「あなたは……そうです! へんたい、です!!」
触手に絡め取られて服だけを溶かされていくクリーミーニア。
ボーイフレンドのシモンとのデートだからと、穿いてきたちょっと大胆なヒモパンを露出させられて、その顔は羞恥に歪んでいた。
そんなニアを前に不敵の笑みを浮かべる男。
まわりのザコ兵(サングラスをつけていたり、ロン毛だったり、サルみたいな顔だったり、双子だったり)は彼のことを艦長と呼んでいた。
「俺が変態? 当たり前だろう」
さもありなん、と言った表情で来ていたコートの懐に手をつっこむ艦長。
取り出したのはイチジク型の――――
「俺を誰だと思っている!!」
かんちょう!! かんちょう!! と叫ぶザコ兵。
真っ青になるクリーミーニア。
艦長は触手に命令してクリーミーニアを逆さまに吊すと、じらすようにショーツのヒモをほどいていく。
はぎ取った下着を懐に収めて、むき出しになったニアのクレパスにそっと指をはわせる。
果汁がたっぷり詰まったゼリーのようなニアの陰唇。そのすぐ上にある朱い小梅を指ではじいてやる。
ビクンッ――とクリーミーニアの身体が跳ねた。
敏感な部分を突然触られて痛いのか、その瞳には涙が浮かんでいる。
「この程度で泣いてどうする? お楽しみはこれからなんだぞ」
艦長はゆっくりニアの白桃のような尻肉を押し開き、中央にあるすぼみにイチジク型のアレを差し込んで――
そのとき、信じられないことが起こった。
*****
「この程度で泣いてどうする? お楽しみはこれからなんだぞ」
艦長の非道な言葉に、『絶対的絶望』という言葉が頭をよぎる。
ニアはぶんぶんと頭を振って弱気な自分を叱咤した。
(ダメです!こんなへんたいに、負けてはダメ!!)
しかし、手足をジタバタさせようとしても、ニアを絡めとる触手はびくともしない。
むき出しにされた哀れなニアの下半身。
柔らかなそこに、なんのてらいもなく艦長が手をかける。
艦長は自分の親指をペロリと舐めると、ニアの菊型のそこにぐりぐりと押し当てた。
「ああああっ!!!!」
(まだ、シモンにも触られたことがないのに!)
ニアは、未だかつてない感覚と、シモン以外の男にそこを犯されたショックで、パニックに陥った。
唾液を指でなじませ、そこをよくほぐしてやる。
夢中になる艦長の耳に、ニアのすすり泣きの声が届いた。
「シモン…シモン……!!」
いつかそこを開発されるなら、シモン以外にいないと、そう思っていたのに。
えっちな行為に、もう少しニアの体がなれてきたら、そのときはそこもシモンに捧げようと。
そうシモンに告げたときの、彼の嬉しそうな顔が走馬灯のように駆け巡る。
自分たちの、そんなささやかでありきたりな約束を、こんなへんたいにめちゃくちゃにされてしまうなんて!!
いやそれ、全然ささやかでもありきたりでもねーから、というツッコミは、今のニアには届かない。
艦長は涙と鼻水でぐずぐずなニアの顔を、憮然と見下ろす。
「…俺もシモンだっつーの」
ボソっとつぶやき、痛みに耐えるように、顔を歪ませる。
しかしそれも一瞬のこと。
すぐに気を取り直すと、イチジク型の例のブツを取り出し、ピタリとニアのすぼみにあてがう。
ひやりとした先端の感触に、ニアの身体が総毛だった。
(やだ!!!)
そのとき、信じられないことが起こった。
シュパっと空を切る鋭利な音。
「うわあっ!」
艦長の手から、イチジク型の下品すぎてとても正式名称を書けないブツが零れ落ちた。
地面に突き刺さった、赤いバラ。茎の先端の小さなドリルが、コンクリートをえぐっている。
続いて、グラサン型のブーメランカッターが、ニアを拘束していた触手をズバズバと切り裂いた。
突如開放され、落下していくニアを、その人は優しく抱きとめた。
ほぼ全裸のニアに、青いジャケットをふわりとかぶせる。
真っ白なツナギ。たなびく赤い腰布。顔面を覆うのは、赤い星型のサングラス。
「誰だ!?貴様は!!!」
全裸のニアにかけられるのは、普通黒い艦長コートだろう!!!
艦長の声にならない魂の叫びを、ドリル怪人たちは感じ取った。
ちゃらららら〜ん、とどこからともなく音楽が流れる。
「一途な乙女の愛の誓い!」
どこからともなく、その人にスポットライトが照らされる。
「踏みにじるヤツはゆるさねえ!!」
どこからともなく、赤いバラの花びらが舞い散る。
「正義のドリルで悪を討つ!!!」
どこからともなく…もうええっちゅうの。
「オレの名は、ソーシレイ仮面!!!!」
仁王立ちで腕組みするその姿は…そう、まるで―――
「なんだ、ただの変態か」
艦長が吐き捨てるようにつぶやいた。
「なんだと!!貴様みたいな、艦長と浣腸なんて親父ギャグつきのセクハラをする変態野郎にだけは言われたくねえ!!!」