矢張り身体がだるい。  
 
登校はしたものの、昨日までの疲れが取れない所為か  
午前の授業が終わるとすぐに、ヴィラルは保健室へ行く事にした。  
 
「あらぁ〜〜ん、いらっしゃ〜〜い」  
ドアを空けた途端、妙に艶かしい声が耳に入った。  
ヴィラルが苦手としている、保健医のリーロン先生だ。  
今日はあの娘はいないのか、と、内心溜息をつき、  
仕方なくその苦手な保健医に現在の症状を伝えた。  
 
「此所で暫く横になればすぐに治るとは思うのですが」  
ヴィラルは保健室のベッドを少し借りるつもりだったのだが、保健医はそれを断った。  
「御免なさいね、今はベッド空いていないのよ。  
シーツを全部クリーニングに出しちゃって〜〜。  
ホラ、こんないい天気に具合が悪くなる子なんて居ないでしょ?」  
 
ヴィラルは顔を顰めた。いつ何があっても良い様にベッドは常に用意して  
おくべきではないのか?平日に全部クリーニングなんて有り得ないだろう?  
……それよりも、そのいい天気に具合が悪くなって此所へ  
転がり込んだ俺は一体なんなんだ。  
 
様々な疑問符が頭を駆け巡ったが、ヴィラルは敢えて黙っていた。  
体調が悪い今、生理的に苦手なこの男(女?)と議論はしたくない。  
第一この恐ろしく頭の切れる保健医相手に理屈で敵わない事は解っている。  
 
そんなヴィラルにはお構い無しに、リーロンは鍵のかかった戸棚の奥から  
一包の薬を取り出した。  
「でもあなた、運がいいわよ。丁度良いお薬が手に入ったの。  
滅多に手に入らない漢方薬でね、これを飲めばすぐ元気になれるわ。」  
そう言うと、見るからに苦そうなその薬を飲む様に促した。  
「この薬は少し眠くなるから、午後の授業はお休みして今日はもう帰んなさい。  
早退願は私から出しといてあげるから」  
薬を飲み、保健室を出たヴィラルはそのままふらふらと教室に鞄を取りに戻り、  
そのまま下校する事になった。  
 
「でもそのお薬、ちょ〜〜っとした副作用があるのよね〜〜」  
校門を出てゆく彼の姿を見て、リーロンは悪戯っぽく微笑んだ。  
 
目が覚めると既に陽は西に傾き、皆下校を終えた時刻になっていた。  
寮の自室へ戻り、一眠りしていた彼は、少し体力を取り戻した気がした。  
しかし、いまいち気怠さが抜けない。  
矢張り熱があるのか、と体温計を取りにベッドから起き上がった所で  
玄関の呼び鈴が鳴った。  
 
クラスメイトが今日の授業のプリントを届けにきてくれたのかと  
ドアをあけると、そこに立っていたのはあの保健委員の金髪の少女だった。  
しかも学校帰りの制服姿ではなく、可愛らしい私服姿だった。  
わざわざ一度自宅へ戻ってから、訪ねてくれた様だ。  
 
「えっ!あっその……ど、どど、どうして此所に……!?」  
寝起きでパジャマ姿のヴィラルは、それでも必死に身なりを整えようと  
衣服を整え、指で髪を梳いた。その慌てた姿が可笑しかったのか、彼女は  
クスリと笑った。  
 
保健当番の彼女が放課後、リーロン先生にヴィラルの話題を切り出した所、  
早退した事を伝えられたらしい。では見舞に行くと告げると、ならついでに  
プリントやら何やらを届けておいて欲しいと頼まれたのだという。  
ヴィラルは戸惑いつつも、彼女自らが自分の話題を切り出し、  
見舞を買って出てくれた事がたまらなく嬉しかった。  
 
