コパール城の戦いから早1ヶ月が過ぎた。  
呪いをかけられた王様や、魔物に体を乗っ取られていた大臣も元に戻り、1000倍に設定されていた物価は  
いつも通りの価格に引き下げられた。  
平穏さを取り戻した街には子供達の賑やかな笑い声が響き渡り、昔のような和やかな空気に包まれている。  
城をモンスターの魔の手から救ったニケとククリはすでに次なる場所へと旅立っており、  
しばらくコパールに留まっていたアダムスキーとトマもまた、昨日大きな荷物を背に抱え行脚の旅へと出かけていった。  
「ふぅ〜・・・、退屈ねぇ〜・・・」  
と、とある一軒の民家から気の抜けた声が漏れ出された。  
大きなため息と共に先程の声の主である黒髪の女性は机につっぷしてだれている。  
彼女の名はルンルン。闇魔法結社の総裁の側近である。ただ、この名を彼女に向かって呼ぶとマジギレするので要注意だ。  
「うむ・・・ゴム骨とじゃれるのも飽きたわい・・・」  
威厳性のある声で間抜けな言葉を発したプードル犬、『一応』闇魔法結社の総裁である。  
その昔、ギリに呪いをかけられて犬の姿に変えられたらしいのだが、日に日に  
言動が犬らしくなってきている事にルンルンは少なからず危機感を覚えていた。  
「総裁・・・はっ、そーいえば、ジュジュちゃんはどこ行ったのかしら?」  
ハッとして身を起こしたルンルンが辺りをキョロキョロと覗うが、その名に該当する少女は見当たらない。  
「ああ、さっき庭へ行くといっておったぞ」  
総裁は可愛らしい前足をスッと家の外へと指した。  
「また聖書でも読んでるのかしら?ちょっと様子を見てきます」  
そう言うとルンルンはすっくと椅子から立ち上がり、日の差し込むドアへと歩を進めた。  
 
その庭は暇を持て余していたルンルンによって見事に手入れされて、ガーデニングという  
言葉に相応しいものとなっていた。様々な花や植物が己の魅力を最大限に引き出すべく、  
太陽の下でその色を満々と映わせていた。  
庭のほぼ中央に設置された木製の机と椅子、そこに座る少女が1人ルンルンの目に入った。  
彼女こそ、『探し者』ジュジュである。  
やや大きな本を熱心に読んであり、ルンルンの存在には気がついていないようだ。  
「ジュジュちゃーん、何読んでるの?」  
問いかけながら近づくルンルンに対し、ジュジュは本から目線を外さずにそれに答える。  
「『せいしょ』よ」  
「そう、聖しょ・・・って、ジュジュちゃん!?そ、その本・・・!」  
ジュジュの隣に来て腰を下ろしたルンルンは、ジュジュの持っている本の内容を見て驚きを隠せなかった。  
なぜなら、ジュジュが手にしていたのは聖書ではなく、せくすぃーな女性の裸満載の、言わば『性書』であったからだ。  
「どうしたのこの本!?」  
「さっきおかしらさんが来て、『城の戦利品だ、たまにはこれでも勉強するんだぞ』ってくれたの」  
「あんのエロおやじーーーぃ!」  
ルンルンの怒りの矛先である人物、それはコパール城での戦い時に手を組んだ  
盗賊団ガバの頭、スライである。  
「一体何を考えてるのかしら!子どもにこんな不健全なモノ与えて!」  
まさに頭から湯気が出そうな勢いで憤慨するルンルンに対し、ジュジュはクールに質問を試みた。  
 
「お姉さんもこういうのした事あるの?」  
「なっ!!?」  
そう、子どもは時に突拍子もなく困る質問をするものである。  
当然ルンルンもこの質問には戸惑いを隠せず、たった今までの怒りは一気に消沈した。  
顔は赤いままだが、先程とはまた違った色、『紅い』と言った方が相応しいものとなった。  
「な、なに言ってるのジュジュちゃん、何で、あ、あんな奴としなきゃ・・・」  
「あんな奴って誰?わたし、した事あるかないかだけを聞きたかったんだけど」  
「あ・・・」  
自ら墓穴を掘ってしまったルンルンは、顔を真っ赤にさせたままコキーンと一時停止してしまった。  
「そ、そうよね、あいつは誰だっていいわね。ジュ、ジュジュちゃん、ちょっとその本貸してちょうだい」  
気を取り直すも引きつった笑いをしながらジュジュから本を受け取ると、再び顔を怒りのものへと変えて  
「あいつに文句言ってくるわ!」  
と言い残しそのまま盗賊の森へと向かった。  
その後ろ姿を見つめるジュジュの表情には、ほんのわずかではあるがニヤ〜っとした笑みがあった。  
 
