小鳩は大きく口を開け、信じられないような目つきで、その雑誌を見つめた。  
「あ、あんちゃん!こないなもんを隠しもっとたなんて!し、信じられへん!」  
 そう、ベット裏から出てきたのはなんと、エロ本であった。  
 ボン、キューボン、ボーン!のグラマラスな女が乗った、いわゆる男の娯楽雑誌・・・・・・。  
 小鳩は思わずその雑誌を床に思い切り叩きつけ、兄のベットに潜り込んだ。  
 あ、あの硬派なあんちゃんがエロ本を隠し持っていたなんて!  
 小鳩は毛布の中で激しく悶えていた。  
 しかし・・・・・・、エロ本とは一体どういう内容なのだろうが?  
 小鳩は胸の中でむくむくと湧き起こる興味と好奇心に押され、毛布の中から上半身を持ち上げて、床に落ちたエロ本を拾い上げた。  
 震える手で一ページずつ捲っていくと、あるページに目がとまった。  
 そのページには綺麗な女の人が黒人の男の人に組み敷かれて、その赤黒く勃起したお、おちんちんを、  
 女の人のあ、あそこに挿入されている場面であった。  
 小鳩はあまりの生々しさに目を逸らしそうになるのだが、それでも食い入るようにその場面をまじまじと見つめた。  
 いつの間にか小鷹の弱点を握るという目的も忘れて、小鳩はそのエロ本を眺めるのに夢中になった。  
 しかし、そのエロ本を眺めていると、何だか腰の奥底から堪えきれない衝動が込み上げてきて、小鳩は虚ろな瞳でモジモジと股下を擦りあわせると、  
 グチュ、グチュとした粘っこい水音が響き、小鳩ははぁーと切なそうに喘いだ。  
   
    なんか、あそこがムズムズして、気持ち悪い・・・・・・。  
 小鳩はもそもそと兄の布団から這い出て、このヌルヌルした感触は何なのだろう?と思い、  
 下着を勢いよくずり下ろすと、  
「何やろう?これ・・・・・・。透明で水っぽい。も、もしかして!!」  
 お、おもらし!ちゃうもん!ウチ、もう中学二年生や!ええ年してこんなガキぽいことせえへん!  
 まだ幼い小鳩はこれが性感で分泌される愛液と言うことが分からず、兄の布団でお漏らしをした!と、  
 あたふたと慌てふためいていた。その端正な顔は涙でぐしゃぐしゃであった。  
「ど、どうしよう。で、でもまず下着を替えな・・・・・・。濡れとるままやと気持ち悪い・・・・・・」  
 小鳩はとりあえず膝まで下ろしているぐしょぐしょに濡れた黒の下着を脱ぎ去り、床の上にポイッと放った。  
 ベチョとした不快な音が小鳩の耳に届き、小鳩はあまりの恥辱に顔全体を赤らめた。  
 すると、初夏とはいえひんやりとした夜の冷気が何も身につけていない、小鳩の愛液で濡れそぼったあそこを優しく撫でると、  
「ひぁぁん!」  
 まるであそこに電流が走ったみたいに、小鳩は兄のベットの上で悶え狂う。  
 しばらくするとあの甘い感覚は嘘のように消え去り、小鳩は物足りなさそうに頬をふくらます。  
(あの甘い感覚はどうしたらもっと味わえるんやろうか?)  
 小鳩は熱に浮かされたようにボォ〜とした虚ろな瞳でそう考えてると、  
(そう言えば・・・・・・、あん時)  
 エロ本を見てて、何だか堪えきれなくなり思わず股下を擦りあわせた時に、先ほどの甘い感覚が脳髄を刺激したのを小鳩は思い出す。  
 そのことから小鳩が導き出した答えは、  
「・・・・・・あそこを触るといいんかな?」  
 でも、どういう風に触ったらいいのか分からないので、とりあえず小鳩は兄のエロ本を参考に自分のあそこを弄り始めた。  
 
