「ふぁ……っ。んっ」
彼の手が私の胸の上をゆっくりとすべる。頭の中は真っ白でその掌だけが現実味を帯びていた。
野宮さんの手は優しい。どこまでも優しく私に触れてきた。その優しい優しい手にすがりついてしまえばいいのに。と自分でも思う。でも、その手にすがったら終わってしまうから。だから私はまたあいつを…
「山田さん。ちゃんと集中して?」
ちょっと困った、どこか寂しそうな顔で彼は小さく笑った。
「あ……ごめんなさい」素直に謝ったのに、彼は
「おしおきだよ。」と言って私のそこに顔をうずめた。
「え…?あ…やだ!!野宮さっ…あぁっ……!」
羞恥で体が熱い。押しのけようと彼の頭に置いた手は、あまりの快感にぎゃくに押し付けるような形になってしまった。彼の舌は溢れでる蜜をすくいとり再び塗りこめ、小さな突起をいたぶった。
「い…やぁ…あっ…ふぁ…あぁ」
恥ずかしくて恥ずかしくていやいやと首を振ると、彼は滑らかな足の間から見上げてくる。恥ずかしいのと気持ち良いので溶けてしまいそうだった。目が合うと彼が優しく笑う。その優しい目になぜだか快感が走った。
「んんっ……あっ…あっ…や、の…みやさ…んっ」
ぴちゃぴちゃと濡れた音ざ鼓膜を刺激して、さらにそこはじっとりとして来てしまう。
抱え込むように舐めていた顔をようやくはなすと大丈夫?と覗きこんでくる。
「……大丈夫じゃないです。」羞恥で真っ赤な顔で睨むと。ごめんね。と小さな声で謝った。
起き上がった私の体を再びゆっくりと押し倒す。
「ごめん。でも、ちょっともう……」
悲しい でも優しい目でそう言うと、私の中にそろそろと指を入れてくる。いつも大人な彼の余裕が薄れた目をしているくせに 動きは私を痛めないようにと やっぱり大人の動きをしている。
「ふっ……んっ…」
「痛い?つらかったら言ってね?」
首を降って否定する。痛くなんかない。つらくもない。
異物感は否めないが私が感じているのは確かな快楽だ。
「うっ…くっ……」
力入れないで。と目や唇に優しくキスを落としながら、胸の突起を指でころがす。快感が増し、ますます私のそこは蜜が溢れる。
「指、増やすよ?」
遠慮がちな断りを入れてから、二本目の指を入れる。二本の指は私の中でぐちゅぐちゅと動き、内壁を撫でた。親指が突起を捉えて押しつぶすように力を加えてくる。快感の波に襲われ、つい声をあげてしまう。
「ふっ…あっ…!んっ…んんっ」
「山田さん、感じてるの?」
三本目の指を入れるため、そこを少しでも広げようと心を砕く彼の問いに答えはかえせなかった。
「野宮……さっ……あぁっ……っ」
痛い?と再びきいてくる彼に涙を溜めた目で精一杯首を横に振る。ほんとは痛いけど、彼が苦しそうな目をしてたから。
「野…宮……さっ…ん」
「何?どうした?」
と彼は耳を近づけてきた。どうして彼はこんなに優しいんだろう。優しくて優しくて……
「ぁっ…もっ……もぅ…」
「もう、イく?」
「違っ……あっ…も…指じゃ…なくて…」
赤くなって俯く私に彼は深くキスをして「山田さんってほんとかわいいよね」
と少しかすれた声で言うと、私のそこから蜜で糸を引く指を抜いた。かわりに熱い彼自身をあてがった。
「力ぬいて?ゆっくり深呼吸してね。」
優しい手てそっと頭を撫でた。
彼は息を吐くのに合わせてゆっくりと入ってきた。
一番奥までつくころには痛くもないのに少し血がでていて、私の蜜と混ざっていた。
「痛くない?膜が破れたから痛かった?」
私が首を降るのをみて、ごめんね。とつぶやいて少しずつ揺するように動きだした。
揺れに合わせて甘い声が出だすと少し揺れを大きくして…と私が痛くないように痛くないようにしてくれた。
「んっ…んっ…あぁ……あっ」
彼の熱い熱いものが私の内壁をこする度に信じられないぐらいの蜜と快感が溢れる。小さく甘い声は熱いオトナのそれへと変わっていく。
「あっ……あぁ…あっんっ……」
彼が触れた後が全部熱く感じられて、波に飲まれていく。
「あっ…んあっ…野…宮さっ」
腕を伸ばして彼を捕まえる。
「野宮……さっ…んっ…」
トロンとした焦点の定まらない目で見つめると彼は眉根を寄せ、綺麗な顔を歪めていた「山田さん…締まりすぎ……」
すぶやいてまた少し笑った。
「あっ…野宮さんっ野…宮…さっ…あぁ!!」
「……くっ」
ぎゅっと彼を抱きしめると彼も強く抱きしめてくれて、頭を撫でてくれた。その手が優しいから、私は快感と一緒に意識を手放した。