「ヨーコさん、お願いがあります」  
 
ヨーコの目の前には、ふわっとした短い髪の可愛らしい少女、ニアが立っていた。  
「お願いされるの二回目ね。何、聞くわよ?」  
そう、二回目。一回目はあの時。3ヶ月前にニアが髪を切ってくれと言った時だった。  
(あれから3ヶ月か。ニアの髪も少し伸びてきたわね…)  
そんな事を思いながらヨーコはニアの肩下まで伸びた髪を見た。  
「男の人を…シモンを喜ばせられる事を教えて下さいっ!」  
「ハ…?」  
ニアの目は真っ直ぐに真剣な目だった。  
 
(シモン…男が喜ぶっていったら……。でもでもそんな事まだこの二人には早いって!)  
ヨーコはつい、喜ばせる事=エッチを連想してしまった。  
「あー…そうねえ……」  
「私、シモンに助けられてばかりでした。だからせめてシモンを喜ばせる事してあげたいんです!」  
そうは言われても、もうヨーコの頭の中は破廉恥な事がまとわりついて離れなかった。  
「えーと…」  
 
「おーい、ヨーコ!」  
 
天の助け!とヨーコは思った。  
「あら…キタンさん?」  
「な、何よー!?」  
向こうの方から聞こえたキタンの声に、ヨーコは聞き返した。  
「ヨーコさん、どうぞ行って下さい。私のは急ぎじゃありませんから」  
「そ…そう?」  
「はい。お時間のある時に教えてくれると嬉しいです」  
ニアはニコッと笑った。  
内心悪いなと思いつつ、今はキタンの助け舟に感謝するばかりだった。  
 
(…私だってまだそんなのした事無いのに)  
頭の中でエッチな事が思い浮かんでも、経験の無い事を教えられる程ヨーコは器用ではなかった。  
(でもでもいつかニアが、エッチな事を教えて…って聞いてきたとしたら…?)  
ヨーコの体の中がモゾっとした。  
意味も理由も無い。だが何かが湧き上がったのだ。  
(バカバカ!私のエッチ!スケベ!)  
本当なら今頃、十倍返しという名の経験が済んでる筈だったのに…と、ある人の姿を思い出していた。  
 
「よっ、悪いな」  
「なーによ?呼んでおいてろくでもない用事だったら承知しないわよ!」  
いつもと変わらない二人。  
図々しい態度とか、どことなく似ている…とキタンの姿にカミナをかぶせていた。  
「コレさ…運ぶの手伝って!」  
キタンが指した先にはガラクタの山。鉄の屑や諸々。  
「ちょっ…、女に力仕事頼むってどーいう事よ!」  
「いやさ、ロシウがあと一時間で片せってうるさいワケよ。ところがシモン達男性陣はだーれも居なくてさ」  
「ああ、そうでしょうね。他の皆は、頭の悪い誰かさんを置いて今会議中よ」  
「なにぃ!?ロシウの野郎!チビガキのくせに俺を邪険にしやがって!」  
くすっ、とヨーコは苦笑いした。  
(アイツもバカだったけど、アイツはアイツ。コイツはコイツなのよね)  
「いいわよ、但し倍返しだからね」  
「助かるぜ!」  
この時、倍返しという言葉に深い意味は無かった。  
 
 
「はーっ、片付いたわね」  
先程まであったガラクタの山はすっかり片付いた。  
「おう、サンキュな」  
「…」  
「よし、俺のオゴリでうまいもんでも食いに行くか!」  
「そうこなくっちゃ!」  
 
