いつものように、生徒達の授業の様子を見て回る為校内を練り歩くロージェノム校長。  
しかし今日は、やたらと生徒の姿が目に付いた。  
求めるまでもなく、廊下ですれ違った生徒からは震える口調でこれは美術の授業で、各々自由行動でスケッチやデッサンを取っているということを説明された。  
ふと、後ろから感じた怪しげな気配にロージェノムは振り返る。  
愛する娘を奪った穴掘りシモンか、それとも学園を支配し絶対的絶望を与えんと陰で企むアンスパ理事長か。  
どちらにしろ全力で潰す気だったが、警戒とは裏腹に背後に立っていたのはスケッチブックを手にした少年(のような心の持ち主)だった。  
まるで想い人にラブレターを渡すシャイで夢見る乙女のような表情で、彼はスケッチブックの一ページを開く。  
やたらゴリゴリした風景画が描かれたページの丁度中央、そこには真っ白で何も描かれていない空間があった。  
「校長先生、絵のモデルになって下さい!」  
学ランの胸元に記された『すしお』の三文字、そして握り締められた4Bの鉛筆。  
「ほほう…」  
ロージェノム校長が如何にも楽しげな表情を見せると、その視線に射竦められたすしおの手からスケッチブックが滑り落ちる。  
落ちた衝撃で捲れたページにはいつ描いたものか、校長の姿が所狭しと描かれていた。  
久々に感じたものに、内側から沸き立つ螺旋力を抑えきれるわけもなく、ロージェノムのスーツは内側から膨らみ解れて量子分解されていく。  
邪魔になったそれを脱ぎ捨てて、ロージェノムは叫んだ。  
「よかろう!その言葉を…待っていたァ!」  
(省略されました。続きを読むにはマッスルマッスルと入力しても返事がない。ただの文字列のようだ。)  
 

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