「あッ」  
 
いつものようにカミナと一緒にラガンの中に乗り込んでいるヨーコ。  
いつものように夫婦喧嘩をしながらギャーギャーわめいていたら  
態勢が崩れて、カミナの顔面がヨーコの胸に埋もれるかたちになってしまった。  
 
「・・・・・!」  
真っ赤になるヨーコ。  
態勢を整えようにも、身動きがとれない。  
「ちょ、ちょっと早くどきなさいよッ 馬鹿!変態!!」  
 
カミナはそこから退くどころか、その豊満なプリプリの胸の中へ  
さらに顔を埋めていく。  
「やッ 何やってんのよぉ!」  
 
「据え膳食わずは男の恥っていうだろぉがぁ!!」  
 
どうやらカミナは沸点に達してしまったようだ。  
己の歯でヨーコのブラの紐を咥えて横にずらす。  
ヨーコの胸がプルンと震え、片方だけブラが外れてしまった。  
そこにカミナの舌が伸びていく。  
 
「ちょっと!やめなさいよ馬鹿ぁ!!」  
かろうじて右手のみ動かせる態勢で  
ヨーコの平手打ちが炸裂する・・・・・・・ことはなく  
カミナの力強い手で、ヨーコの手首は拘束されてしまった。  
 
「しばらく、おとなしくしてろ」  
カミナの口でヨーコの唇が塞がれてしまった。  
 
 
 塞がれた口の奥から声を漏らすヨーコの舌を捕えるように、カミナはその口内を嘗め回した。  
獣のコミュニケーションのようなそれにヨーコは暴れ、ライフルに手を伸ばすが、指先は空を切る。  
見れば、カミナの手には細長い銃身が握られていた。手癖の悪さは知っていたが、ここまでスマートに  
してやられるのは腹が立つ。舌を噛んでやろうかと思ったところで顎を掴まれ、それも不可能になった。  
 グレンの中は空間としての広さこそあるものの、複数名の人間が一緒にいられるような性質の  
ものではない。底面積が圧倒的に少ないのだ。だからいつもヨーコはカミナの座るコクピットの  
ヘッドレスト部分に腰掛けていたのだが、それは、足場の悪さを致命的にする。踏ん張りが  
利かなければ行動は制限され、いつもならば殴ってもライフルをぶっ放しても離れてしまえる  
はずの距離が、どうしようも出来ない。  
 
 んべっ、と舌を出して、カミナはヨーコから口唇を離した。サングラスの奥の眼がギラリとして、  
今度は胸に噛み付いてくる。しかもブラから零れた方へではなく、まだ辛うじて隠れている方へだ。  
布地越しに染み込んで来る唾液の感覚に、ヨーコの背筋がぞくりと震える。同時に胸も、ぷるりと揺れる。  
 
「こッこんなの、シモンたちに見られたらッ……」  
「あん? 見られたらどーだってんだ、何か問題あるか?」  
「大有りよ、気まずくってやってらんないでしょーがッ!! ヌメリブドウカバみたいな図体で  
 頭の中は入ってないの、ちょっとは想像しなさいよッ!!」  
「頭ン中はすっからかんでも胸にゃあ熱いハートがギンギン、なぁにが問題あるってんでぃ!」  
「大有りだって言ってる人の話を聞けーッ!! っふゃ!?」  
 
 叫んだ隙に、カミナの無骨な手がヨーコの柔らかい胸をゆっくりと包み込んだ。ささくれ立って  
骨ばった男の手と柔らかい女の皮膚は触れ合うだけでも互いの性感を無意識に煽る。普段の  
粗暴さとは違った手付きでの愛撫に、ヨーコは口唇を噛んで眼を閉じた。緊張に固くなった背中を  
ぺしぺしと叩き、カミナはくしししっと喉で笑う。年上には見えないようなガキの顔だ、ヨーコはボカッと  
その頭を殴る。動じずに、カミナはヨーコの細い腰を支えた。そのままぐるりと反転させて、ついでに  
脚の間に腰を下ろさせる。  
 ぐいぐいと引っ張ってブラを直し、胸を隠させる様子に、しかしヨーコは安堵はしない。  
一度スイッチが入ってしまったからには、途中で放り出すことなどこの男はしないだろう。  
妙なポリシー、投げ出さない。ならばこの状況、どうするつもりだ。何を、どう。  
 