うっそうとした森の中。日の光も半分以上が木の葉に遮断され、真昼間だというのにここは薄暗かった。  
そんな中に、ややほつれた衣類を身にまとった2人の男が洞穴の前で座り込みながら話し合っている。  
「今日も結構稼いだな」  
「ああ、あの家にこんなにお宝があるとは思わなかったぜ」  
彼らの前にはキラキラと輝く宝石が多数転がっており、時たま手に持ってホクホク顔で眺めている。  
どうやら盗みを働いた時の戦利品であろう。  
「見ろよこの輝き、高く売れるぜこれは」  
顔に隠しきれないほどの笑みを表して、男達はまるで子どものようにはしゃいでいた。と、その背後から  
「あんたたち」  
「うわあっ!」  
突然発せられた声に、2人共手に持っていた宝石を落とし、飛び上がって驚いた。  
「だ、誰だっ・・・って、闇のねえさんか」  
男達が後ろを振り返ると、見知った人物がそこには立っていた。おかげで2人は一瞬にして緊張から解き放される事が出来た。  
「今日はどうしたんですかい?」  
「おかしらはいる?」  
「あ、ああ、いるっちゃあいるが、一体・・・」  
盗賊Aの質問を無言で流したルンルンは、すたすたと洞穴の中へと向かっていった。  
「どうしたんだ?やけに恐い顔してたが・・・」  
「さあ・・・」  
そのルンルンの後姿を見つめる2人はしばらくそこで立ち尽くす事しか出来なかった。  
 
洞穴の奥では、無精ひげを生やした男がナイフを手に料理を作っていた。  
彼の名はスライ。コパール王国では名高い盗賊団ガバの頭である。  
「ふむ、もう少し塩がいるな・・・」  
火にかけている鍋からお玉ですくい上げたスープを一口すすった後、威厳のある声と風貌には似合わないセリフが  
薄暗く湿り気のある空間に放たれた。  
以前、盗賊修行で入団していたニケの相方:ククリの特訓のおかげで、殺人的な味は解消されたが、それに気を良くした  
スライはますます趣味(料理)にのめり込んでしまったのだ。  
「えーっと、塩はっと・・・」  
「ちょっとあんた」  
「ん?」  
ごそごそと戸棚を漁っているスライの背後から声が投げかけられた。その発生源であるキッチン入口に視線を向けると、  
胸元までボタンで留めてある、落ち着いた赤色のワンピースを身にまとったルンルンが腰に手をかけて立っていた。  
「よう、お前か」  
「ようじゃないわよ!あんたねえ、ジュジュちゃんになんて物渡すのよ!」  
ルンルンは手に持っていた『性書』をテーブルの上にバンッと投げ置き、それをあごで指す。  
「ジュジュ?ああ、あの子か。毎日お堅い本ばかりじゃ、退屈だろうと思ってな」  
「あのねえ、ジュジュちゃんはまだ11歳なのよ!少しはそこんとこ考えなさいよ!まったく!」  
怒りがおさまらないルンルンは、スライに詰め寄りながら説教をぶつけた。その勢いに全く動じずにスライはクールに反論する。  
「小さい頃から教えておかないと、大人になって間違った『やり方』してしまうだろ」  
最近問題となっている、若者の歪んだ性社会。一応の正論にルンルンはややたじろいだ。  
「それはそうだけど・・・だからってあんな本渡さなくてもいいでしょう!」  
「だったら、お前が教えてやるんだな」  
「なっ!」  
「まさか、知らないって事はないよな?」  
不敵な笑みを浮かべたスライがそう言うと、ルンルンは顔を赤くして反論する。  
「し、知らないわけ、ないじゃない!ば、馬鹿にしないでよ!」  
「ほう、じゃあ本当かどうか、試してみるか」  
「え・・・ちょ、ちょっと・・・やだ、冗談は・・・」  
 
