「小鷹のバカ。もう私たちには時間が残されてないのに……」
時は流れ、夜空と小鷹が出会ってから二年が過ぎ去ったある日のこと。
そう夜空はぽつりとそう呟いた。
あれから1年。夜空と小鷹は次第に距離を縮めていた。
傍から見ればあの二人はもう既に友達以上、恋人未満の領域に踏み込んでいるのだろう。
少なくとも夜空にはそう見えるし、それは隣人部員全員の暗黙の了解であった。
しかし夜空はそれを心から祝福する気になれなかった。
なぜなら小鷹は夜空にとって幼いころから今までずっと思い続けていた唯一無二の親友であったからである。
その小鷹が自分以外の友人を作るのを見ているのはあまり気分のいいものではないのである。
しかし小鷹はいまだ事実にに気付く気配がない。
このままでは幼き日の私は小鷹から忘れ去られてしまうのであろうか?
夜空の不安は現実のものとなりつつあった。
「あの不愉快極まりない肉をどうにかして排除しなければ……。そもそも、どうしてあんなポスターで入部しようと思ったのだ?」
夜空はどうにかして星奈を追い出そうとして何度も努力をした。
思いつく限りの罵倒はしたし、不愉快な目に何回も遭わせたりもした。
しかし星奈は未だに隣人部にとどまり続けている。
それどころか、自分よりも小鷹に近い位置にいるかもしれない。
女の夜空から見ても星奈の外見は魅力的だ。
そして星奈は男を引き付ける魅力があることもよく知っている。
そんな星奈に小鷹が惹かれていくのは当然かもしれなかった。
だが夜空にはどうしてもそれは許せないことであった。
「何とかして肉を小鷹から、そしてタカちゃんから引き離さないといけない。さもなくば……」
夜空は小鷹に打ち捨てられた自分を想像した。それはあまりにもおぞましい光景である。
そう。夜空の想いは12年の時を経て幾ばくかの恋愛感情にも変わっていたのであった。
そして、夜空は覚悟を決めた。もう形振りなど構っていられない。
いかなる卑劣な手段を使ってでも小鷹を取り戻す、と。
次の日のこと。小鷹は春の陽日に誘われて隣人部の部室で居眠りをしていた。
しかし、その平和は長く続かなかった。
小鷹は誰かに体を揺すられる感覚で否応にも目を覚まさなくてはならなかった。
「んあぁぁ、もうこんな時間か……、起こしてくれてありがとな……って、よ、夜空!!」
小鷹の寝ぼけた目に映ったのは一糸纏わぬ夜空の姿だった。
これは夢に違いないと必死に振り払おうとするが夜空が裸であるという事実は変わらなかった。
そして小鷹は慌てながら夜空に言う。
「な、何の冗談だよ、夜空!! と、とりあえず向こう向いてるから服を……」
「小鷹、これは冗談ではない。しっかりと私のことを見てほしい」
夜空は羞恥で頬を赤らめながら小鷹に言った。
小鷹の目に否応なく映る一糸まとわぬ夜空。
その胸は星奈よりやや小振りであるが、十分に発育していて、
女の子の部分には一本の毛も生えていなかった。
目を逸らそうと思う小鷹だが思春期の男が自分の欲求に逆らえるはずもなく、
まじまじと夜空の裸体に引き寄せられていった。
必死に羞恥で体を震わせる夜空はいつもの飄々とした夜空とは違いとても可愛らしかった。
そして、そんな夜空を見て小鷹の一物は臨戦状態に入っていた。
だがそれを隠すように小鷹はうろたえながら夜空に問いかける。
「な、なんでこんなことをするんだよっ!! だ、誰かに見られたら……」
「安心しろ。鍵をかけてカーテンを閉めてある。誰にも邪魔はされたくないからな……。」
その問いを夜空は気迫の籠った声で返答する。そして夜空は自信なさげに小鷹に問い返した。
「それより小鷹、私の体はどうだ? あの肉より綺麗か?」
「なにバカなこと言っているんだ!! そんなの比べられるわけ……」
「そうか。やっぱりタカちゃんは私よりあの肉のほうがいいというのか? 胸なのか? 顔なのか? 私の何がいけないと言うんだ?」
夜空が今にも泣き出しそうな声で曖昧な返事をする小鷹を問い詰める。
