「……ん……」  
目が覚めて、ニアは辺りを見渡した。  
知らない場所だった。日がほとんど当たらない地下室のような部屋。  
最低限の家具すらも見当たらない殺風景な空間はどこか心許無い気分にさせる。  
(…ここは……どこ、なの……?私は…)  
頭に鈍器で殴られたような痛みが走った刹那、怒り狂う男の顔がフラッシュバックする。  
(そうだわ…私、お父様の怒りを買ってしまって…それから…)  
記憶を辿ろうとしてみたものの、箱に詰められたところまでしか思い出せなかった。  
「気が付いたか」  
ふいに声をかけられドアの方へ振り向くと数人の男達が部屋に入ってきた。  
見たこともない男達──正確には、このような風貌の者は今までに二人しかしらなかった。  
一人は父親。もう一人は──。  
「…ごきげんよう……。あの、あなた達はだあれ…?」  
ニアの質問に男達はにやつきながら真ん中にいた男が代表して答えた。  
おそらく男達のリーダーに当たる者だろう。  
「譲ちゃんを箱の中から助けたもんさ」  
「私を…?箱から…」  
「ああ。俺達が見つけていなければ譲ちゃんはあの場で間違いなく死んでいた」  
「ありがとうございます…。私を助けて下さったのですね」  
ニアは自分の置かれた状況が把握しきれずに混乱しながらも男達にお礼の言葉を述べた。  
「良いって事よ」と言うと男達はニアの元へ歩みよる。  
暗がりの中でもはっきり分かるくらいに近づいた頃、ニアの疑問はますます深くなった。  
やはり、先程感じたものは気のせいではない。  
「どうして…あなたたちは私と同じ、なの?」  
ニアは産まれてからずっと城の中で過ごし外へ出た事はなかった。  
そこでは父親以外で自分と同じ風貌の者はおらず、  
皆尻尾や牙が生えていたり、毛むくじゃらだったりと多種多様な外観をしていた。  
「おかしな質問をする譲ちゃんだな、こんな大男と譲ちゃんが同じなはずないだろう?」  
「いいえ…同じだわ。あなた達は獣人…ではないの、ですか…?」  
男達は一瞬驚いた顔をし、顔を見合わせた。  
「俺達は人間さ。譲ちゃんと同じ…」  
「…人…間…」  
眉間に皺を寄せ深く考え込むニアは、男達の卑しい目つきに気づかなかった。  
ニアはこれまで城で蝶よ花よと愛でられあまりにも純真無垢に育ってきた。  
その為に屈強な男達に囲まれても、それが意味する身の危険を感じる事が出来ずにいたのだ。  
「譲ちゃん、俺達と楽しい事しないか?」  
リーダーの男が唐突に切り出した。  
 
「楽しい…事、ですか?」  
「そうさ。きっと譲ちゃんは味わったことないような楽しい事だよ」  
「それは一体、どのようなことですか?」  
「俺達だけではできなくて、逆に譲ちゃんだけでもできない事さ」  
「だけど今、俺達がいて譲ちゃんもいる。皆でやれば楽しさも倍だ」  
「楽しさも倍…ですか?」  
「皆ハッピーになれるってこった」  
「それは素敵ですね…!」  
嬉しそうに微笑んでみせる可憐な少女。  
ニアのその、あまりに清廉潔白な笑みに、男達は一瞬己の業を忘れ見惚れてしまった。  
だが、1度火がついた欲望の炎はそう簡単に治まるはずもなく、次の瞬間にはまたごうごうと燃え盛るのであった。  
「では、私はまず何をすればいいのですか?」  
きっかけはニアの言葉だった。  
男達がはっと我に返ると、そこにはもう邪な心を洗うような笑顔はない。  
上目遣いに男達を見つめるその仕草は、逆に男を誘っているようだった。  
無論ニアにはその気は全くなかったが…。  
「そ、そうだなあ、まずは着ている服を全部脱いでもらおうか」  
リーダーの男の後ろでごくりと喉を鳴らす音が微かにした。  
「服を、ですか…?」  
ニアは訳が分からないといった感じに首を傾げた。  
「あの…」  
「譲ちゃんが脱がなきゃ楽しい事はできないんだよ」  
下卑た笑いを浮かべる男達。  
しかしニアは仮にも自分を助けてくれ、自分と“同じ人間”である男達をすっかり信じ込んでいた。  
「わかりました。脱げば良いのですね?」  
ニアは脱ぐという行為に疑問を感じつつも躊躇のない様子で脱ぎはじめた。  
小ぶりではあるが形のよい胸、引き締まったウエスト、  
はりのある小さな尻が徐々に露わになっていく。  
男達はニアのあられもない姿を存分に視姦していた。  
そして、ついには一糸まとわぬ姿になった。  
「すげぇ……」  
「…こりゃ、想像以上だぜ…」  
「ああ、堪んねーな」  
男達が感嘆の声を上げる。  
人間が父親と自分の他にいない王宮で王女として大事に育てられ、性に関しての知識はまるでないニアだったが、  
物心ついて以来、湯浴みの世話をしてくれる獣人以外の前で肌を晒す事はなかった。  
 