 小鳩が参考にしたのは女の人がオナニーをしている特集ページであった。  
 女の人がまず自分の胸を触っていることに気づいた小鳩は、震える手でゴスロリ上着の前ボタンを外した。  
 上半身裸になった小鳩はまるで妖精のように可愛らしかった。恥じらいに染まる雪のように白い体はじっとりとした汗で滲んでおり、  
 小鳩はパンツと同様に少し背伸びした黒のブラジャーをずらすと、プルンとした瑞々しい果物のような小鳩の胸は幾度となく与えられた快感に、  
 ピンッと乳首が自己アピールするように尖っていた。  
 小鳩はその乳首を細い指先で潰すようにこね回すと、ピリリとした刺激に小鳩は舌を出して喘いだ。  
「ふわぁ、あん!きもち、いいよぉ!」  
 コリコリコリコリ。  
 小鳩は夢中になって己の乳首をこね回し、それだけでは耐えられなくなったのか、両の胸を優しく包み込むようにして揉み込んだ。  
「ふわ、あぁん!あ、ぁん!う、あ!あ、あん!」  
 小鳩の脳裏に断続的な刺激が流れ込んでいき、胸だけで小鳩は達してしまいそうになった。  
 しかし、それだけでは物足りないと、片手で胸を弄りながら、もう片方の手であそこを優しく弄り始めた。  
「つ、次はこう・・・・・・。ふわぁ、いい感じ」  
 小鳩はあそこの割れ目の部分を指で優しくなぞり始めた。するとくちゅくちゅとした水音が割れ目を擦るたびに、  
 次々と溢れ出てきて小鳩の白く細い指に絡まる。  
「はぁ、はぁん!うぅん、くちゅくちゅって、どんどん溢れ出てきよる・・・・・・。あ、あんちゃんにばれたら、ウチどないしよう」  
 いつの間にか小鳩の溢れ出した愛液で兄のシーツはグショグショに濡れ、もはやシーツとしての機能を果たしてはいなかった。  
 それでも小鳩の指の動きは止まらず、より一層激しくなるばかり。  
 このことが兄にばれたらという、背徳感に小鳩は酔いしれ、自分の背筋にゾゾゾとした快感の波が押し寄せてきた。  
「はっ、はぁ、はぁ、はっ!もっと、もっと!」  
 小鳩は獣欲に突き動かされて、さらなる快感を得ようと指の動きを激しくし、つい先の尖った箇所を綺麗に整えられた爪で引っ掻いてしまい、  
「かはっ!」  
 小鳩は言葉にならない喘ぎ声を発し、大きくその肢体を仰け反らせ、いまだかつてない高みへと飛ばされた。  
「ふわぁああん!何やこれぇ!ウチ、ウチ、はぁぁぁん!」  
 まさにどこかに行ってしまうような感じ。あぁ、そうか、これが絶頂なのか。  
 小鳩は激しく達しながら、絶頂という意味を身を持って体験したのであった。  
 
 激しい絶頂の波を味わい終わった小鳩は、ゆっくりとベットの上に体を預け、  
 心地よい疲れに小鳩は切なそうな吐息を漏らしながら、プルプルと小刻みにその幼い肢体を震わした。  
「・・・・・・なるほど。下等な人間共がはまるのも頷ける。ククク・・・・・・、実に心地よい。もしかしたら血を吸うのをより、より強い満足感が得られる」  
 小鳩は絶頂の後の緩みきった顔で、ニヤリと笑いながら、まるで確信したように答えた。  
 よくクラスの女子が休み時間の間に言っていた意味をようやく理解した。  
『一人エッチってちょー気持ちいいよ。でも、やっぱり本当のエッチの方が気持ちいいんだけどね』  
 最初自分はその言葉の意味をよく理解できていなかった。一人エッチとは、どう違うのだろう?彼女の言う本当のエッチと・・・・・・。  
(これより気持ちいいのが、この上にあるんやろうか?)  
 小鳩は絶頂の余韻に浸る腕を動かし、エロ本のページを次々捲る。  
 一人エッチよりも、もっと気持ちよくなる方法を。  
 すると、最初に見開いたページにたどり着き、小鳩はページを捲るの止め、そのページを凝視した。  
(女の人のあそこに、あんなんがはいっとる。・・・・・・ウチのあそこにも入るんろうか?)   
 小鳩は自分のあそこに指を這わし、縦筋を指でくぱぁと割開いてみる。  
 するとねちゃあとした愛液が次々と溢れ出てきて、小鳩の指に伝ってシーツの上に落ちた。  
「ん、はぁ・・・・・・。な、何か入れるもん・・・・・・。ウチのあそこに入るもん・・・・・・」  
 小鳩は次第に収まっていた性欲が迫り上がってくるのを感じ、この性欲を沈めるためと称して、小鳩は自分のあそこに入れる何かを探し始めた。  
 きょろきょろ・・・・・・。  
 すると、昔兄が小学校で使っていた、今は使われていないある物を思い出し、  
 小鳩は兄の昔の物がつまえられている押し入れを開け、そのある物を取り出した。  
 固くて太い物・・・・・・。それに当てはまるのは・・・・・・。  
「あ、あんちゃんのソプラノリコーダー・・・・・・」  
 小鳩は黒光りするそれを、淫欲に染まった瞳で見つめ、嬉しそうに微笑んだ。  
    