突然ルンルンに迫ったスライは、スッと彼女の腰に手を回すと体を引き寄せる。スライとルンルンの体はピタリと密着し、  
ルンルンの胸辺りで大きく突起した服の先端がスライの胸板に触れた。柔らかい感触と共に、早い鼓動がスライに伝わる。  
「ば、馬鹿、ふざけるのもいい加減に・・・」  
「俺は別にふざけちゃいないが」  
抵抗しようとしたルンルンの腕を掴んだスライは、真面目な顔で彼女に囁く。彼女の体から急に力が失われた事を感じ取ったスライは  
そっと顔を近づけキスを交わした。  
「んっ・・・」  
ルンルンはゆっくりと瞳を閉じ、身を彼に委ねる。  
口に入ってくる舌は熱く、また無精ひげが時々唇に触れて軽い痛みが神経を刺激した。それがある種の心地よさを感じさせるのだった。  
「んふぅ・・・くちゅ・・・」  
濃厚な口付けの音が、洞穴にこだまする。壁に取り付けられた蝋燭の柔らかい明りに照らされる2人の影は、上から下まで重なって  
離れなかった。幾分か時は過ぎ、2人が口を離すと、一筋の白い糸がお互いを繋いだ。それが切れると同じタイミングでスライが口を開く。  
「さっきまでの威勢はどこへ行ったんだ?」  
「う、うるさいわね・・・」  
不敵な笑みを浮かべて放たれたスライの意地悪な言葉に、顔を紅く染めたままルンルンは精一杯の威勢をとる。  
しかし、心臓のドキドキが一向に止まらず、間近の彼に目線を向けられないでいた。  
「まったく、素直じゃないなお前は」  
言うや、スライはそのまま顔を彼女の首筋に持っていき筋にそって舌を這わせた。  
「あ・・・あふっ・・・!」  
ビクンと全身を反応させ、吐息を漏らすルンルンに構わず、スライの舌は容赦なく彼女の白い肌の上を走り回る。  
時々チュゥッと皮膚を吸うと、赤い痕が付いた。そこをまた舌で舐め撫でる。  
「やあ・・・キスマークは付けないでよ・・・」  
「誰にも見えやしねえよ」  
「あぁん!・・・そんな問題じゃないでしょ・・・やっん!」  
息遣いを荒くしながら、ルンルンの体は時折ピクンと反応を繰り返した。  
スライはそのまま自分の手をルンルンのワンピースのボタンにかけ、ゆっくりと外していく。胸元までのそれらを全て開けると、  
服の両肩を掴みそのまま下にずり下げて彼女の乳房を露わにした。なかなかの大きさをしているそれは、脱がした時の反動で  
軽く上下に揺れていた。  
 
上半身全て白い肌をさらけ出したルンルンの後ろに回ってスライは、彼女のピンク色した両方の乳首を指でつまんでクリクリ転がす。  
するとみるみる内に先端が鋭角に変化していった。  
と同時にルンルンの息遣いもやや荒くなり、体温が上昇している事もすぐに感じ取れた。  
「おい、まさかもう感じてるのか?」  
「ま、まさか・・・そんなわけ・・・あん・・・ないじゃない・・・」  
言動が矛盾しているルンルン。それを見たスライは自分の手をスッと彼女のワンピースの裾をたくし上げた。そしてそのまま  
薄い水色したショーツの中へと滑らせる。  
「やっ・・・どこ触ってんのよ・・・」  
「へっ、やっぱ感じてんじゃねえか。こんなに濡らしやがって」  
ルンルンの秘部からは、スライの巧みな指使いによってクチュクチュといやらしい音が立てられた。  
「はぁ・・・ん・・・恥ずかしい事言わないでよ・・・馬鹿・・・」  
「誰が馬鹿だって?」  
「ああん!」  
キュッとルンルンのクリトリスを摘まむと、彼女は大きな喘ぎ声を発して全身を振るわせた。  
「そ、そこ・・・だめぇ・・・」  
「そこ?そこってどこの事だ?」  
「はあ・・・あんたって・・・んんっ!・・・ほんと、性格悪いわね・・・」  
「そりゃどうも」  
キュッ  
「ひゃっああっ!!」  
スライは先程よりもやや力を入れて、もう一度お豆を摘まんだ。ルンルンの体は一瞬大きく硬直し、全身に電気が流れるような衝撃が  
走った。そのままピンクのお豆の上をグリグリと捏ね繰り回していく。  
「あっ!あんっ!も・・・もう・・・きゃふっ!・・・だめぇ・・・」  
力ないルンルンの声にも全く耳を傾けず、クリトリスを弄るスライの指はその動きを早めていく。  
「やっ!やだっ!も、もう、・・・それいじょ・・・っ!はや・・・っく、ああぁぁぁん!」  
喉の奥から搾り出たような呼声と共に、ワンピースの下間から大量の水が地面に降り注がれた。と同時に、  
ルンルンの体からは力が一気に放たれて、支えているスライの腕をすり抜けるようにその場にペタリと座り込んでしまった。  
しばらくの間小さく痙攣を繰り返しながら・・・。  
 
