ちょうど三日月あたりの夜。
とっぷりと夜は更けていき、みんなが寝静まった頃、ひっそりと蠢く人影が。
「……(みんな、寝てる……よね……)」
ククリだった。
きょろきょろと周りを見渡し、林の方へ駆けていく。
「(こんなところ誰かに見られたら恥ずかしいもんね)」
どうやらトイレらしい。
眠い目をこすりながら用を足す。
と。
がばっ
「きゃあっ!?」
用を足し終わり、ようやく立ち上がったとしたそのとき、ククリの体に後ろから何かが覆い被さる。
同時に、ククリの小振りな胸の上をピンポイントに這い回る感触。
やや荒い吐息。
「…っはぁ、……はっ……」
「……っん!……ぁん、あ、ゆ、ニケくんっ」
「ク・ク・リぃ〜……」
寂しげに頬をすり寄せるニケ。
「もう2ヶ月もご無沙汰だぜ〜?いい加減一人は飽きたぁ〜」
そう言いつつ、右手人差し指でククリの小さな突起をこね回す。
「だってっ……あン、トマ君もジュジュちゃんもいるんだよ?」
「そう言ってず〜〜〜〜っとオレは我慢してきたんだぞ?ずーっと、夜に起きて一人でさぁ〜」
「私だって我慢して、ん、んんぅっ!」
ちゅっ。
ククリの抗議を封じんとばかりに、空いた左手で唇を近づけ、強引に唇を重ねた。
「ん、むぅっ…………………む…ん……」
「ひぅ、んんっ!んん〜ん!」
くぐもった叫び声だけが、風に凪がされ夜空高く散っていった。
激しく舌を絡められ、ささやかな胸を荒っぽく弄られ、
次第にククリ胸の奥が熱く熱く、焦がれてゆく。
「っぷぁっ、ンッ、……そんなことっ、できるわけっ、ないで……ぁあンッ!」
ククリの言葉を遮って、ニケの左手が用を足したばかりのククリの秘所に伸びる。
「……もう、おそい。」
目がマジだ。
いつもだって十分えっちだが、今回ばかりは理性の抑えが壊れる寸前の目だ。
「ニ、ケ、くん……だめ……ひあぁぁっ!」
くちゅ、くちゅ……。
人差し指と中指の2本しか入れていないのに、膣(なか)ではもう、痛いくらい締め付けられている。
内壁を傷つけぬよう、そうっと動かし、優しく出し入れすれば、透明な愛液が見る間にニケの左手を濡らしていった。
「ふっ、あっ!あぁん、やぁっ!だめぇっ!」
ククリの体は、立て膝からあっという間に腰砕けになって、ニケの方へ倒れ込んだ。
そのままニケが抱きかかえ、大木を背に足を投げ出して座り込む。
「ダメって言っても……もうぐっしょりじゃん♪」
指を引き抜いて目の前に翳すと、月の光に照らし出され、露が微かに糸を引いてキラキラと艶めかしい。
その指先に絡みついた愛液を、そっと、吟味するようにニケが嘗めとった。
「もぅ、いやぁ、ニケくん……」
頬を真っ赤にして恥ずかしそうに両手で顔を覆った。
「きれいだよ、ク・ク・リ。」
聞き取れるかどうか、くらいの暖かく小さい声が、ククリの耳を撫でる。
「いやぁっ……」
じゅんっ、と、自らの愛液の奔流が激しさを増す。
一方その頃。
「…………?」
ジュジュが異変に気づいたのは、何かの声を聞いたような気がして目が覚めた時からだった。
「みんなは、どこ?」
ニケもククリも、トマすらもいない。
「…………ぁ……」
「?……何?」
寝ぼけ眼で声のする方へと導かれるようにふらふらと歩いていく。
そこには。
そこには。
「……ククリ……」
「……うん、いいよ、挿れて……」
大木に両手をつき、かわいいお尻を突き出したククリ。
ちゅぐっ。
『……んっ!』
ぢゅ、ずにゅっ!