 小鳩は口の部分を取り外し、口の部分を取ったソプラノリコーダーを口にあむっと咥えた。  
 それから唾液をたら〜と流し、小鳩は自分のあそこにゆっくりとあてがう。  
 そしてそれをゆっくりと押し込む。  
 ツプゥ、クチュリ・・・・・・。  
「ひゃあああ!」  
 リコーダーの先がゆっくりと小鳩の膣内へと入っていき、小鳩は悲鳴混じりの声を上げる。  
 小鳩は中学生女子の平均よりも幾分小さい。だから、膣内の狭さも小学生並みであった。  
「ヴゥゥゥ、い、いだいよ。あ、あんちゃん。あんちゃん、いたいよぉ・・・・・・」  
 小鳩は中を無理矢理こじ開ける痛さに、幼い頃兄に泣きついていた頃のように、小鳩は鳴きながら兄を呼んだ。  
 それでも小鳩は止めることはなく、力まかせにリコーダーを押し込む。  
 処女膜を破らぬよう慎重に入れていき、ちょうど膜に当たったところで、小鳩はリコーダーを押し込む動きを止め、荒い息を吐く。  
「ふっ、ふぁ。はぁ、はっ、はぁ・・・・・・」  
 小鳩はジクジクとする痛みに喘ぎながら、溢れ出る涙を拭う。  
 快感で出ていた汗も、いつの間にか冷や汗に変わっており、小鳩の白く小さな背中をぐっしょりと濡らしていた。  
「ふわ、あぁぁ。ど、どこが気持ちいいんや。痛いだけやんけ。・・・・・・我にこの様な痛みを味合わせた罪は重いぞ・・・・・・」  
 小鳩はこの様なでたらめを言った女子を、後で呪ってやろうと心に決めた。  
 それから膣内に入ったリコーダーを抜き出そうと引っ張ると、  
「ふわぁぁん!なんじゃ、これぇ!」  
 痛い。痛いけど気持ちいい。   
 中を引っ張られるような感覚に、小鳩は戸惑いながら喘いだ。  
 小陰唇まで出たリコーダーをどうしようかと迷っていたが、次第に奥底が疼いてきたので、小鳩は意を決して再び膣内に押し込んだ。  
 抜いて挿して。抜いて挿して。それを繰り返す。  
 単純な往復運動だけど、小鳩は凄まじい快感に切なげに腰を揺らした。  
「あ、あんちゃん。あんちゃ〜ん。ウチ、気持ちいいよぉ。あんちゃんのおちん×ん気持ちええよぉ!」  
 小鳩は兄の姿を思い浮かべることで、より強い快感が味わえることを知り、しきりに兄を呼ぶ。  
 小鳩は空想の中で大好きな兄に犯されていた。兄の太いおちん×んを奥底までくわえ込み、小鳩は兄の気を引こうと必死に喘いだ。  
「あんちゃん、もっと。もっとして!小鳩の中、あんちゃんの太いので奥まで突いて!」  
 小鳩の動きは次第に激しくなり、迫り来る絶頂の予感に腰を浮かせて耐えた。  
 だが、小鳩はとうとう我慢ができなくなり、絶頂の波へその身を投じた。  
「ふぅ、あぁ!イクッ!イッ!うぅぅぅん!!」  
 小鳩は背筋を反らせながら、腰を切なげに震わせた。ピュッピュッと愛液が飛び、小鷹のシーツを汚す。  
「あ、あんちゃん・・・・・・。気持ちえかったよ・・・・・・」  
 小鳩はそう呟き、静かに目をつぶり、先ほどよりも凄い絶頂の余韻に浸った。  
    
 しかし、余韻に浸る小鳩の心に微かに虚しさが募った。  
 肉体的には満足したが、精神的にはどこか満足できず、冷たい雨が心の中に降りしきる。  
 だけど、と小鳩は寝返りを打った。  
「ウチは、あんちゃんの妹にはなれるけど、あんちゃんの恋人にはなれへん・・・・・・」  
 ウチ、なにアホなことしてるんやろ。  
 小鳩は自分で言った言葉に深いショックと衝撃を受け、のそのそと身を起こし、自分のしでかした後始末をし始めた。  
 汚れてしまったシーツを取り替え、エロ本を元の場所に戻し、使ってしまったリコーダーを綺麗に拭き取り、押し入れにしまう。  
 それから乱れた服装を直し、いつものキモ可愛系の兎の縫いぐるみを抱いて、兄の部屋を後にした。  
 兄の弱点を見つけたけど、それを告発する気にもなれなかった。  
 小鳩はリビングに戻り、ソファーに身を投げると、兄の帰りを寝て待つことにしたのだった。  
 
「小鳩、ただいま〜」  
 日もすっかり沈んだ夜半に、兄である小鷹が家へと戻ってきた。  
 小鳩は兄の声がするのと同時に目を覚まし、いつもの役になりきって兄を迎え入れる。  
「よく戻った。我が半身よ・・・・・・。さぁ、我に生け贄を捧げよ」  
「あぁ、原減ったのか。今用意するから待ってろ」  
 兄は苦笑しながらキッチンへと入っていく。  
 小鳩はそれを見送りながら、ゴスロリ服の袖をキュッと握りしめる。  
(あんちゃんは、ウチのもんやもん。誰にも渡さへん)  
 小鳩は暗い瞳で兄を見つめながら、静かにそう宣言したのであった。  
「小鳩ー、少し手伝ってくれないか」  
「ククク・・・・・・、我に下女の真似事をさせるつもりか?」  
 だから、あんちゃん。  
「いいから、少しは手伝えって。その分早く飯が食えるぞ」  
 少しいらだった兄の声が聞こえ、小鳩は肩をすくめた。  
「・・・・・・よかろう。そこまで言うなら手伝ってやるとするか」  
 小鳩はゆっくりと兄のいるキッチンへと向かった。  
 ウチの遊びを許してな・・・・・・。あんちゃんの彼女になれない、ウチの静かな抵抗やけん。  
 小鳩は心の中で兄にこう囁いた。  
 ―大好き、であると。    
 

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