「じゃあ、次は俺のを咥えてもらおうか」  
スライはズボンの腰紐を外してするすると下げ、大きく反り立つ肉棒を座り込んだままのルンルンの眼前に晒した。  
「きゃっ・・・大きい・・・」  
突如現れた巨根にルンルンはやや恐怖を覚え、身をすくめる。「それ」は、ククリの杖よりも一回り以上太く、  
長さもニンジンを軽く上回っていた。ドキドキと不安に駆られている彼女を知ってかしらずか、ゆらゆら上下に揺れる黒い大砲は、  
真っ直ぐルンルンの柔らかい唇へとその照準を合わせていた。  
「さあ、咥えろ」  
「咥えろって・・・そんな大きいの口に入んないわよ」  
縮こんだ体を何とか引き伸ばし、拒否を試みた。  
「だったら舐めろ」  
しかし、ほれと言わんばかりにルンルンの顔に近づけ催促する。これ以上の抵抗は無駄だと察知したルンルンは、ため息を一つ付いて  
それをそっと手に取った。  
「・・・もう、しょうがないなあ」  
両手の指先で肉棒を掴むと、ゆっくりと舌先を亀頭に近づけ優しくくすぐった。そのまま先端の割れ目に歩みをすすめた後、  
上下の唇で甘噛んだ。  
「ちゅ・・・くちゅ・・・ぴちゃ」  
亀頭の先端からじわじわとあふれ出すガマン汁を唾液と絡め、まるでパンに蜂蜜を塗るように巨大な突起物全体に擦り付ける。  
その側面を舌で何度か往復させると、それまで透明だった液体は徐々に白く濁り始め、同時にその粘性を増していった。  
「なかなかうまいじゃないか。いつも練習でもしてるのか?」  
「ぷはっ、ば、馬鹿言わないでよ!そんな事、するわけないじゃない!」  
根元を横から咥えていたルンルンはモノを口から離すと慌てて反論する。  
「だったら、何でそんなにうまいんだ?」  
「し、知らないわよ」  
ルンルンは焦りの色を隠しきれず、プイッと顔を横に背ける。  
 