湯浴みでもないのに産まれたままの姿でいることに、言いようのない感情の疼きが巻き起こる。  
それが羞恥心であるという事をニアは知らない。うっすらとピンク色に染まっていく白い肌に  
男達の欲望の眼差しが容赦なく突き刺さる。  
(何故かしら…心臓が凄くドキドキいっているわ……)  
だが、周囲の男達はそれだけでは許してはくれなかった。  
「かわいい胸だね〜。まだ男も知らないんじゃないか?」  
不意に胸をつかまれて、ニアはビクッと震えた。柔らかい乳房に、男の指が沈み込む。  
「ははっ、脅えちゃってるよ〜。こりゃ処女だな、処女っ!」  
「しょ…じょって、なんですか…?」  
「くくく、男を知らないってことさ」  
「男を…?知らないってな」  
男はニアが言葉を最後まで言い切るのを待たずに自らの膝の上に座らせた。  
ニアは驚きながらも地肌に伝わる感触に懐かしいものを感じた。  
(──お父様───)  
父の温もり。よく腕に抱いてくれた温かさがじんわりと滲み、自分の体温と一つになって溶け出す。  
急に失ってしまったそれが再び自分の元に降りてきて、高揚と込み上げてくるものを止められなかった。  
「…これが楽しいこと、ですか?」  
切なさと嬉しさが入り混じったような想いに声が上擦る。  
けれど、ニアのそんな心境など男達にはどうでも良いことだった。  
「ああそうだよ、これからもっともっと楽しくなるからな」  
そう言って後ろから両の手で胸をつかみ、首筋に舌をはわせた。  
「ひゃうっ」  
思わず漏れた声にニアは戸惑いを覚えずにはいられなかった。  
自分ですら聞いた事のない声──。  
男は所々強く吸い、痕をつける。首筋にたっぷりと唾液をつけ、耳へと目標をかえる。  
「何を…なさるのですか、こ…これは…」  
「だからこれが楽しい事だよ」  
「これが…?」  
ニアが混沌としている間にも男の愛撫は休むことなく続く。  
耳たぶをかるく噛み、耳朶の中に舌を入れる。ねっとりとした、執拗な愛撫だ。  
同時に、両手で胸を揉みしだく。手のひらで包むように揉み、親指と人差し指で乳首をつまむ。  
小さな突起は勃起して敏感になっていた。  
(何…変な感じが…)  
妙なむず痒さを覚える。それが快感の前触れであることを、ニアは知る由もない。  
男の手が片方、胸を離れて下腹部へとのびる。薄い繁みをかきわけ、ニアの秘処へと到達した。  
(そ、そんなところまで……)  
自分でも触れたことのない箇所へ、男の愛撫が開始された。きっちりと閉じられた入り口を、男の指がほぐす。  
襞にそって指をはわせると、僅かに花弁がひらいてきた。  
(ん……どうして…?…があつい……)  
男の指はひらいた箇所へとうつった。しっとりと濡れたそこを男の手がなぞると、内部から液が滲み出てきた。  
男はわざと激しく音をたてた。  
(あ……くちゅくちゅって音が……)  
いつの間にかニアの頭から父親の事は消え去っていた。  
 
