ダリーが部屋一人読書をしていると、ギミーがいつものようにひょっこりと訪れた。
「…また来たの?ギミー」と呆れたようにダリーは言い、
「素直じゃねーのな。俺の事、待ってたくせに」とギミーはからかうように言う。
「別に待ってなんかいませんー」舌をべっと出し言うダリーに苦笑しながらもギミーは近づいていく。
本当素直じゃないな、俺が扉から顔を出した瞬間、すげー嬉しそうな顔したくせに、と思いながら。
だけどギミーにはそんなダリーが堪らなく可愛く思えた。
──うっかり鍵をかけ忘れて着替えを始めたダリーの部屋に、
ギミーが訪問してしまった事が全ての始まりだった。
その時から二人の身体の関係は始まった。
よく見るとダリーの頬は微かに赤らんで見えた。
それを隠すかのように俯き読書を再会しようとしたダリーをギミーは本ごと抱きしめた。
驚いたように顔を上げギミーを凝視するダリー。頬の色味が増し、はっきり赤くなっている事が分かる。
「ギ、ギミー…」
「…ヤバいな。…その表情、癖になりそう…かも」そう呟くとダリーに唇をそっと重ね合わせた。
最初は優しく触れるだけだった口付けが何度と角度を変えながら次第に深まっていく。
いつの間にかダリーの持っていた本は床に落ちていた。
ギミーの右手がダリーの胸に伸びた所で「待って!」と制止の声が入る。
「…駄目…ギミー…これ以上は…皆に…気づかれちゃう…」と息も絶え絶えにダリーは訴えた。
息は荒く、瞳には涙がじんわりと浮かんでいる。
そんなダリーから顔を少しだけ離し、真っすぐ見据えるギミー。
「本当に嫌なら、俺の事…もっとちゃんと突き放せよ」と、熱の籠もった真摯な声で言うと暫くして
「──…ギミーは…ずるい…よ……」とダリーは俯き答えると、戸惑いがちにギミーの背中に手を回してきた
それを合図にギミーはダリーをその場に押し倒した。
首筋にキスを落とすと甘い吐息が零れる。
「ダリー…可愛い…」
再び唇にキスしようと顔を近づけたギミーの頬にダリーはそっと手を添えた。
「…ギミー…、大好き…だよ…」
照れたような、だけど妖艶で綺麗なダリーの表情に、ギミーは一瞬固まったかのように動けなくなってしまう。
──…ずるいのはどっちだよ…。
ギミーは何故かダリーに負けたような気分になりながらも、目の前の色づいた唇をそのまま奪った。
そして…
ロージェノムとすしおはほうじ茶を啜っている。