「ダメ…そんな…とこ  
、…触っちゃ…」  
恥じらい俯く姿にぞくりと戦慄が走る。  
白い肌を露に、涙を浮かべる妖艶な瞳。  
なだらかな肌をそっとなぞる度に吐息を溢し震える姿が、愛しい。  
「嘘つき。本当はもっと触って欲しいくせに」  
耳元で、わざと意地悪く囁いてみれば、頬に紅がさして。  
硬く目を閉じるのは拒絶の印…?それとも────  
「やめて欲しい?」  
この問いかけが意外だったのか、目を見開いて困惑の表情を浮かべた。  
肌を何度も往復する指の動きは自然に焦らすものへと変わっていく。  
「…どうする?嫌なら今すぐやめるから」  
「やめ…ちゃ……」  
────嫌だ。そう言おうとしているのは明らかだった。  
思わず口元が弧を描く。  
ふふ。  
「可愛い」  
呟きと共に滑らかな肌…ロシウの額の上においた指に、ぐっと力を込める。  
「…ああ…っ…キノン…!」  
瞬間体をのけ反らし甘い鳴き声をあげた。  
顔は恍惚に歪み半開きの唇が何とも色っぽい。  
ああ…。  
普段は副総司令として凛と立つ彼のこんな姿にを、私以外の誰が知ると言うのだろう…。  
先程まで擽るように触れていたロシウの額を激しく擦る。  
「ダメ…キノン…!こんなの…激しすぎる…よ…」  
「まだよ。本当に凄いのはここから…」  
「でも…ちょっと、ヒリヒリしてき…た…ああっ…あ」  
私はロシウの額を擦り続けた。擦って擦って、夢中で擦り続けた。  
まるで何かに取り付かれたかのように…。  
 
 

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