 
《臨時休業》  
と書かれたボードが店のドアにかけられていた。  
 
「な、何だとぉ〜!?」  
キタンがさっきのおかえしという事で張り切って連れてった飲み屋だった。  
「ま、仕方ないわよ」  
「この近くはまだ他に何も無かったしなぁ…」  
申し訳なさそうに当たりを見回す。  
「手伝ってくれたのに…ワリィ」  
「……ねえ、違う倍返しでいいわよ」  
「あん?」  
「キタンはHって…した事ある?」  
「んなっ!?」  
(バカバカバカバカ!何聞いてんのよ私っ!!)  
二人の顔は茹で蛸のように真っ赤に染まった。  
「もももっ…もちろんあるに決まってるだろっ!」  
明らかに嘘をついている焦りようだが、この時ヨーコはそこまで突っ込む余裕は無かった。  
「おっ…教えてくれない…?私に…」  
もう自分で何を言ってるのか分からなかった。  
でも体は何かを求め、ウズウズしてたまらなかった。  
「ヨ…ヨーコ…さん?」  
「いっ…嫌ならいいわよ…」  
 
物置きの隅、書類があるだけで埃っぽいといった事は無かった。  
「じゃ…いくからなっ…!」  
そう言った途端、ヨーコが上に着ていたものをバッと脱がした。  
「ちょっ…!デリカシーないわね!もっとそっとやるものでしょ!?」  
「うっ…。元々下着みたいな格好だから別にいいだろーがっ!」  
少しの沈黙。キタンの目の前には豊満な胸があられもない姿で、手を伸ばせばすぐ触れるところまで。  
「っ……!」  
上だけだが裸になっているんだと気付き、どうしようもない恥ずかしさがヨーコの顔を赤面させる。  
「わ…ワリィ。あの…じゃあ、いくからな…」  
グイグイっと、まるでうどんをこねるような手つきで、その豊満な胸を揉みだす。  
「いった…、バカ!もっと優しく揉みなさいよ!」  
「ああ!?あ…すまねえ」怒鳴りはしたものの、初めて男に胸を揉まれているんだという事実に、本気で怒る余裕は無かった。  
「こう…するのよ」  
キタンの両の手を取り、こうやってやるんだと揉まさせる。  
「うっ…」  
「んっ…。…ど…どう…?」  
「お、おう…柔らかい……な…」  
キタンも勿論女の胸を揉むなんて事は初めてだった。  
夢なのか現実なのか分からない。だがあそこが立っているのだけは事実だった。  
 
(…!)  
ヨーコはキタンのそれが立っているのに気付いた。  
 
胸を揉まれただけであそこもぐっちょりしてるのが、自分でも分かっていた。  
(入る…のかしら?うん…入るんだよね…)  
ヨーコはキタンのズボンを脱がした。  
「ぁ…おうっ??」  
「多分…ならさなくても入るから…」  
ヨーコも自身の下着を脱ぎ捨て、秘部に肉棒を当てさせた。  
「ヨっ…ヨーコっ…」  
太ももの内側を、ツツーと垂れ落ちる白いもの。  
何もしなくても十分入りそうだ。  
「いくぜっ…」  
「ひぁっ!!?」  
ズンっと勢いよく何かが入ってきた。  
初めての経験にヨーコはびっくりした。  
「やっ…いた、いたいっ……!!」  
「あ?」  
「バカ!も…もう少し慎重に入れなさいよね!ムードも何もないの!?」  
「わ…ワリィ…」  
でもやはり、本気で怒っている訳では無かった。  
「こ…こうするのよ…」  
ヨーコはキタンの両の手を取り、自身の腰に当てさせ、ゆっくり腰を動かすよう促した。  
「ンアっ…」  
結局は誰が教えているのか分からないままこんな調子で、二人の気が済むまで物置の扉は閉ざされた。  
 
 
 
数時間後  
 
「ヨーコ!」  
通路でばったりと、シモンと鉢合わせ。  
「あっ、シモン、えーと…会議ご苦労様」  
「今度さ、カミナシティのシンボルとして………」  
まだ早いけどいつかはこの子の女の子、ニアもさっきのヨーコとキタンみたいに−−―。  
そのニアの相手、目の前にいるシモンはまだヨーコよりも背は低いが…  
(でも今のシモンのだって…すでに十分機能してるのよね…)  
「ヨーコ?顔赤いよ」  
「なっ、何でもないわよ!」  
勿論シモンの話など耳に入ってなかったのであった。  
 

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