ヴィラルは彼女にお礼を言うと、建物の玄関前まで見送ろうとした。  
しかし彼女は夕食を作っていくから、と、持ってきた食材を差し出してきた。  
 
結局彼女を自室に招き入れ、夕食を作ってもらう事になった。  
 
ヴィラルの部屋は、流石は風紀委員といった所か、男所帯とは思えない程  
整然としているのだが、それでも彼は、こんな事ならもう少し綺麗に掃除を  
しておけばよかった、などと考えていた。  
 
キッチンから暖かい匂いが漂ってくる。  
ベッドに横たわったヴィラルは、キッチンに立つ彼女の後ろ姿を眺め、  
新婚生活というのはこういうものだろうか、それも悪くないな、などと  
束の間の幸せを感じた。  
しかし次の瞬間には、いやいやそんな不埒な事は考えてはいかん、と思い改め  
顔を真っ赤にして布団に埋めた。  
 
その時。  
彼の奥底から、今までに無い何とも言えないどす黒い欲望が芽を吹き始めた。  
 
何だ?顔が熱い。顔だけでなく、身体全体が火照っている。  
彼女が部屋を訪れる前から、決して体調万全ではなかったが(もっとも  
その万全ではない体調のお陰で彼女に訪ねてきて貰えている訳だが)  
今日は何かがおかしい。  
 
次第に息が荒くなってきたヴィラルに、彼女が気付き、調理の手を止めて  
彼が横たわっているベッドに歩み寄ってきた。  
どうしたの?具合が悪くなったの?と顔を覗き込まれると  
その姿と声に反応して、血流が一気に下半身に流れ込んだ。  
ヴィラルはようやく、この熱の正体が何なのかを理解した。  
 
慌てて「大丈夫だ、少ししたら落ち着くから気にしないでくれ」と答えたが、  
先程に比べて明らかに顔色が悪い事を彼女に隠す事は出来なかった。  
彼女は、顔を背けようとするヴィラルに更に近付き、熱でもあるのかしらと  
彼の額に自分の額を軽く当てた。  
 
密着する額。すぐ目の前に彼女の顔。  
やわらかな髪の香り、感じる鼓動。  
彼女の吐息が鼻先に触れた時、彼の理性が吹き飛んだ。  
 
ヴィラルは力任せに彼女をベッドに押し倒し、彼女の唇に自分のそれを押し当てた。  
彼女の柔らかい唇の感触が彼の本能を支配する。そのまま舌が彼女の口内に割り入り、  
彼女の舌を舐り、貪る。  
「んっ……んん……!!」  
呼吸もおぼつかず、苦しそうに藻掻く彼女を、ヴィラルは構わず蹂躙し続けた。  
ヴィラルの股間に、時々彼女の柔らかい太股が当たる。その度に彼の半身は怒張し、  
痛い程に脈打った。  
ヴィラルは更に彼女のブラウスに手をかけると、そのまま引き千切るかの様に剥いた。  
ボタンが飛び、白いレースの下着が露になる。  
更にスカートの下に手を伸ばし、弄り掛けたその時。  
 
彼女の啜り泣く声が耳に届き、ヴィラルはようやく理性を取り戻した。  
そこには衣服を乱され、下着を露にして恐怖に怯える彼女の姿があった。  
それは言うまでもなく、ヴィラル自身が彼女にしてしまった行為の結果であった。  
 
「……すまない」  
ヴィラルは小さく呟いて、そっと彼女から身を離した。  
この一言を絞り出すのが、今の彼にとっての精一杯だった。  
 
大切に思っているはずの彼女が、せっかく見舞に来てくれたと言うのに  
俺はなんて事をしてしまったんだろう。悔やんでも悔やみきれない。  
 
「今日は来てくれてありがとう……でも、もう帰ってくれないか。」  
ヴィラルは額に脂汗を浮かべて、震える声で言葉を紡いだ。  
心の底から反省はしていても、一度火のついた身体は簡単には鎮まらない。  
今彼女に触れたら、今度は間違いなく取り返しのつかない行為に及んでしまうだろう。  
必死に彼女の姿を見まいと、俯いたまま言葉を続けた。  
 