一瞬、パニック状態になる小鷹。しかし、小鷹はその瞬間にあることを思い出した。
引越しの日に泣き出しそうな親友と今の夜空の姿が重なったのである。
そう。小鷹は確信した。幼いころの親友は夜空だったのだと。
そして、小鷹はいままでこんな大切なことに気づけなかった自分の迂闊さを呪っていた。
あれだけ魅力的な夜空の裸体も今の小鷹には意味をなさなかった。
「夜空……、いや、ソラちゃん……、いままで気づけなくってごめん!!」
小鷹は夜空に謝った。たぶん人生、小鷹は先にも後にもこれだけ心をこめて謝ることはないだろう。
それくらいの気持ちを込めて小鷹は夜空に謝った。
小鷹にできるのはそれしかなかった。
そしてその言葉を聞いて夜空は泣いていた。
「タカちゃん……」
「夜空っ!!」
夜空が全裸なのも気にせず、お互い抱きしめあう夜空と小鷹。
「会えてよかった、忘れてなくって本当によかった……」
「忘れるかよ!! 俺の生涯でただ一人の親友をよぉ!!」
夜空の体温が手を通して、小鷹に伝わっていく。
そしてしばらく抱き合った後に小鷹は夜空が何も着ていないことに気づき体を離した。
「ご、ごめん、夜空……、」
小鷹は赤面して慌てていた。それだけ夜空の裸体は小鷹には美しく見えたのだろう。
それを夜空は慌てて手で隠すと夜空は言った。
「気にしないでほしい。脱いだのは私だし、」
「だ、だけど……」
「き、気になるのか?」
「当たり前だろっ、えっと昔とは違ってお前の体はもう女の子のソレなんだし、えーっと、」
「小鷹、ひとつお願いがあるんだけど、いいか?」
夜空は小鷹がしどろもどろになっているのを遮るようにして言った。
「な、何だよ……」
夜空の色気に押されぎみの小鷹。そんな小鷹を尻目に夜空は大胆なことを言った。
「小鷹、私とえっちをして欲しい」
「えっ!!」
あまりに唐突なことが立て続けに起きて混乱する小鷹。
しかし夜空はそれを気にすることなく続けていく。
「頼む。どうしてもそれをしないと私の収まりがつきそうにないんだ。だから……、」
「で、でも、」
「でも、何だ? お前のここも苦しそうだぞ?」
不意に夜空は小鷹のズボンのファスナーを開けるとその中に入っているペニスを
柔らかな指でやさしく撫でていた。
そのきめ細やかな責めはだんだんと小鷹の理性を破壊していく。
そして小鷹も意を決したようだった。
「分かった。一緒にしよう、夜空」
「あっ、そんな乱暴に……!!」
小鷹は自分の服を脱ぎ捨てるとソファーの上に裸の夜空を押し倒した。
そして両手で夜空の両腕をしっかりとつかんでいる。
夜空は必死に手を動かすが、その手は微動だにしなかった。
「タカちゃん。昔は私と同じくらいの力だったのに、強くなったな」
「あぁ。俺も一応、男だからな……」
そんなことを言いながら無防備な夜空の裸体を食い入るように見つめる小鷹。
そうやって見たり見られたりするごとに小鷹のペニスは硬さを増していき、夜空の頬は赤みを増していった。
「夜空の乳首、こんなになってるんだな。舐めていいか?」
「あ、ああっ!! 小鷹、そんなことされたら私、いやらしくなっちゃう!!」
小鷹がチロチロと舐めるごとに赤く、硬くなっていく夜空の乳首。
もはや夜空は小鷹の与える快楽の前に腑抜けにされていく。
そして小鷹はあえぎ声を出している夜空の唇を無理やり塞ぐ。
もう夜空は小鷹のなすがままになっていた。
「もう私はダメみたいだ。だから私のことを滅茶苦茶にしてほしい」
「分かった。夜空、ここはどうだ?」
そういうと小鷹は夜空の秘所をクチュクチュと弄くり始める。
「ひゃ!! そ、そこはらめぇ!!」
思わず日頃の声とは違う可愛らしい声をあげてしまう夜空。
「お前もそんな可愛い声が出せるんじゃないか、ならもっといってみようか」
「いやっ、やだ、やめてっ!!」
それを見た小鷹は夜空の秘所をもっと激しく責めだした。
電流のように迸る快楽に打ちひしがれた夜空の秘所からは濃厚な蜜が漏れ始めていた。