「おいおい、まだ終わりとは言ってないぜ」  
しかしスライはルンルンの顎を手で掴むと、再び正面へと向きなおさせた。  
「もう充分でしょ?」  
「まだ咥えてないだろ」  
「だから無理だって。私の顎が外れるわよ」  
「無理かどうかはやってみないと分からないぜ。そらっ!」  
「むごっ!?」  
いきなり、ルンルンが抵抗する間もなく肉棒は口内へと突き刺さった。その先端は喉の奥まで届いており、ルンルンは  
苦痛の表情を浮かべる。  
「・・・っ・・・っぷ・・・」  
しかし本当の苦しみはこの次であった。スライが自らの腰を動かし始めたのだ。  
「しっかり吸い付けよ」  
「〜〜〜〜〜!!」  
何度も肉棒を喉の奥に突き立てられ激しい吐き気がルンルンを襲うが、彼女はそれに必死に耐えていた。  
口からは飛沫が迸り、さらに口内の粘着した液体がスーッと糸を引いて、だらしなく下唇から垂れ下がっている。  
ときたま、亀頭先端から苦い液体が放出されるのを感じた。精子が少し漏れてきているのであろうか、だとすれば限界は近い、  
遠のく意識の中で、やっとそれだけ考える事が出来た。  
ごぷっ!ごぷっ!  
容赦ない攻勢が続く。時間で言うとそんなに経過していないはずなのだが、ルンルンには非常に長く感じられた。  
「よし、もう・・・いくぞ!」  
小さな痙攣を始めたスライの肉棒はついに爆発の瞬間を迎えようとしていた。  
ルンルンの側頭部をしっかり両手で掴み、喉の奥へ一気に突き立てる。  
「っく!」  
そして頂点に達すると肉棒全体が大きく脈打ち、それに続いて先端から濃い白液がルンルンの咽喉へと注ぎ込まれた。  
「むぐっ!ごぼっ!ごぼぼっ!かはっ」  
白液によって気道を塞がれたルンルンは、無理矢理口からペニスを抜き出すとボタボタッと床に精液をこぼしながら噎せ返った。  
「けほっけほっ、はあはあ・・・」  
咳き込みながら残りの精液を吐き出す。それでもなお、彼女の口内には苦味で満ち溢れていた。  
 
「はあはあ・・・ひ、酷いじゃない・・・奥で出すなんて・・・」  
「膣内の奥で出されるよりマシだろ」  
膝をペタリと床に付けて座り込み、肩で息を続けるルンルンに対して、煙草に火をつけ一息吸ってから平然と返すスライ。  
「あんたって、ホントに獣ね」  
「誰が獣だよ」  
スライは今つけたばかりの煙草をルンルンの顔に近づけ、煙をふうっと吹いてかけた。  
「ごほっごほっ!や、やめてよね!」  
未だ息を整えれないでいたルンルンは、更なる攻撃にまたも苦しむ事になった。  
とその時、スライが持っていた煙草の先端から、燃え尽きた灰の塊が落ちた。  
灰と言ってもまだ高熱を保っており、とてもではないが、触れたものではない。  
しかしそれは、無常にも真下のルンルンの太ももの上へと向かい、そして・・・  
ジュッ  
「あんっ!」  
灰の着地と共に、その状況からは似つかわしくない愛声が辺りに響いた。  
その声主、ルンルンはバッと手で口を押さえるが時すでに遅しであった。目の前の人物の耳にはバッチリ入っていた。  
「・・・お前、極Mか?」  
バコーン!  
スライの顔面に、恥ずかしそうな表情のルンルンのパンチがクリーンヒットした。  
「ってー・・・いきなり何しやがる!」  
「あんたが変な事言うからでしょ!」  
「変じゃねえだろ!MにMって言って何が悪・・・」  
スパーン!  
スライに学習能力はなく、再びルンルンの鉄拳が宙を駆け抜けた。  
「ったー!」  
「ふんだ、自業自得よ」  
鼻の頭を抑えて耐え苦しんでいるスライを、横目でジトーっと睨みながらルンルンが言葉を吐き捨てる。  
しかし、この後すぐに自分が起こした行動を後悔する事になる。  
「おまえなあ〜!もう頭にきた!」  
「きゃっ!や、やだ、何す・・・やぁ!」  
突如いきり立ったスライは、ルンルンを無理矢理うつ伏せにして地面に押し付けると、ワンピースの裾を腰までたくし上げて  
下着を引っぺがした。そしてズボンにしまっていた自分の肉銃を再び取り出すと、ルンルンの柔らかいお尻の上にぴとっと乗せた。  
 
