館内の電灯よりも明るい、満天の星の光が宇宙の海に輝いている。  
艦首は色とりどりの星の光に照らされ、わたしは幾度も見てきた筈なのにその光景に言葉を失った。  
「そんな珍しいもんでもねえだろ、いつも見てるじゃねえか」  
と、傍らの彼がささやいた。  
「それでも、この角度からこの光景を見れるのは、今だけです」  
彼は、「そんなもんか……」と言ったきりまた星を眺めてしまった。  
右手でコアドリルをもてあそびながら、真っ黒なコートを行儀悪く寝たまま羽織った。  
すると、ゆるゆると艦首一帯に深緑の輝きが満ち始めた。  
それを皮切りに、艦内のあちこちから眠そうなクルーたちが現われ、持ち場に着いた。  
「ブータぁ、そろそろ全員そろったか?」  
不意に、だらけていた彼が叫ぶと、どこから現われたのかブータさんが後ろに立っていた。  
「リーロンさん以外は、全員そろいました」  
「そうか、じゃあそろそろ始めるか」  
彼は大きくあくびをすると、車のドアを飛び越えるようにラガンから艦首に降り立った。  
その姿には先ほどのような倦怠感は無く、ただ白めの勝った凍りつくような瞳が星を睨んでいた。  
「ブータぁ! 敵、情勢はぁ!」  
「十二時、一時、四時の方向より、数分後にワープを確認。それより五分おき、無量大数規模の戦艦を確認しています」  
圧倒的戦力差である。  
かたや無量大数、かたや巨大戦艦一隻。どう考えても戦局は劣勢。  
それでも――。  
「上等ォ! 相手にとって不足はねぇ! やるぞ、ブータァ!」  
もてあそんでいたコアドリルを右手で握り締めると、拳の中から溢れ出した螺旋力が艦首を照らした。  
「行くぜ! グレンラガン、スピンオン!  
――俺を誰だと思ってやがる!」  
優しい銀河の歌が、耳鳴りのように響いていた。  
 
 
俺から三メートルほど離れたところで、ダリーは星を見ている。  
なにがそんなに楽しいのだろう。  
もう宇宙に出てからかなりの時間が経っているし、それまでの間に目に焼きつくほど宇宙を見続けたはずなのに。  
それなのに、今も彼女は爛々と目を輝かせながら星を見つめている。  
まるで舞い落ちる雪を眺める子供のように、今も彼女は手に入らないものを追い続けているのかもしれない。  
そう考えると、彼女に何かをくれてやりたくなった。  
俺は黒いコートをなびかせながらラガンから飛び降りると、彼女の傍に寄った。  
彼女は俺を見定めるととろけるような笑顔を浮かべ、また星を見上げた。  
「欲しいものとか、無いのか?」  
そう尋ねると、彼女はころころと笑って俺のコートの襟を掴み、包まるように俺に抱きついた。  
「この間、一番欲しいものが手に入ったんです」  
よくわからなかった。こんな宇宙の辺境で今更手に入るものなんて無いのに。  
「シモンさんは多分、わたしが言うまで判りません」  
そう俺の耳元でささやくと、彼女は頬ずりするように俺の胸元にもぐりこんだ。  
アレを抱くときには考えすらしない肌のぬくもり、何故だかそれが心地よくて、俺はダリーを優しく抱きしめた。  
「それ、俺も手に入るかな?」  
彼女はまた俺の方を見上げると、宙に浮くように緩やかに俺の唇に口付けした。  
「きっと、いつかダリーがシモンさんに上げます」  
 
