「アンタはワタシの話の何を聞いていたんだい一体!!」
「ヒッ…お、お許し下さい!アディーネさm…先生ぃぃ!」
「返事と挨拶だけは威勢の良いっ……そんなんだから号令係しか務まらないんだよっ!」
「ウガッ…、俺は学級委員です…いだっ…!」
「何をしているんだ、アディーネ!先生…」
教室の隣にある準備室、ヴィラルの悲鳴と共に鞭のようなもので叩く音が響き渡った。
正義感の強いシモンは思わず、教室を飛び出して準備室に乗り込んだ。
「何ってシモン。コイツはねぇ、テストで8点なんて点数を取ったんだよ?」
「ああ、それは酷い」
アディーネの前で土下座するヴィラルを見下した目で見る。
「クソっ…何だその目はシモン!アウッ…すみませんアディーネさま……」
そうか、テストなんてものがあったな。
と思い出していたシモンは一応上位の成績なので、あまり成績発表の日を気にしていなかった。
「あぁそういえば、アンタの彼女も結構酷い点数を取っていたけどね」
「何だって?」
「見てくればいい、張り出しの紙をさ」
この学園はテストの成績が廊下に張り出されるという、古典的な馴染みが残っている。
「たーっぷりお仕置きしなきゃねぇ、シモン。こないだみたいに調教するんだよ?」
「調教…」
「貴様っ!こないだって何のこ……
「ニアーーーっ!!」
走り出した廊下の先に、ニアはいた。
その前には成績発表の紙が張り出されている。
ニアに声をかけようとする前に、成績を確認すると…。
いた。かなり下の順位にニアの名前が。
「あらシモン」
「ニア。テスト…」
シモンにとってはニアの成績が良くても悪くても気にはしないが、あまりにも下の順位に気にかけずにいられない。
「駄目ね、習ってないものが出ると」
「あっ…」
そう。ニアはまだ転校して一週間も立たずに、テストを受ける事になった。
頭が悪いという事ではなく、単純に習っていない範囲が多過ぎただけなのだ。
「…そうか。そういう事か…ははは」
「もう!今、私がばかだと思いましたね?」
「違う違うって。そっか〜…そだよね…」
自分の事のようにシモンはほっとした。
本当の意味で成績が悪い訳じゃないと分かって。……だが
『調教・お仕置き』
この言葉が頭から離れなかった。
「あ、あのさニア。良かったら分からないところ、教えようか?」
「えっ…それは助かります!」
「じゃあ今日うちに来るか…?」
シモンは両親が居なく独り暮らし。
女の子を家に連れ込むなど、後にも先にもない事だ。
「お邪魔しますね」
育ちが良いのか、脱いだ靴を玄関の隅にちゃんと揃えるニア。
いつもなら脱ぎ捨てるシモンも、慌てて揃えた。
「これはこうなるから…うん、それで合ってる」
「本当ですか?ありがとう、シモン。あなたの教え方が上手だからよ」
テーブルを挟んでテキストとノートを広げ、それはものすごく健全な光景。
約束は約束だからと、とりあえずは勉強を教える事に真剣に取り組んでいた。
元々もの覚えの良いニアは、教えられた事を吸収するのは早い。
「すごいぞニア、大体範囲終わったよ。覚えが良いんだなぁ」
テストで出た範囲の所はあっという間に吸収してしまった。
「今日の勉強はここまでにしようか?ニア」
「はいっ」
そう、勉強はここまで。
それから先、調教とかお仕置きとかは…一体どうすれば良いのか。
調教・お仕置きとまではいかないが、今のシモンのレベルで出来る事は…。
「……」
ほえ…と、ニアはぐるっとシモンの部屋を見回していた。
当のシモンはというと、勉強から気持ちが切り替わったのか、シャツ一枚のニアの体をチラチラ見ている。
付き合ってはいるものの、部屋に二人だけ。
という状況を改めて思うと…ムラっと体が疼いた。
「ニ…ニア。まだ他にも教えたい事が…」
絞り出された声。
「うん?」
「男女が付き合う為に必要な事で…!」
手に汗を滲ませながら、苦し紛れにそっちの方向に持って行こうとする。
「…やろう!」
「?」
単刀直入すぎた。急いで言い直す。
「俺が色々教えてあげるから、だから何ていうか、ニアとやりたいっていうか!」
「…?…はいっ!」
「えっ?いいの?」
分かっていての返事ではないようではある。が、
「はい。よくは分かりませんけど…シモンが教えてくれるっていうのなら、私は色々知りたいの」
「本当…?いいのか?」
何よりも下半身の欲望の方が勝って、自分のおかしな発言に責任を持つ事など出来ない年頃なのだ。