「聞かれるってんなら黙ってりゃ良い、見られたくねぇってんなら誤魔化しゃ良い、  
 お前がそーしたいってんならオレ様だって手伝ってやるぜィ?」  
「手伝わなくて良いから、元の位置に戻させてよッ」  
「据え膳据え膳、おらよ」  
「うひゃ!?」  
 
 ぐいーッと乱暴に下着を膝まで下ろされて、ヨーコはスカートを両手で押さえた。しかしその手は  
引っ張られ、操縦桿を握らされる。意図が判らずに振り向けば、カミナは舌なめずりをしてから  
ヨーコの背を舐めた。首に近い個所を擽られて震えると、すかさずスカートをたくし上げられる。  
しかも後ろだけを的確にずらす形だ。おしりの辺りにカミナの体温を感じて、ヨーコの顔が  
耳まで真っ赤に染まる。  
 
「気合いれとけよ、グレンが止まったらシモンどころか後ろのチビ達にも怪しまれるからな」  
「な、なんであたしが握ってなきゃ、あ!」  
「オレの手は忙しいんだよ、おら」  
「わ、わッ」  
 
 後ろ側から突っ込まれたカミナの指先が唐突にヨーコの中へと入り込み、湿った個所をぐるりと  
掻き混ぜた。処女ではないと言っても前戯もナシに太い指を入れられてはキツいのか、  
ヨーコはぎゅっと操縦桿を握り締めて身体を支える。変に動かさないように微妙な角度を  
キープし続けるが、それもいつまで持つかは判らなかった。おかしな操縦をして、シモンに  
通信回線を開かれたら、こんな姿を見られたら。  
 湧き上がっている感情が羞恥だけでないのに気付いて、カミナはにやにやと笑みを浮かべる。  
指先がぬるぬると滑る様子に、一旦引き抜いて入り口を撫でてやることにした。何にせよ  
早く終わらせるにこしたことはない、ならば、準備が必要なヨーコをさっさと煽ってしまうのが  
早いだろう。やわやわと左右に脚を広げさせて、探り出す。じっとりと湿った汁が、  
下穿きに落ちて滲む。  
 
 つるりとした感触の内部に触れれば、奥から零れてくる露で手がべたついた。水源を辿るように  
探れば指がぬるりと入り込む、震えた背筋を宥めるように舐めれば、くたりとヨーコは力を抜く。  
空いた手で胸を下から鷲掴みにしてやれば、鼻に掛かった甘い声が漏らされた。カミナは  
傾きかける身体を腕の中に引き込み、揺れないようにしてやる。突っ込んだ指は、  
どんどん増やしていきながら。  
 ぐいぐいと奥へ上へと突き上げる動きは、的確にヨーコの弱い個所を刺激していた。クリトリスの  
裏側の個所を掠める動きに欲情が加速し、いつのまにか口元から唾液が零れだす。操縦桿を  
握っている手も滑りそうになって、必死に爪を引っ掛けるが、いつ外れてしまっても可笑しくない  
様子だった。  
 その姿に、カミナは可笑しそうな笑みを浮かべる。そのまま内側に爪を立ててやると、  
ヨーコの背中がビンッと反り返った。  
 
「ふ、っひゃぁあ!? や、やだッ痛い、引っ掻かないでよぉ!!」  
「気合入れとけって言ってんだろ、見られたくねぇってんならよ。気合注入してやるからなぁ、おらおらおら!」  
「やだああ、あ、あ! いやっあああぁあ!!」  
 
 ぐちゃぐちゃと音を立てる出し入れに、びくびくとヨーコの身体が震えて跳ねた。べろりと乾いた  
口唇を一舐めし、カミナはもう一本指を増やしてみる。丁度良く解れているのを確認してから一気に  
引き抜けば、零れだした汁が音を立てて下に落ちた。握り締めた胸をやわやわと揉んでやり、  
服の上から乳首を転がすようにしてやれば、また甘い声が零れてくる。ヨーコは閉じていられない  
口唇から、ぽとりと唾液を零した。赤く染まった目元でカミナを振り向けば、乱暴に顎を取られて  
口付けが落とされる。  
 深く舌を絡ませるそれに、とろりとヨーコは眼を閉じた。  
 その瞬間に、カミナは彼女の中に肉棒を挿入して一気に突き上げる。  
 