「えっと、夜空、これはもう入れていいって事なんだよな?」
「あぁ。小鷹、お前の思うままにしてほしい……」
恍惚とした表情でぐったりとする夜空。小鷹はその隙を見逃さなかった。
「そ、そうか……。よしっ、いくぞっ」
「う、うん。えっ、あぁっ、だ、だめぇ!!」
小鷹は夜空の力の入っていない脚を開くと自分の一物を夜空の秘所にあてがった。
思わず悲鳴を上げてしまう夜空。小鷹のモノは夜空の予想外のサイズだったのだ。
これはきっと外人の血が為せる業なのだろう。
そんなものを入れられてしまえば男性経験のない夜空など、ひとたまりもなかった。
「はぁ、はぁ、こんなに大きいなんて聞いてないぞ……」
「ごめん。大丈夫か?」
「大丈夫……。だからもっと奥へ差し込んでくれないか?」
「分かった。いくぞっ!!」
「あぁっ!!」
夜空の肉壺を無理やり押し広げながら進んでいく小鷹のイチモツ。
それの痛みと快楽に耐えられそうにない夜空が思わず悲鳴をあげてしまう。
「よ、夜空……」
「た、タカちゃん……」
奥へ奥へ差し込んでいくことで二人は体が繋がっていることで感じる一体感を感じていた。
今の二人は昔のように、いや昔よりも遥かに強い、心の繋がりを持っているように感じられるのだ。
「ソ、ソラちゃん……、もっと奥までいいか?」
「あ、あぁ、小鷹、私のはじめてあげちゃうから、やって!!」
「わ、分かった、」
メリメリメリメリッ
「痛っ!! きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「夜空っ!!」
何かが破れる様な感触を感じた後、小鷹は自分のイチモツが温かい液体に触れるのを感じた。
どうやらそれは夜空の血のようだった。夜空は自分のはじめてを小鷹に捧げたのだ。
「ソ、ソラちゃん……、痛そうだな」
「た、タカちゃん」
そんな夜空のことを気遣ってか小鷹は優しく夜空の二つの膨らみの天辺を舐めた。
くすぐったい感触とともに痛みが引いていくと二人は意を決したようである。
「夜空、俺、お前の中で出したい……」
「分かった。好きなだけ……」
二人の考えていることは同じだった。引っ越しさえなければ私たちはもっと早く、
こんな関係になれたのだろうか?今はそんなことはどうでもいい。
早く一つになりたい、そんなことを考えていた。
「よ、夜空っ、動くぞっ!!」
「あぁ!!」
自分の中の大きな異物が大きく動くのを夜空は感じていた。
本当は小刻みなのだがその規格外のサイズのせいで夜空はものすごい快楽を感じていた。
「はぁ、はぁ、タカちゃんのチンポ、ものすごく大きくってギモちィィよ……」
「よ、夜空、お前の中、とてもヌルヌルして、ヒクヒクして、俺、おかしくなっちゃいそう……」
一度、動き出したら小鷹はもう止められなかった。
今、ある快楽を絶やさないようにもっと気持ち良くなれるように、
夜空の中をぐいぐいとかき回していく。
そして小鷹が夜空の中を動いていく毎に夜空はいいようもない気持ちになっていくのだった。
「よ、夜空、もうそろそろイクのか?」
「そ、早漏が、わ、わたしは……」
といっぱいいっぱいになる二人。
そんな中、二人は昔のように意地を張り合っていた。
「負けるかよ……」
「私も先にイク気はない」
「ならここはどうだ?」
「ひゃっ、そ、そこは……」
負けじと意地になった小鷹は夜空の乳房を掴んだ。
意外な場所を掴まれた本人は可愛い悲鳴をあげていたがそんなものに意味はなかった。
「へぇ、なかなか柔らかくって面白いじゃないか、こうしてやるっ!!」
「ず、ずるいぞっ!!」
乳房と共に主導権を掴んだ小鷹は夜空の乳を揉みしだいた。
かなり弾力のある本人に似た生意気な乳房はことあるごとに小鷹に抵抗を試みるが、
その形は小鷹の指に従いつぎつぎと変化していった。
「わ、私だって、」
胸を鷲掴みにされていいようにされている夜空は小鷹に必死に抵抗を試みた。
夜空はリズミカルに腰を振ると小鷹の下半身がいいように刺激されて