「お前の中にぶちこんでやるから、覚悟しろ」  
言いながら、スライは自分のマグナムをスススっとルンルンの膣口へと降ろしていく。  
「や、やだ!ねえ、お願い、待って、今日はマズイ・・・ああっ!」  
必死に説得を試みた彼女だが、それも叶わず、体内に熱い肉棒が入り込んでいった。  
ズブズブッ  
「あああっ〜〜〜ーー・・・!」  
いやらしい音と共に下のお口はスライのそれを飲み込んでいく。ルンルンは全身を震わせて、挿入の痛みに耐えていた。☆ここまで完成  
「くっ・・・キツキツだな。ご無沙汰だったのか?お前」  
スライの問いかけに答える余裕は彼女には無かった。両手に拳を作り、息も止めた状態である。  
しかし、その痛みも間もなく快感へと変化していった。あながち、スライの言った「M」というのも嘘ではないのかもしれない。  
それまでゆっくりだった挿入速度だが、膣口からおおよそ半分程度まで入った所でピタリと止まった。  
ルンルンはここで息を吐く。が、そのタイミングは思いっきり悪かった。  
「一気に行くぞ!」  
ズン!  
「!!・・・!」  
気と力を抜いた瞬間、突如押し込まれたスライのムスコが膣奥に突き刺さった。  
そのあまりに大きな衝撃に、声なき声で悲鳴を上げるルンルン。ピクピクと全身の筋肉が張り、完全にその動きを止められた。  
スライの肉棒は穴にギチギチと入っており、ルンルンの膣壁は限界まで広がっている。  
「お・・・奥・・・奥・・・まで・・・」  
「さて、動くぞ」  
ぬぷっ!ぷしゃっ!  
「はっ・・・はっ・・・ああっ!はっ!くっ!」  
先程の痛みも和らがないうちに、更なる刺激がルンルンに襲い掛かる。しかし、やはり時間もそうそう経たない内に、  
快楽がやってきた。体が自然と攻められる事を求めているのだ。  
 
「気持ちいいのか?」  
「う・・・はっ!・・・ち、ちがっ・・・ふうぅうん!・・・ああん!」  
「素直じゃねえな。なら、これでどうだ!」  
ズン!  
「はああぁぁぁぅぅん!!」  
膣内奥まで突き刺さる一撃を皮切りに、スライのピストン運動はその速度を徐々に増していく。  
「はっ!はっ!・・・は、早い・・・っく!」  
自分の子宮をも一緒に持っていかれそうな勢いにルンルンは、体全体で悦んでいた。意識がまたも  
遠のいていき、視界も徐々に狭まっていくのがわかった。  
「あふっ!・・・気持ち・・・あっん・・・いい・・・」  
と、無意識に言葉が口から漏れる。  
「なんだ、やっぱ、いいんじゃねえか」  
スライの意地悪さを含んだ一言で一瞬我に返るが、挿入される度に全身を駆け巡る刺激の気持ちよさに酔いしれ、考える事を止めた。  
「うふぅん!いい・・・のぉ!」  
「そんなにいいなら、お前のスケベな顔も見せてもらおうかな」  
スライは腰の動きを止めると、肉柱を入れたままルンルンの体を横に180°回転させた。  
回転中にルンルンの膣壁とスライのモノが擦れ、それに対してもルンルンはピクンと反応した。  
天井に向けられたルンルンの顔には、地面の土が僅かに付いている。また、彼女の頬はピンクに染まり、唇は湿り気で溢れていた。  
とろんとした瞼は微妙に潤んでおり、まさに女性の顔でスライを見つめている。  
「なかなかいい顔してんじゃねえか」  
「・・・馬鹿」  
それだけ言うと、ルンルンは視線を横にずらした。  
「へっ、下のお口と違って、上のお口は素直じゃないな」  
先程のスライの言葉を聞いた時、ルンルンの膣口はキュッと締まっていたのだ。  
ルンルンは視線を逸らしたまま口を尖らせた。恥ずかしさと、怒りと、その他言い知れぬ想いで脈は未だかつて無い程の  
早さで鼓動する。  
「さてと、また体で素直になってもらおうかな」  
言うとスライは、再び腰を前後に動かし始めた。  
 
