久しぶりに実家(というか母の再婚相手の家)へ帰ってきた。
俺は新しい父である稼頭夫さんは苦手だが、今夜は家で男同士飲みあった。
母は夜勤ではなかったのでそんな俺たちを何だか嬉しそうに見ていた。
俺はいつも以上に飲んでしまって自分の布団を見るなり倒れこむように眠った。
……。
酒は体から抜けてきているが、のどがもの凄く渇く。
枕もとのケータイを見るとまだ夜中の1時半だ。
吐き気はしないが水が飲みたい…。
俺は何とか台所へ向かおうと立ち上がる。
その時だった。
「美津さん…もう1回だけ、いいだろ?」
「稼頭夫さん…」
隣の寝室から声が聞こえる。
「これで今日5回目よ?」
ご、5回も??
か、稼頭夫さん、タフすぎる!!
「私明日も日勤なのに…」
母は抵抗しているらしいがそれにしては嬉しそうだ。
病弱だった父には女としてそれほど求められなかったんだろう。
その分を稼頭夫さんに求めているのかもしれない…。
水を飲みに台所へ行ったら足音がして気まずいころになる。と思う。
俺はしばらくふたりがあえぐのを聞かないふりをした。
母も女だと知った。
眠れなかった。
おわり。