男の指に翻弄され悶え喘ぐその姿は城にいた頃のニアとは別人のようだった。  
乳首と秘処を同時に愛撫され、ニアの頭の中は真っ白に染まっていく。  
頬は赤くそまり、だらしなくあいた口からは熱い吐息がもれていた。  
(…あつ…い………)  
男はニアの膝を持ち上げた。ニアの秘部が周囲の男達の目に晒される。  
「すげぇ……ぐちょぐちょだぜ……」  
「つい先程まで何も知らなかった癖に……とんだ淫乱女だな……」  
(…いん…ら…ん…?)  
男の口から発せられる言葉の意味も分からず、霞がかった頭の奥でぼんやり反芻した。  
自分の身体の震えが快楽から来ている事にさえ気づいていない。  
男の指が濡れぼそった内部へと侵入を開始する。膣は愛液を潤滑油として男の指を中に招きいれた。  
(あぁ……な、中でうごめいている……)  
自分の体内に侵入される――ニアにははじめての感覚だ。  
指は内部の襞をかきわけ、最深部まで達した。  
きつく口を閉ざした子宮口のまわりをなぞると、ニアの体にえもいわれぬ心地良さが広がった。  
(なに、この感覚……)  
(あぁ……き、きもちいい……)  
男はニアを膝に乗せたまま、自らのズボンをずらし、一物を取り出した。  
小さな脈動がニアの太ももに伝わる。  
(あぁ……何?…あつくて…かたい…)  
ニアのうっすら残された意識が太股の付け根付近に集中した。  
直後、男は周囲に見えるようにわざとニアの両足を高く掲げて、肉棒の上におろした。  
「ふぅぅっっ!!」  
男達の見守る中で、ニアの処女膜に亀裂が入る。血と愛液が男根をつたう。ついに、膜を突破して内部へと侵入した。  
指とは比べものにならない侵入感に、ニアの体はしびれていた。  
(いたい……あつい……もう……)  
肉棒は処女襞の強烈な抵抗にあいながらも、深部へと進んでいく。  
男がニアの体を抱えた手の力を抜くと、ニアは自らの重みで肉棒に貫かれることになった。  
「あぁぁぁっ!!」  
男根はニアの子宮の入り口にまで達していた。亀頭部が子宮口をこじ開けようとばかりにうごめく。  
ニアは脳髄まで痺れるような感覚にひたっていた。  
「ほら、動いてみろ」  
男が腰で突いてうながす。  
「動くって……どう…するの…ですか…?」  
「腰をふるんだよ、上下にな。さっさと動け。」  
ニアは恐る恐る腰をうかせた。肉棒が膣から引き抜かれ、膣壁がこすれる快感と、破瓜の痛みが体を駆け巡る。  
もう一度腰をしずめると、知らず知らずのうちにニアの口から熱い声がもれた。  
「はぅぅぅっっ……」  
男達が見つめる中、ニアは懸命に腰を動かした。膣に男根が出入りする様子は、周囲の男達に丸見えである。  
男達はいきりたつ一物を自らの手でしごいていた。  
いつの間にかニアの秘処は愛液で溢れ帰り、抽出もスムーズに行われていた。  
(…ああ……どうして…止まらな…)  
ニアは腰を振り続けた。性への知識はなくとも何となく自分がいけない事をしているような気分に駆られながら、  
夢中で振っていた。  
だけど何故その行為をやめられずにいるのかニアには分からなかった。  
自分の意識がこんな風におぼろげになる事は今までなかった。  
快楽に支配されるという感覚を、ニアは今始めて知ったのだろう。  
不意に、体内の肉棒がひときわ大きくなるのを感じる。  
(――――?)  
次の瞬間、ニアの奥底で大量の精液が放出された。  
「あぁぁぁっ!!」  
(中に…中に、何か)  
ニアの膣内が精子で溢れかえる。処女の秘肉は非常にも肉棒をきつく締め上げ、最後の一滴まで搾り取ろうとする。  
小さくなった男根を抜くと同時に、多量の精子が膣からあふれた。  
ニアは男にもたれかけるようにしてぐったりと項垂れ、浅い呼吸を繰り返した。  
息がこんなに荒くなる事は生まれて始めてだった。  
だが、ニアには息を整えている暇などなかった。  
 