二人の間を挟んでいたテーブルはすでに無く、お互い正座をして向き合った。
慣れない男女の光景というのだろうか。
「じゃあニア、いくよっ…」
「はいっ!……きゃっ!?シ、シモンっ?胸を触るのが教えるという事なんですか??」
驚かせないようにそっと胸を触ったつもりだったが、いきなり胸を触られて驚かない女などはいない。
「っていうか、こうすると気持ちよくならない…か?」
ニアの胸は手からは少しはみ出る大きさ、ヨーコ程ではないがそこそこの大きさだった。
指を一本づつ動かし、揉むには丁度良い大きさ。
揉んでる本人が気持ちよくなってくる。
「わっ…分かりませんけど…、変な気分です…シモンっ……」
ニアは腰をくねっと捻らせる。
今味わっている感覚に戸惑いを覚えるかのように。
「服、ごめん」
とだけ言って、ボタンを外し手を服の中へ覗かせ、肌の感触を探るシモン。
あたたかい、あたたかい、やわらかい。そんな言葉しか浮かんでこない。
「ひぁっ…、シモン…っこれ、これ何…?私変になりそうなのっ…」
前かがみになり、シモンの腕をぎゅっと掴んで体を預けるニア。
「ニア…、ニアっ…!気持ちいい?それが気持ちいいって言うんだ…っ!」
「これがっ…気持ちいい…?シモン…私気持ちい…いです…、…あぁんっ!」
指一本一本で胸の感覚を味わいたい。その本能でしか指は動かない。
ニアの顔をふと見ると、唇がぷるぷる震えている。
その唇が更に、シモンの欲望が震えた。
「ぁ…!?ふっ…んっ…、んーっ!!」
ニアの唇は想像以上に柔らかかった。
そして舌も柔らかく、自身の舌でいじりたい、いじめたくなった。
クチュっ… ちゅば… クチュ…
互いの舌が絡み合い、唾が混ざり合う音を出していた。
「ンっ…、モンっ……!」
「ん…、ァ…、ニァっ…。気持ちいい…?」
「シモン…!いいです…気持ちいいのっ…」
唇を離すとツツ、と唾が橋を渡った。
「ニア…っ、もっと気持ちいい事教えるから…!」
ニアのスカートをたくし上げて、太ももを強引に開かせる。
「あっ…!何を…シモンっ…!?」
「ニアは気持ちいい事もっと知りたくないのか?大丈夫だ、俺がちゃんと教えるから」
何も知らない少女にこんな事を言っている時点で、シモンは犯罪人の一歩手前だ。
そして己の顔の前には、ニアのつぼみが隠れている下着がお目見えした。
人差し指でつついてみると、クチュっとすでに濡れているのが分かった。
「やっ…!?な…何っ…!?」
「ニア、やらしい。もう濡れてるぞ」
「ふぁ…!?舌…シモン舌…!?ん、ん…っ…!!」
この匂いを何と例えたら良いのだろう。
普通なら良い匂いではないのだろうが、今のシモンにとってはその匂いがいとおしく、いやらしく感じる。
だからそれを自分の舌で味わいたかった。
「ぃや、いや…シモンだめっ…!気持ちいいけどだめ…、あん…ぁんっ…!」
舌だけしか挿入なくても、ニアは自分から腰を振ってくる。
振るというよりも、モゾモゾ動いている感じに。
「気持ちいいなら大丈夫だろう…?だからっ…俺も…!」
ニアだけじゃない、シモンのそれもすでにぐちょぐちょに濡れていた。
それをそのままにしておくことなんて出来ない。
ニアが気持ちいいのなら自分ももっと気持ちよくなりたい。
「シモ…ん…それ…。何…いれるの…?」
「もっともっと気持ちよくなるから、だからニア!そのまま俺の教えに従ってくれ…!」
「はぁんっ!!ゃ…、ぃやあっ…!!シモンっ、シモンっ…!!これ…何ですかっ…!?」
「ニアっ…いい…、これ気持ちい……んっ!」
「…シモンのうちまで着いてきたかと思えば、何覗いてるのよバカ!!」
「(シーッ!!大声出すと気づいちまうだろ!!)」
庭の窓からこっそり、カーテンの隙間から覗き見をしている男がそこにいた。
「畜生、何なんだあいつらは!しかし…何だ…結構いい体してるっつーか……いだだ!!」
ぎゅーっとカミナの耳を引っ張るヨーコ。
「馬鹿……私の方がすごいのに……」
自分の方に構ってくれないカミナに少し嫉妬をみせた。
「ヨーコ?…馬鹿野郎!女は胸が全てだ!」
「ちょっ!?何言って…ひゃっ!?どこ手ぇ入れて…ぁ…、いやぁ!こんな所でっ…」
「大丈夫だ!最初は指で慣らすからよ!」
「そんなの頼んで…、ゃ…んっ…、カミっ…あ、あっ…!!」
今日も天気は快晴、雨はしばらく降りそうになかった。