「あ、ふあァあぁァッッ!!」
ニケが自分の肉棒をククリの愛液にまみれた秘所にあてがったかと思うと、一番奥へと一気に突き刺した。
「く……あ……、うあぁぁぁぁぁぁっ!」
言葉にはとても表しがたいほどの快感に、思わず気が一瞬遠のきそうになる。
御無沙汰だったこともあるが、何よりもキツイ、ククリの蜜壺に肉棒が急激に締め付けられたことも要因だろう。
ククリにとっても久しぶりのセックスは、両方の性感を余計に高まらせていった。
「ニケくん、気持ちい、あ、あはぁっ!」
「ククリぃっ!……っは、ククリぃっ!」
挿入の余韻を味わいながら腰を引き、また勢い良く捩じ込む。
そうやってゆっくりと、ピストン運動のスピードを上げていく。
「…………っ!」
初めて、目撃してしまった。
離れたところからではあるが、あの二人の"行為"を。
「…………クーちゃん……。」
ともだち。
なかま。
かたおもい。
すきなひと。
らいばる。
こいびと。
「そうよね。」
いくらあたしがアタックを仕掛けたところで、あの二人の気持ちは揺るがない。
自分の『好き』は、ニケくんの『好き』とは違うもの。
たぶん、あたしの『好き』は、家族の『好き』みたいなものだと思う。
「そうよ。何の不思議もないじゃない」
当たり前のことだもの……。
踵を返して、2,3歩ほど歩き始めたところでふと、足が止まる。
「(でも、あたしの、この気持ちはどうなるわけ?)」
なんで?
きゅぅっと、胸が苦しい。
「や……」
太腿のあたりのむず痒さに、自らの割れ目に右手を当ててみる。
ぬちゃっ。
「(なんで……あたし、濡れてるの?)」
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ずぱんっ、ずぱんっ
「はぁっ!あん!いいよぉっっ!ぁあっ!きもちっ!いいよぉっ!」
「……はっ、はぁっ、はぁ、ぐっ、う、……っは、ククリ……」
一層激しく、より一層強く、熱い迸りを秘めた腰を、規則正しくをぶつける音で、はっと我に返る。
ニケがククリに覆い被さり、右手でククリの体を固定し、
手持ちぶさたなその左手でククリのささやかな膨らみを揉みしだいている。
火傷しそうなほど熱く硬い肉棒の感覚によがり狂うククリの恍惚の表情に、ジュジュの中で奇妙な感情が芽生えた。
「(や……ぁ……何、これ……)」
ククリの甲高い喘ぎ声と相まって、胸の奥からゾクゾクとした鳥肌が体中を駆けめぐった。
「(……クーちゃん……クーちゃんんっ!)」
心の片隅で、箍(たが)の外れる音が聞こえた。
ぢゅっ、ぢゅ、ぢゅくぢゅくぢゅくっ!
自分の指が、何かに操られるようにして中で暴れ回る。
力が抜けていき内股気味に跪いた。
「(気持ち……いいっ……!)
今まで体験したことのない感覚。
ジュジュが瞬時に果てるには十分のものだった。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!」
服の袖を思いっきり噛み、必死に声を抑えるのがやっとだ。
びく、びくん、びくん、と小刻みに体を痙攣させ、上体をのけぞらせた。
彼女の秘所が愛液を、ぷしゃっ、と地面に撒き散らした。
「ぁ……はぁ……は……」
頬を紅潮させ満足そうに薄ら笑いを浮かべるジュジュ。
「あ、トマく……ん」
ふと横を見ると、目の前の光景に釘付けになっているトマがいた。
こちらもあまり驚きに、全く周りが見えていないようだった。
「あ、ぅ……」
"行為"を覗き見、切なげな表情を浮かべ、赤黒く勃起した肉棒を自らの右手で擦り立てている真っ最中だった。
「あ、あ、あ、あぁっ」
しゅっ、しゅっ、くちゅっ、くちゅ、くちゅ……
そのスピードがだんだんと上がっていく。
透明な前触れの露が、鈴口から止めどなく溢れていた。
「ト・マ・くん♪」
「っ!!」
よほど夢中だったのか、ジュジュが抱きつくまでいることすら知らなかったらしい。
「じ、じ、ジュジュさん、いつの間に……」
「さっきから。」
「……こ、のことは、勇者さんに……は……!?」
トマが振り向いたそこには、今まで見たこともない恍惚の笑顔で同じように自らを慰めているジュジュの姿。
その股間からは、大量の愛液が太腿を伝い素足の爪先へ、あるいはそのまま地面へ滴り落ちていた。
「ねェ……クーちゃんたちがしてること、しよ?」
「えっ…………」
何かが違った。
ジュジュが、ジュジュでないような。
そんな気が……。
考える間もなく、強引に唇を重ねられ、そのまま押し倒された。
「んぅっ!!」
「ん、んんん、んっ…………くちゅ、ぺちゃっ、ぷゎ……ふふっ♪」
「ひぅ………………くちゅ、くちゃっ……っ」
今まで体験したことがない。
激しく舌を絡め合う、熱情的なディープキス。
「ジュジュさんまで何を……」
「トマくんだってしてたじゃないの。えっちなこと。」
「う。」
それを言われたら何も言い返せない。
ジュジュの舌が、トマの唇から首筋、鎖骨と這い回り、乳首まで達した。
「ふふ♪かわいぃ。」
ちゅう、ちゅ、ちゅぅぅっ!