「ひっい、んぁあああ!!」  
「よしよし、そう……っと、のわッ!!」  
 
 反り返ったそれを一息に飲み込まされて、ヨーコは声を上げながら身を揉み搾る。  
予想通りの締め付けにカミナは満足そうに笑むが、それはすぐに消えた。  
 ガクン、とラガンが傾いて前のめりになって行く。ヨーコの腹を支えて体勢を整えれば、システムが  
ダウンしていくヒュゥンと言う音が響いた。やべ、とカミナは操縦桿を握る。そこにヨーコの手は  
掛かっていない。つまりは、気合不足で止まってしまったと言うことだ。ゼェゼェと荒い呼吸で  
ぼんやりとそれを眺め、ヨーコはカミナの腕に指先を引っ掛ける。  
 
「ちょっと待ってろ、すぐに立て直すからよ。ったく、ヨガッて気合が抜けるなんざ、  
 まだまだグレン団として修行が足りてねぇぞ」  
「そ、んなの、知らないッ……わよぉ! 良いから、離してっ」  
「あん?」  
 
 ぐいぐいとヨーコが腕から逃げようとする様子に、カミナはきょとんと呆ける。ソレに対して、  
真っ赤な顔のヨーコはむくれてそっぽを向いた。  
 
「どーしたのかって通信入って来ちゃうでしょ、こんなカッコ見られたくないから、離してって言ってんの!」  
「別にナニしてたかなんてバレねーだろ。脱いでるわけでもねぇしなぁ?」  
「あ、あんたって奴はッ」  
『アニキ、どうしたの!?』  
 
 システムが持ち直すと同時に繋がった回線に、ヨーコは息を呑んで反射的にスカートを押さえる。  
心配そうな顔のシモンをヨーコの肩越しに確認しながら、ニヤリと笑ったカミナがずずいっと身体を  
押し出した。その刺激で内部を混ぜられ、ヨーコはヒッと息を呑む。モニターの向こうのシモンは、  
怪訝そうだが、気付いている様子は無い。きょとりと眼を丸めて、ブータと顔を見合わせている。  
 
「悪ィ悪ィ、ちょっとはしゃいじまってよ」  
『またケンカ? 後ろにギミー達もいるんだから、あんまり危ないことしちゃダメだよアニキ……  
 あれ、ヨーコさん顔真っ赤だけど、どうしたの?』  
「え!? あ、いや、あッ!!」  
 
 軽く突き上げられて言葉が詰まり、ヨーコはびくりと震える。その様子と締め付けを楽しみながら、  
ニヤニヤとカミナはシモンへの言葉を繋げる。  
 
「ひっくりかえってケツ打ちやがってよ、さっきまでピーピー泣いてたんだぜ?  
 ったく、あっちこっち出っ張ったナイスバディは大変だよなァ。オレにはさっぱりわかんねぇ感覚だぜ」  
『ああ、俺はなんとなく判るかも……』  
「ってシモン、ドコにナニを引っ掛けてんだオメェは? まさかアレか、アレなのか? ドコにだ、  
 一体ドコにそんなモン引っ掛けてんだ? 引っ掛かるほどご立派なのか、本気モードは違うってのか?」  
『アニキ何か誤解してるって!! と、とにかくなんでもないなら良かった、じゃねッ!』  
 
 ぷちんっとウィンドウが閉じて、ヨーコはふぅー……っとゆっくり息を吐く。締め付けられていた力が  
抜けるのに、カミナは可笑しそうに肩を揺らして笑った。それをじっとりと恨みがましげに睨み、  
ヨーコは腰を上げて離れようとする。しかし、すぐに腰を捕まれて、突き落とされた。ぐちゅりと  
響いた水音に、甲高い声が混じる。  
 
「オレがグレンの操縦しといてやるから、お前は自分で動けよ。このまんまで終わるのも惜しいんだろ?  
 折角ノッてきたトコみてぇだしな」  
「ちょ、やッ……もぉやだ、ってばぁ! 全然そんなの、ノッてなんかない!」  
「へぇん、ナカでぐちゅぐちゅ漏らしながら締め付けてドンドン熱くなって行ってるのも、ノッてないってか?」  
「や、あ、ああッ!!」  
 