男がニアを膝の上から床に下ろすと、周囲の男達が一斉に群がった。  
みな、射精直前の一物をニアへとむける。  
ある者は白い手を取って肉棒を握らせ、またある者は白い乳房に男根をこすり付けた。  
一番幸運な者はニアの唇をこじ開け、口内へと侵入する。  
突然いきり立った肉棒を呑まされ、嘔吐感に襲われる。  
だが、男はかまいもせずにニアの頭をおさえつけて喉奥で射精した。  
「んぐっっ、ぐぐぅぅっ!!」  
(…苦し…息が……)  
口内に精液が溢れかえり、むせそうになる。だが、男はニアの頭を抱えて離さない。  
どうすることも出来ずに、ニアは男の精子を飲みほした。  
ニアは目に涙をためていた。胃の隅々まで精液で穢される。この精子が消化、吸収して、体の隅々まで行き渡るのだ。  
男は最後の一滴まで喉奥に注ぎこみ、ようやくニアを開放した。  
「げほっ、ごふっ……」  
口内に匂いが充満している。だが、ニアの口を狙っている男は後をたたない。また、次の男が唇をこじ開けた。  
他の男はニアの指で、髪で肉棒をしごいてニアにむかって射精した。  
その整った清純な顔も、髪も、体も男達の精液でべとべとになる。もはやニアの体は全身から精子の臭いをさせていた。  
一人の男がニアの体の下に潜りこみ、膣へと男根を挿入させる。  
「ひぁぁっ!」  
(あぁ、また、また入ってきたぁ……!!)  
愛液と精子であふれかえる膣口は、男の一物をたやすく受け入れた。  
内部に潜入すると、待ち構えていた肉襞がねっとりとまとわりつく。ニアの膣は男を悦ばせようと締め付けていた。  
「あふぅっ、あっ、んっ、はぁぁっ!!」  
ニアのあえぎ声がもれる。その声は官能の響きに彩られていた。だが、その唇もすぐに他の男の一物によって占有される。  
(あぁ、なに…これは…ああっ――)  
命令されたわけでもないのに、ニアは再び腰をふっていた。  
肉棒が膣壁をこするたびに、全身に快感が走る。強い締め付けに屈し、男はニアの体内で果てた。  
再び膣底で射精感を感じる。ドクドクと精子が注がれるたびに、快感の波が押し寄せる。  
だが、まだ絶頂に達するにはいたらなかった。  
「あぁ……もっと……もっとぉ…、やめないでぇ……」  
ニアは自ら男達に懇願した。  
「はぁ、本性をあらわしたな……淫乱なお譲ちゃん」  
「今、とびっきり凄いのをくれてやるよ」  
 三度、ニアの下に男が潜り込む。今度はニア自ら挿入した。  
「――っっ! きも…ちいいよぉ…」  
ニアはすぐに腰を動かしはじめる。だが、後ろから腰を抱えられ、上体を前に屈めさせられた。  
(…………っ!!)  
一人の男がニアの菊門に男根をあてがい、挿入を試みた。  
膣から溢れ出た愛液と精液が菊襞にまとわりつき、肉棒の侵入を手助けする。  
ついには、ニアは肛門内部にまで男根を受け入れてしまった。  
(…そんな…っ…そんなところにまで……)  
ニアはそのような行為があることを知らなかった。  
これまで男女の営み所か、父親と自分以外の同種の存在を知らなかったのだから当然だ。  
今、ニアの下半身は膣と肛門の二箇所をたくましい肉棒で貫かれている。  
それぞれ違う箇所から侵入した男根はニアの肉壁を通じて互いの存在を認知した。  
膣襞と肛門壁、それぞれがぬめりをもって棹にからみつく。菊門は裂けんばかりに押し拡げられ、  
膣口は溢れる蜜でいやらしい抽出音を奏でていた。  
(あぁ……私の中に、ふたつも……)  
(中でゴリゴリってして……すご…い…!!)  
ニアは二穴から送られる刺激に全身を震わせていた。  
膣底を叩かれるたび、菊門をこすられるたびに痺れるような快感に貫かれる。  
「あぁ、ダメ…ッ…もう……もう……」  
ニアの子宮が縮みあがる。  
「ダメ、だめっ…く、くるの、なんか来るのぉぉぉ!!」  
ニアの子宮が震えた。同時に、膣と肛門内に精子があふれ出る。  
子宮口に精子を噴射され、直腸にまで精液を放出された。  
今までに感じたことのない絶頂に、ニアの意識は遠のいていった。  
 
 
体の隅々まで汚され、ニアはだらしなく身を横たえていた。  
男達は行為のあと気を失ったニアを置いてどこかへ行ってしまったようだった。  
(…私……なぜ、あんなに……)  
自分でも信じられない。信じられないほどの狂喜。  
城で寵愛を受けていた頃には、欠片さえも味合うことなかった未知なる感覚。  
ニアの体にしっかりと残されていた性行の痕。その余韻に再び身体が疼き始める。  
(足りない…もっと………)  
自身の秘所におそるおそると手を伸ばした。  
先程まで男達のものを喜んでくわえ込んでいた箇所。  
(…もっと…もっと…)  
そこに触れ指を沈み込ませようとして、手が止まる。  
突然ニアの意識に舞い戻ってきた存在がニアを制止したのだ。  
今1番思い出したくない存在が。  
(──お父様…)  
怒らせてしまったのはそう遠い日の事ではないのに、ニアにはやけに昔に感じた。  
(…私は何故、箱に詰められていたのですか……?)  
(お父様はもう…私を許して下さらないのですか……?)  
(お父様は私をよく抱いてくださったけれど…あのように…触れてはくれませんでしたね…)  
ニアが手に力を入れた途端、無意識の内に指が秘部に吸い込まれていく。  
(…これは、いけないこと……なのですか…?)  
すっかり乾ききっていたそこは徐々に潤み水音を奏で始める。  
(…お父様…私は…どうして……)  
指を出し入れする速度が上がり、ニアの呼吸も次第に乱れていった。  
一心不乱に己の中を掻き回すニアの姿は、官能よりも悲壮感の方が強く漂っていた。  
(お父様…お父様…お父様お父様お父様…)  
 
頬を熱い雫が伝っても、二アは自分が泣いている事に気がつかなかった。  
 

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