「見ての通り、俺は非道い男だ。これ以上君に傍に居られたら俺は何をするか解らない。  
いや、何をするかは解っている……君にも解るだろう。だから、済まないが、今日はこれで……」  
 
不意に、あの時のカミナの話を思い出した。  
ヴィラルが嫌がる彼女を陵辱し尽くすという、下品極まりない妄想話を。  
その時はあの男が堪らなく許せなかったというのに、今はどうだ。  
全くもってあの男の言う通りじゃないか。  
軽く自嘲すると、焦点の定まらない瞳から涙が溢れてきた。  
 
学園生活のほんの一時でも、彼女の笑顔を見る事ができれば  
それだけで幸せだった。そんな生活がいつまでも続けばいいと思っていた。  
なのに、その均衡を自ら壊す事になろうとは。  
 
今この時、彼女がドアを開けてこの部屋から出てゆく。  
そしてもう、二度とあの笑顔を見る事は無いだろう。  
いや、もう彼女に会う事すらできないに違いない。  
そんな絶望感が、彼の心を暗く覆っていった。  
 
ヴィラルは項垂れたまま、彼女が部屋を出てゆくのを待った。  
 
だが、扉が開閉する音はいつまで待っても聞こえなかった。  
代わりに暖かい感触が、彼の背中を包み込んだ。  
 
彼女に背後から抱きしめられ、彼ははっとした。  
そしてふわりとした髪のいい匂いと、暖かい体温を感じた。  
彼女はヴィラルの体に腕を回し、耳元で囁いた。  
 
さっきはびっくりして、思わず泣いてしまってごめんなさい。  
あなたになら何をされても構わない、だからそんな顔はしないで。  
 
彼女はそう言うと、彼の正面に向き直り、頬を伝う涙にそっと口づけた。  
桜色の唇が優しく啄む様にヴィラルの頬を伝い、やがて彼の唇へと辿り着いた。  
 
彼女の口づけは、柔らかく、優しく彼を慰めた。  
彼女は腕を彼の首筋に回し、また彼も彼女の腰を抱きしめた。  
そしてそれは次第に激しく、欲情を増して絡み合い、  
互いの吐息を分け合った。  
 
先程と同じ様にベッドに押し倒された彼女の表情に、もう恐怖は無かった。  
ただ愛しい人を見つめる暖かい眼差しが、そこにあった。  
 
ヴィラルは、おそるおそる彼女の衣服の残りのボタンを外した。  
更に、肩に掛かっている下着の紐を解くと、白い乳房が露になった。  
肌の色も、形も、思った以上に美しい。  
しかし脱がせてはみたものの、どう触れていいのか解らず逡巡していると、  
彼女はそっとヴィラルの手をとり、自分の胸に当てた。  
 
柔らかい。そして暖かかった。直接触れあう肌の感触は、掛布越しに  
感じた先日の時とはまるで違う。  
手のひらにすっぽりと収まった双丘を転がすと、ヴィラルの意のままに形を変え、  
その度に彼女の微かな甘い声と吐息が漏れた。  
その声をもっと聞きたくなって、彼はその薄紅色の頂点に、唇を寄せた。  
そのまま舌で先端を転がすと、彼女はそのざらりとした濡れた感触を  
敏感な部分に感じ、思わず「ひっ」と悲鳴にも似た嬌声を上げた。  
ヴィラルがその声に怯んで、唇を離そうとすると、  
彼女はやめないで、と、言葉の代わりに彼の頭を抱きかかえ、体をよじった。  
 
ヴィラルの愛撫は次第に慣れ、指と唇とが上半身から徐々に、やがて全身を這い回り、  
衣服をすべて剥ぎ取られる頃には、秘部はすっかり濡れそぼっていた。  
そして、彼自身も、自らの分泌液で濡れ、猛っていた。  
 