小鷹の責めが緩んでいったのだった。
「この、やったなぁ!!」
「タカちゃんだって!!」
二人は残り少ない体力でお互いに繋がったまま主導権の握りあいをしていた。
小鷹が夜空の胸を思いっきり揉みながらピストン運動を繰り返すようになると、
夜空は大きく腰を振り始め、それに負けじと対抗しはじめた。
二人はエッチをしているのか、それとも幼き日の決着のつかなかった戦いをしているのかだんだん分からなくなっていった。
「はぁっ、はぁ」
「はぁ、はぁ」
と息も切れ切れになる二人。だがその戦いにも終わりが近づいているようだった。
勝負に見切りをつけた小鷹が夜空に猛攻勢をしかけたのだった。
「これでとどめだっ!!」
「あ、あっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「よ、夜空あぁぁぁぁぁぁ!!」
小鷹の猛攻勢についにイッてしまう夜空。
だが小鷹も無事ではなかった。その激しい勢いで自分のものも思いっきりぶちまけてしまったのだった。
夜空の秘所から出るいやらしい液体の混合物。
ふたりがほどよく混じりあった愛の証である。
「こ、これは、俺の勝ちじゃないのか?」
「な、何を言っている。これはどうみても私の勝ちだ……」
二人は裸で抱き合いながらもお互いに自分の勝ちを譲らなかった。
本当は勝負なんてどうでもいいと思っていながらもお互いに意地になってしまっているのだ。
そんな思い出の中に二人は入っていった。
誰も二人の間には割って入れないと二人が思っていた。
しかしそれも束の間。少女のひどく焦燥した声によって二人は現実に戻されてしまう。
その声の主は星奈だった。
「あ、あんたたち、な、何やってるのよ? な、なんでこんなことを部室で……」
星奈はパニックに陥っていた。
さすがの彼女もゲームでそういったシーンは何度も見ただろうが現実のセックスを見るのはこれではじめてだ。
そして、今の二人にはそれにはない迫力と質感がある。
だが驚いた理由はそれだけではなかった。
小鷹が自分以外の女性とエッチをしている。
しかもそれがよりによって夜空という事実が星奈には受け入れがたかったのだ。
だが現実は容赦しない。
「ち、違うんだ、星奈……、いや、違わないけど、と、とにかく、」
「違う、違う、こんなの違う、うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」
あまりにも許容しきれない現実を見て逃げ出してしまう星奈。
「お、おいっ、」
と星奈を追いかけようとする小鷹。しかし、彼の体は動かなかった。
そう。夜空が小鷹の体に抱きついていたのである。
「頼む。一生のお願いだ。あれを追わないでくれ……」
「け、けど、」
小鷹はそう言おうとして夜空の顔を見た。
その顔はひどく不安そうだった。
今、俺がここを離れたら夜空はもう立ち直れなくなるのではないか、そんな顔だった。
そして小鷹はそんな夜空を見て、このソファーに座っていた。
「鍵、掛けておくぞ……」
「あぁ、」
小鷹は夜空が部室の鍵をわざとかけ忘れていたことを確信していた。
星奈にあの光景を見せつけるために。
だが小鷹は夜空に引け目を感じていてそれを責めることはできなかった。
夜空は夜空で暗く落ち込んでいた。
部室の空気はすっかり悪くなり、ぎこちない会話が場を支配するようになっている。
そして二人は服を着ると夜空は小鷹に言った。
「小鷹、私はお前のこと、好きだからな、例え世界中が全てタカちゃんの敵になっても、
私は絶対にタカちゃんの味方だからな……」
告白ともとれる夜空の言葉。その言葉を小鷹は受け入れた。
その時の夜空の笑顔は掛け値なしに綺麗なものだった。
さらに次の日、小鷹と夜空は幸村を部長に、理科を副部長に任命し、隣人部を引退した。
そして小鷹は星奈のことを気にしつつも夜空との充実した日々を送って行った。
そう。この二人にもう友人はいらなかったのだ。