ぷしゅっ!じゅぷ!  
「ああっ!・・・はっ!・・・はっ!・・・」  
ルンルンは両手両足をスライの背中に回し、しっかりと抱きかかえている。  
「お、やっぱこれがいいのか?」  
「はっ!はぁん!・・・う・・・ん、いい・・・んふっ!・・・のお」  
大きな乳房を激しく上下に揺らしながらスライの言葉に応えた。いつもの強い気勢はすでになく、快感に溺れる女性がそこにはいた。  
スライはピストン運動を繰り返しながら、指でルンルンの乳首を摘まんだ。  
「はぁぁっっ!!んんぅん!!」  
ルンルンはビクンと大きく体を反らし、さらに全身を強張らせる。  
「っく、急に締め付けが・・・」  
当然腹部にも多大なる圧力が加わり、膣内で威勢を張る肉棒を締め上げた。  
「も、もう・・・出るぞっ!」  
スライのそれは臨界点を超え、小さく震えている。僅かにではあるが、ルンルンの体内に温かいものが出始めていた。  
「だ、ダメ!中はダメ!赤ちゃんできちゃう!」  
「じゃあ、全身にかけてやるぜ!」  
スライがムスコをルンルンの下口から抜き出すと同時に、亀頭の割れ目から白いゼリーが放出された。  
自慢の黒髪は白く染まり、服から肌、体の全てが精液まみれになった。  
「はあ・・・はあっ・・・」  
天井を仰いだまま呆然としているルンルンは、指で胸辺りの白液を塗りのばしながら、その匂いと感触に浸っていた。  
 
「まあ、これが、ある意味正しいやり方だ。分かったか?お嬢ちゃん」  
突如、身の回りを整え終わったスライが何故かキッチン入口に向かって言葉を投げかける。それに対して、聞き覚えのある少女の  
声が返ってきた。  
「うん、分かった。これが正しい『せっくす』なのね」  
ルンルンが驚愕の念にかられ振り向くと、蝋燭の淡い光に照らされたジュジュの姿がそこにはあった。  
「ジュ!ジュジュちゃん!!?どうしてここに・・・!?」  
ワンピースの胸ボタンを留めるのも忘れ、胸元を肌蹴させたまま問いかける。  
「本だけじゃ、間違った知識を入れてしまうからな。実際に見たほうが早いだろ」  
プカプカ煙で輪を作り、事の説明をするスライ。それを聞くやルンルンの表情が一気に変わっていく。もちろん、怒りのものへと。  
「・・・あ〜ん〜た〜ね〜ぇ〜!!!」  
「おお・・・?」  
史上かつてないオーラがルンルンに集まりつつあった。戸棚の皿たちもその恐怖さにカタカタと音を鳴らし始める。  
「ま、まて、落ち着け」  
「問答無用よ!」  
バチーーン!!  
次の瞬間、スライの左頬に巨大な「もみじ」が出現したのであった。  
 
さてと、帰るわよジュジュちゃん」  
服を整えたルンルンは、ジュジュと手を繋ぎ、洞穴出口へと体を向けた。  
と、思い出したようにルンルンがスライに向き直った。  
「あ、明日のお城の舞踏会、ちゃんと来なさいよ」  
「あ?ああ、そういえばそんなものもあったな。ちっ、めんどくせえ」  
頬を濡れたタオルで冷やしながらのスライは、不機嫌一杯に答えた。  
「たまには顔出しなさいよ。せっかく舞踏会に招待されたんだから」  
「気が向いたら行くさ」  
「絶対、来なさいよ。来なかったら・・・」  
ボキボキと指を鳴らし始めるルンルンに、スライは再び身の危険を感じずにはいられなかった。  
「わ、分かった分かった。行く行く、行くよ」  
「最初からそう言えばいいのよ。さあ、今度こそ帰るわよ」  
そういってルンルンはジュジュの手を引き、総裁の待つ家へと戻った。  
 
しかしその夜、ジュジュは突然コーヒーカップの中に吸い込まれ、旅立ってしまった。ジュジュの言葉から推測するに、  
おそらくニケとククリの元にいったのだろう。  
と、その直後に、家の玄関をノックする者が現れた。闇魔法結社の本部から使いの者がやってきたのだ。  
用件は、ギリに関する古文書の解読のメドが立ったから、すぐに来てくれとの事。  
世界の状況から事態は急を要するので、その夜のうちに出発する事になった。幸い手荷物は特に無く、  
あっという間に支度を整える事が出来た。  
 