ヴィラルは彼女の秘部に自身を宛てがい、一気に突き入れた。  
初めて男性を受け入れる彼女は、その熱さと力強さに戸惑い、苦痛に顔を歪めかけた。  
しかし、そんな表情を見せてはまた彼を困らせてしまう、と、その苦痛を隠すかの様に  
精一杯の笑顔を浮かべた。  
愛しい人に抱かれ、一つになれるのならこれ以上の幸せは無い。  
そう思えばこそ、浮かべられる笑顔だった。  
 
ヴィラルは自身を膣奥まで埋めると、今までに無い、言い様のない感覚が  
電撃の如く彼の背筋を走った。  
ゆっくり腰を浮かせ、また深く沈めると、くちゅ、といういやらしい音を  
立て、結合部からは愛液が滲み出た。  
その膣壁と肉棒が擦れる快感に、彼はもはやその欲望に抗う術を失っていた。  
 
ヴィラルは、肉欲の赴くままに、何度も彼女の身体を貫いた。  
貫く度に、その美しい乳房が揺れ、顔は紅潮し、声が漏れる。  
初めの頃は痛みを伴っていた様だが、その声は次第に嬌声に変わっていった。  
彼はその嬌声をも吸い尽くさんばかりに、唇を重ねた。  
 
優しく、そして激しく愛しあう二人に、やがて絶頂が訪れる。  
愛しい彼女の膣内で猛るヴィラルの分身が、より一層怒張したかと思うと、  
その中に自身の欲望をありったけ放った。  
 
二人は倒れ込み、部屋は再び静寂に包まれた。  
ベッドの上には、愛し合った証の白濁色と紅色の染みが  
あちこちに散らばっていた。  
 
結局、夕食どころではなくなってしまっていた。  
 
ヴィラルはめちゃくちゃにしてしまったブラウスの代わりに、自分のシャツを貸し与えた。  
シャワーを浴び、着替え、まともな身支度を整えられた頃には、すっかり日が暮れてしまっていた。  
 
ヴィラルは、彼女を家まで送る事にした。  
病人なのに外出なんてしちゃだめよ、と言われたが、暗い夜道を  
女性ひとり歩かせるわけにはいかないと、共に部屋を出た。  
 
しかし、道中は二人とも、気恥ずかしさのあまり顔をあわせる事が出来ない。  
ただ、お互いの手をそっと繋いだまま、路地を歩いていった。  
ヴィラルは何度も彼女に謝罪の言葉を繰り返した。握った手に僅かに力が籠る。  
彼女はそれに応えるかの様に握り返してくれた。  
 
彼女の家が次第に近付いてきた。あの路地を曲がればすぐ、という所に差し掛かると、  
もう大丈夫、と、彼の方へ向き直った。  
ヴィラルが別れ際にもう一度、もう何度繰り替えしたか分からない謝罪の言葉を  
告げようとした時、その言葉を彼女の唇が遮った。  
 
今日は本当にありがとう、嬉しかった。  
口づけ、暫し沈黙ののち彼女はそう言うと、照れる様に小走りで家に帰っていった。  
ヴィラルの唇には、甘い残り香が漂っていた。  
 
 
数日後、ヴィラルはようやく体調を取り戻し、登校すると  
朝一番に保健医のリーロン先生に出くわした。  
 
「おひさしぶりね、具合は良くなったかしら?風紀委員さん」  
リーロンがいきなり話し掛けてきた。  
「どう?彼女、いい娘でしょ?」  
 
不意にこの保健医の口から彼女についての話題が出た。  
ヴィラルは呆気に取られつつも、彼女について聞いてみた。  
 
「彼女、あなたの事気にしていたわよ。体調はどんな具合なのか、  
何を食べさせてあげれば元気がでるか、とか色々ね。」  
更にリーロンは、彼女について意外な事まで話し始めた。  
「他にも色々聞かれたわ。どんな服装がいいかとか、お化粧の事なんかも。  
あなたの事が気になっているみたい。あんまり熱心なもんだから  
あたしも応援したくなっちゃったって訳。恋する乙女には弱いのよね〜」  
 
