あきらめようって思ってからどれくらいがたったのかな。  
あいつのいなくなったこのキャンパスで、  
いろんな気持ちをここで作品にぶつけたこの教室で、  
相変わらず私は泣いている。思い出す度どうしようもなく胸が締め付けられる。わたしはずっとこのままなのかな。ずっとこんな気持ちをひきずって、ずっとひとりぼっちで。そんなことを考えていた時−−  
コンコン  
窓ガラスをたたく音。  
こんな遅くに誰だろ…ていうか窓からって…  
なんとなーく嫌な予感がした。カーテンを開けるとそこには、全身をこわばらせてガタガタ震える森田さんがいた。  
「もっ…森田さん?!何やって…!」  
急いで窓をあけ暖かい部屋に入れた。  
「し…しぬかとおもった…昼間日があたってて気持ちよかったから昼寝してたらいつの間にかこんな時間になってて…暗くて寒くて…」  
「ばかじゃないですか!?こんな寒空の下よくずっと寝てられたわねっ」顔中ぐしゃぐしゃにして訴えてくるこの人にあきれながらもタオルをさしだす。「うぅ…山田やっぱりさいきんなまいきだぞ……ん??おまえ…」  
はっと我に返った。泣いてたこと気づかれたみたいだ。  
 
あきらめようって思ってからどれくらいがたったのかな。  
あいつのいなくなったこのキャンパスで、  
いろんな気持ちをここで作品にぶつけたこの教室で、  
相変わらず私は泣いている。  
思い出す度どうしようもなく胸が締め付けられる。  
わたしはずっとこのままなのかな。ずっとこんな気持ちをひきずって、  
ずっとひとりぼっちで。そんなことを考えていた時−−  
コンコン  
窓ガラスをたたく音。  
こんな遅くに誰だろ…ていうか窓からって…  
なんとなーく嫌な予感がした。カーテンを開けるとそこには、全身をこわばらせてガタガタ震える森田さんがいた。  
「もっ…森田さん?!何やって…!」  
急いで窓をあけ暖かい部屋に入れた。  
「し…しぬかとおもった…昼間日があたってて気持ちよかったから昼寝してたらいつの間にかこんな時間になってて…暗くて寒くて…」  
「ばかじゃないですか!?こんな寒空の下よくずっと寝てられたわねっ」顔中ぐしゃぐしゃにして訴えてくるこの人にあきれながらもタオルをさしだす。  
「うぅ…山田やっぱりさいきんなまいきだぞ……ん??おまえ…」はっと我に返った。  
 
「またないてんのか?」「!っ…ど…どうせばかだなーとかおもってるんでしょー…ほっといてよッ」  
森田さんに背を向ける。やだ…私いつからこんなに卑屈になっちゃったんだろう。  
いつも、いちばんに相談に行ったのはこの人で、つらいときいちばん支えてくれたのも−−  
「!?」  
いきなり視界に腕が延びてきた。  
ガシッ  
「きっきゃぁあぁ!?」びっくりしてばたばた抵抗し、このまま一本背おいに持ち込もうとしたそのとき。「このやろっいつまでもいつまでも一人で考え込んでんじゃねー!こんなんじゃおまえも真山も前に進めねーんだよッ」  
森田さんの腕にかけた力が少しぬけた。  
「森田さ…」  
「…おまえ泣き虫なんだから、泣けばいーさ。そんでふっきっちまえ!ホラ、俺の胸で!」…いつもの調子でふざけて言ってるのかと思った。  
けど、私を捕まえたその腕には、力が入っていた。  
今、振り向いたら…どんな顔してるんだろう。  
そんなことを考えていると肩をつかまれくるっと振り返らされた。  
「も…りたさん…?」  
なんであなたが  
 
そんなつらそうな顔してるの?  
 

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