外に出ると、大きな三日月が空に浮かんでいた。光は柔らかく草木を照らしている。ふと、ルンルンは森の方へと視線を向けた。  
ほうほうと鳴く梟の声が聞こえるが、真っ暗でそれ以上は何も認識できなかった。  
物悲しげな瞳で何か期待をするルンルンだが、その望みが叶う確率は極めて低いものであった。  
「さあ、行くぞ」  
総裁の無常な呼びかけが彼女に投げかけられるが、森を見つめたままそれに応える事が出来ないでいた。  
あいつの顔が、あいつの匂いが、あいつの声が、足を地面にくっつけて離さないのだ。  
「ルンルン」  
すでに先へ歩き始めていた総裁の更なる催促に、ようやく想いへの見切りをつけ、重い足枷を無理矢理外した。  
そして己の足先を闇魔法結社へと向けて一歩、大地を踏みしめた。  
・・・と、  
「おいおい、別れの言葉も無しで行くのか」  
突然頭上から投げ放たれた言葉に、ルンルンはバッと後ろに振り返り上を見上げる。三日月をバックに、太い木の枝から  
何者かが地面へと降り立って、そのままこちらへと向かってきた。ルンルンには、それが誰であるか、ハッキリと分かっていた。  
「おかしら・・・」  
「ったく、明日の為にわざわざ持ってきたって言うのに、無駄になる所だったじゃねえか」  
「・・・え?」  
ルンルンのすぐ前までやってきてスライは、薄汚れたズボンのポケットからキラキラと輝くネックレスを取り出した。  
「これ・・・」  
「明日城に行くなら、これくらいのものをつけないとな。それに、前の、俺のアヒルの呪いを解いてくれた礼だ」  
少しばかり、スライの表情には照れがあった。ネックレスを差し出す手とは反対の手で、しきりに頭をポリポリとかいている。  
「まさか盗んだものじゃないでしょうね?」  
ジトーっとルンルンは疑いの眼差しを向けた。  
「馬鹿言え!ちゃんと買った物だ」  
 
「ホントに?」  
「ああ」  
スライの答えが返ってくると、ルンルンはそのまま視線をネックレスへと向け、じっと見つめた。  
「・・・これを、私に?」  
「くどいな。他に誰がいるんだ。犬にでもやれってか」  
総裁をチラリと見ながらスライは、ややイライラ口調で話す。  
「ごめん・・・まあ、うちの総裁には似合わないわね」  
そう言って、ルンルンはふふふと微笑を交えた。  
「盗賊の頭たる俺が、変装までして店で買ってきたもんだ。大事に持ってろよ」  
ポンとルンルンの手に渡されたネックレス。スライのポケットに長い間入っていたせいか、柔らかな温かみがそこにはあった。  
ネックレスを再び見つめていたルンルンは、静かに俯いて目を前髪で隠した。  
「・・・うん、大事にする」  
そう発した声には、若干湿り気が含まれていた。  
「用が済んだらまた来い。俺は、いつでもあそこにいる。まあ、捕まらなければだがな」  
「・・・・・・うん」  
ルンルンは、自分の目頭がじわじわと熱くなってきている事に気が付いてはいたが、押さえる事が出来なかった。  
「気をつけて行け」  
「・・・ひっく・・・うん・・・」  
スライと並んで歩いたり、話したり、時に言い合ったり、短かったけれど、今までの記憶が一気にあふれ出して胸を締め付けた。  
もしかしたら、これが永久の別れになるかもしれない。だからあと少し・・・少しだけ・・・スライの傍にいたい。  
足に見えない足枷をつけて、再び地面に降ろしたかった。ずっと・・・、この地で暮らしていたかった・・・。  
でも、ここにいるわけにはいかない、古文書を解読し、すぐにニケとククリに知らせなければならないのだ。世界がギリの手に落ちる前に。  
ルンルンは、無理矢理息を整えて滝のように流れていた涙を一気に拭い去ると、赤くなった目も気にかけずに  
強引に笑顔を作った。そして視線を上げるとスライに対して言葉を送る。  
「あんたこそ、捕まらないように気をつけなさいよ!」  
「ああ、気をつけるよ」  
「よしっ!」  
精一杯の元気な声を絞り出すと、一つウインクを送ってルンルンはスライに背を向けた。そしてそのまま振り返ることなく  
総裁と本部の使いの待つ元へと足を踏み出した。  
 
この世界が平和になった時、またコパールに来よう。その時には、またスライと会って話そう。盗賊になる覚悟だってある。  
だから、伝えよう、今の想い。そう胸の奥で決意し、ルンルンは闇魔法結社へと向かったのであった。  
 
              【 終わり 】  
 

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