リーロンのくねくねした動きが気になって、今一つ話を集中して聞く事が  
出来なかったが、とにかくあの少女も自分に好意を寄せてくれていた事と、  
この保健医のお陰で彼女との距離が少し縮まった事は理解出来た。  
ヴィラルは心の奥で、この保健医に感謝した。  
 
「所で言い忘れてたんだけど、実はあの薬にはちょっとした副作用があってね」  
リーロンは急にヴィラルに近付き、小声で耳元に囁いた。  
「一時的だけど『あっち』の方も元気になっちゃうのよ」  
「すぐ治まったとは思うけど、間違っても彼女に変なコトしなかったでしょうね」  
 
次の瞬間、ヴィラルは硬直した。  
今改めて事の原因を知ったのだ。彼女にあんな淫らな行為をしてしまったのは  
自らの欲望のみが招いた結果ではなく、あの時の薬の所為だったと。  
更にこの保健医は、そんな薬を盛った上で、彼女が見舞に行く事を承知していたのだ。  
間違いなく故意犯だ。感謝なんかして損をした。  
 
ヴィラルは怒りに震え、持っていた鉈に手を掛けたが、振り上げる事が出来なかった。  
相手が先生だからではない。ここで怒りを露にしてしまえば、実際に彼女に手を出した事を  
自ら知らしめる様なものだ。この保健医、そこまで計算した上で罠に掛けたという訳だ。  
 
ヴィラルは改めて思った。この保健医だけは矢張り苦手だ。  
 
そこへ、更に追い討ちをかけるかの様に、今一番会いたくない男がやってきた。  
学園内の風紀を乱す諸悪の根源、カミナだ。弟分のシモンも一緒に居る。  
「いよう!久し振りだな風紀野郎!!」  
いつも好きな時間に登校してくるこの男が、何故今日に限ってこんなに朝早くから  
学園に顔を出すのか。ヴィラルが露骨にバツの悪そうな顔をすると、  
薮から棒に話を切り出してきた。  
「んで?彼女とはどこまで行ったんだ?」  
 
一体何処から聞きつけたのか、この男の地獄耳は本当に鬱陶しい。  
彼女がお前の部屋に見舞いに行った事くらい、このカミナ様はとっくにお見通しよ!  
といった顔で、彼はヴィラルの顔を覗き込んだ。  
「朝っぱらから悶々とした顔しやがって。いいから言っちまえよ、スッキリすんぜ?  
あれ、ひょっとして本当に俺が考えてたみたいな事に……」  
「下劣な貴様と一緒にするな!俺は貴様が考えるよりもずっと大切に彼女を扱ったぞ!  
しかも彼女はむしろ……」  
 
そう言いかけてハッとした。だが気付いた時にはもう遅い。  
この男の誘導尋問ともいうべき話術に、まんまと嵌まってしまった。  
カミナが『してやったり』という顔で、にんまりと笑みを浮かべた。  
 
「……シモン!今のヤツの言葉、聞いたよな?」  
「えっ?兄貴、どういう事?」  
「わっかんねえかな〜。要するに『経緯はさておきヤル事ぁヤッちまった』って事よ」  
ヴィラルは顔を真っ赤にし、今度こそと鉈を振り上げてカミナに食って掛かっていった。  
「カミナ貴様!謀ったな〜〜〜〜!!!」  
カミナはその攻撃をかわし、更に大声で語りかけてきた。  
「いいじゃねえか、兄弟!話してみろよ、このカミナ様が聞いてやろうじゃないか。  
どんな風にそこに至ったかを!事細かになぁ!」  
「貴様に兄弟などと呼ばれる筋合いは無あぁ〜〜〜〜い!!!!」  
 
 
放課後、いつもの様に無数の生傷を作り、保健室の扉を叩くと、  
いつもの彼女が暖かく迎えてくれた。  
優しく微笑みかけてくれた、いつもと変わらない彼女の笑顔は  
今までとはどこか少し違って見えた。  
 
-- 終 --  
 

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