黒いコートの中にダリーを包みながらラガンの中で抱き合うと、一人ぶんの肌のぬくもりがやけに心地よかった。  
ダリーの頬は早くも朱色に染まって、歳不相応の色香を発している。  
彼女のうなじに顔を埋めながら優しく彼女の胸をまさぐると、動悸が激しくて少し、指が動きを躊躇した。  
「シモンさん、はやく……」  
少し首をひねって、彼女が俺にささやく。  
俺はその声に押されるようにしてゆっくりと指を動かし、彼女はそれを受け入れてくれた。  
少し、小さいのだろうか。  
比較対象がヨーコだから多分それは失礼だろうけど、同年代で見ても小さいほうではないだろうか。  
だが、そのぶん感度がいいらしい。  
始めてからまだ三十秒も経っていないのに、早くも胸には取っ掛かりが出来ていた。  
そこを重点的にこするようにして触ると、彼女は俺の耳元で悩ましげな溜息を何度もついた。  
「はぁ……シモンさん、気持ちいいです」  
俺は何故だかその言葉が嬉しくて、余った片手で彼女のことを強く抱きしめた。  
彼女もまた自分のことを強く抱きしめているその手に自分の手をかさね、撫でるようにさすった。  
「……ダリー」  
何故だか、不意に彼女の名前を呼びたくなった。  
「ふふ……何ですか、シモンさん」  
意味なんて無かったんだから、答えようも無い。  
だから俺は言葉の変わりに両手で彼女を抱きしめ、滑らせるようにして彼女の秘部に手を添えた。  
彼女は一瞬驚いたように身体を強張らせ、それから身体をひねって俺の耳元に軽く口付けした。  
その瞬間、今まにないような感覚が俺の体中を走り、動悸が激しくなるのを感じた。  
俺は衝動のままに彼女のそこに指を差し込んだ。  
「ん! んんうぅ」  
彼女はまるで、愛しいものでも扱うかのように何度も何度も締め付けてきた。  
俺はまた動悸が激しくなり、彼女を深く抱きこむとむさぼるように口付けた。  
「はむっ……、んんぅ!」  
くぐもった矯正を上げる彼女を、俺はなお強く抱きしめた。  
「ふぅ! んんぅうぅ!」  
一際深く指を差し込むと、彼女は俺の口深くに舌を突き入れて俺の舌をねぶった。  
加速的に下半身から響く音が大きくなり、それに比例するように彼女は腕と舌を俺に絡みつかせた。  
「ひゃっ、あぁあぁああぁぁ!」  
不意に彼女は、俺の口付けを解くと一際大きい矯正を上げ、俺にもたれかかった。  
俺はそんな彼女を後ろから強く抱きしめ、無抵抗となった彼女の秘部に自分を差し込んだ。  
「あぁあああぁぁあぁあぁぁぁ!」  
呆然としていた彼女は強い衝撃で不意に覚醒し、同時に少し涙ぐんだ瞳で俺のことを睨んだ。  
「痛かったのか」  
俺は、少々怯えながら言った。  
「そうじゃなくて……、奥までいきなりだったから」  
それだけ言うと彼女は自ら身体をよじって俺の方に向き直り、涙が滲んだ目で美しく微笑んだ。  
もう一度、俺の心臓が痙攣したように暴れだした。  
俺は自分の胸を彼女の胸に押し付けるようにして彼女を抱きしめると、彼女もそれがわかったように俺の背中に手を回した。  
「シモンさん、――動いてくださぁい」  
俺は飛び出しそうになる心臓を押さえ込みながら、じゃじゃ馬のように下から彼女を突き上げた。  
「んっ、ひゃ、ひゃん!」  
彼女はその度に甲高い叫び声を上げ、その度に俺のことを強く抱きしめた。  
「ダリー。……ダリー!」  
意味も無く彼女の名前を呼ぶと、腹の底に不思議な熱が沸き起こった。  
彼女は優しく俺の頭を抱きしめて、自分の胸に俺を押し当てている。  
それが――、堪らなく嬉しかった。  
俺はスパートを掛けるように動きを激しくし、彼女もそれに呼応するように激しく動いた。  
「シモンさん、シモンさん……シモンさぁん!」  
壊れたように俺の名前を呼び続ける彼女の奥に、俺は強くそれをうちつけた。  
「あ……ああぁあぁあぁあ。シモン、さぁん!」  
彼女はそう叫んでより強く俺の頭を抱きしめ、俺もまた彼女の中に自分の精を出しきった。  
彼女の肌のぬくもりが、嬉しかった。  
 
 
 
航海日記  
 
ダリーと一緒に星を見た。  
何故だか判らないけど途中から彼女を見ると鼓動が早まった。  
初めてヨーコに会ったときと似てる。  
でも、兄貴が死んじゃったときも、こんな感じがした。  
風邪でもひいたのだろうか。  
判らないけど、ダリーと一緒にいると、なんだか幸せになる。  
 
 

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