「ぁ……ぁ……」
何ともいえない感覚が頭をかけ巡り全身が粟立つ。
「男の人でも感じるのね。ちゃんと立つし。不思議ね。」
唇を離すと今度は左手で、勃起した乳首を軽く摘み上げた。
「あぁぅっ!」
電流のような快感が、体を硬直させ、ペニスすらも硬化させた。
「何……を……」
「♪それじゃ、いただきまぁす。」
あくまでマイペース。
ジュジュはトマの言うことを聞きもせず、肉棒の先端を口に含んだ。
くちゃっ。
「あっっ……!」
仰向けになっていたトマの体が途端に、びくん、と反応した。
「はぁっ、はぁぅ……」
「ん…ん…んん……」
一気に喉の奥まで肉棒を含むと、そのまま怒濤のような抽送を始めた。
ぢゅるるっ!……ぐちゅっ、くぷ、くぷくぷくぷ、ぢゅるるるっ、じゅぷぷぷっ、じゅぷっ、ちゅばっ、ぐぷっ、ぐぷぐぷっ。
「ふ、あ、あ、あ、」
ついさっきまで、自分で慰めていた肉棒を、ここまで激しく愛撫されればひとたまりもない。
トマの射精感はもうすぐそこまで迫っていた。
「あぅ、も、だめ……射精(で)ちゃいますぅ、ジュジュさん、口、離して……」
ちゅばっ。
「んっ…んっ…………、いいわよぉ、私の口の中に射精(だ)して。かまわないから。」
いったん口から離したペニスを手で擦りながら、あっさりと言ってのける。
「えっ…………ぅあっ!」
再び口腔の奥にくわえ込むと、火傷しそうなほどのスピードで首を振り始めた。
「もう…………ダ……メ……」
ぐちゃっ、ぢゅぶっ、じゅぶ、じゅぶじゅぶじゅぶじゅぶッッッ!!
一方、
「あんっ!あっ!あん!あぁんっ!、もうっ!もぅ……イっちゃうっ!」
「ククリぃ……はぁっ、そろそろ……、イくっ……」
ニケとククリの方も絶頂間近だった。
感じやすくなっている二人の性感は、互いに惹かれあって、同時にそのときを迎える。
ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱん、ぱん、ぱんぱんぱんぱん
「ぅうっ、ククリぃ……ククリぃっ!!」
「ニケ、く、……いっ、ちゃ、あ、はあぁぁぁぁっっ!!」
ごぷっ。
『はぅっ!』
雄の叫び声が二つ。
同時、闇に響いた。
堰き止められていた白濁した迸りが、抑え切れぬ奔流となって一気に解放された。
どくん!
どくどくっ、どくんっっ!
びゅく、びゅくびゅくんっ!びゅくびゅくっ!
びゅくん、びゅくっびゅくっ、びゅる、びゅるるっ……
ニケはククリの子宮に。
トマはジュジュの口腔に。
信じられない量の精液を打ち放った。
「あ、あぅ、はぁぁぅっ!あ、はぁ、っ!」
「……ん…………んぅ……んっ、んっ、んっ…」
「ジュジュさん……」
トマは未だに、目の前の光景を疑っていた。
ジュジュが、自分の精液を……。
(ごくん、ごく、ごくっ)
その喉の動きが、艶めかしく、淫靡に見えた。
「…ぅ……っぷぁ!」
眉をひそめてたまらずペニスを口から離す。
あれだけ飲んだのに、まだその鈴口からは白濁液が漏れ出ていた。
「トマくん、げんきいいわね。」
右手についた精液を舐めとって、ジュジュがにやりと笑った。