 反り返ったそれは少し腰を揺らされるだけでも確実に良い個所を突き上げる。ただし乱暴なカミナの  
やりかたでは、一番イイ個所は掠めるばかりで決定的に触れられることがない。そのもどかしさを  
知っているヨーコのことを、カミナはよーく知っている。  
 ぷいっと顔を背けたヨーコは、ついでとばかりにポニーの髪をカミナの顔に叩き付けた。そのまま  
操縦桿に伸ばされている筋肉質な腕に指を引っ掛け、腰を上げる。ゆっくりと始まった律動は  
緩いものだったが、それは最初だけのことだ。興が乗ってきたのか、だんだんその動きは早くなる。  
ゆさゆさと揺れる胸を、カミナは掌で包み込んだ。甘えるように、ヨーコはそれに身を任す。  
 
 ぐちゅぐちゅと音が響き、やがてそれにヨーコの荒い呼吸が大きく混じった。押さえていたはずの  
嬌声も零れだし、腰をくねらせて喘ぎ、仰け反る。その様子にカミナはゆっくりと息を吐く。きちきちと  
咥え込んで来る刺激はダイレクトに響き、腰がぞくりと震えた。跳ねる髪の間からたまに覗く項が  
眩しくて、伸ばした手で簪を外す。  
 途端にふぁさりと広がる髪からは、汗のニオイが広がった。不快でないそれを吸い込んで、  
カミナはニヤリと笑う。そのまま、ヨーコの腰を掴む。  
 
「っひ、あ、あぁんッ!!」  
「ココが良いんだろ? 覚えてやったから試してやんよ、おらっ!」  
「ひゃ、あ、あー!! やッ、んふぅう!!」  
 
 髪を振り乱して頭をぶんぶんとするヨーコは、肩を竦めて身体を縮こまらせていた。普段は自覚しない  
華奢な様子にカミナは舌なめずりをして、ぐいぐいと押し込むように突き上げる。こりこりとした一番  
奥の部分に叩き付けながら、途中で前の部分もズリズリと擦ってやれば、締め付けが一層に増した。  
このまま中で果てれば快楽は頂点へと突き抜けるだろうが、それが流石に不味いだろうことは、  
いくらカミナでも判っている。  
 カミナはヨーコの手を取り、自分のそれと重ねる。一気に引き抜いた肉棒をヨーコの汗ばんで  
柔らかな大腿に挟ませ、手を触れさせた。先端部分を擦るように動かさせ、露出したクリトリスにも  
陰毛でざりざりとした感触の自身を擦らせる。  
 仰け反った背筋が一際強くぶるりと震えるのを合図に、カミナはヨーコの手へと白濁をぶちまけさせた。  
 
「っ……、ぁ、あ……」  
 
 くったりとしたヨーコは、動くうちに捲れ上がったスカートを直すこともせず、カミナの胸に身体を  
預けている。その薄ぼんやりとした眼がゆっくりと開いて、きょろりと彷徨った。ん、と訝れば、  
それはカミナの右手と左手を交互に眺める。片手はヨーコの腰を掴み、片手はヨーコの手に重ねられ。  
 
「ちょ、っと……グレン、どーやって動かして……」  
「あぁん? オレ様には、長い脚があるんだよ」  
「んな前代未聞の操縦を……あんた心の底から馬鹿でしょう」  
『どっちもどーっち』  
「うひっ!?」  
 
 開いかれた通信ウィンドウは暗く、文字が出ていた。ヨーコとカミナには読めるものではないが、  
それは『SOUND ONLY』と示されている。響いた声は、リーロンのものだ。呆れた様子のそれに、  
ヨーコが青褪める。まさか。  
 
『足で操縦なんて出来るわけないでしょ、後ろに乗ってた子達、振り回されて眼を回しちゃってるわよ?  
 ナニしてたか知らないけど、ちゃんと掃除はしといてよねぇ……そんなところまで面倒見るの、  
 御免なんだから』  
「り、リーロン違って、これはそうじゃなくてっ」  
「おぉう安心しろ、シート以外は別に汚れてねぇからよ!」  
「あんたはもう、黙っててよぉー!!」  
 
 ひょいと立てかけられていたライフルを引っ掴んで、ヨーコは絶叫した。  
 
 
 
終わり。  
 
 
 

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