ねえヴァン。
ねえねえねえ。ねえったら、ヴァン。
大好きよ。愛してるわ。ねえ。だからキスして。
いっぱいいっぱいキスして。名前を呼んで。
カルメンって。カルメンって呼んでくれたじゃない。あの時みたいに呼んで。
ねえ。ほら。私のおっぱい、おっきいでしょう?
挟んであげる。しごいてあげる。つつんであげる。
ねえヴァン。舐めてえ。
私のおっぱい。乳首。おまんこ。
アンタに舐めて欲しいの。アンタじゃなきゃ嫌なの。
ねえねえヴァン?アンタの童貞、アタシに頂戴?
アタシが教えてあげる。もらってあげる。奪ってあげる。
だから、ねえ、抱いて。抱きしめて。ヴァン。ヴァン…
「ヴァ…」
と開いた口のままで目が覚めた。
見慣れた天井。
そうだ。ここはアタシの家。
トリノリアの家じゃなくって、情報屋としてのアタシの、隠れ家。
で、ヴァンはどこに?ヴァン…ヴァン…っと。
そうか。そうよね。いるわけないわ。
あの最後の戦いから丸一年。
影も形も、噂すら無い男が、アタシのベッドにいるわけ無いんだった。
に、しても。
「んーーーー!ぎゅーーーー!やーーーー!もーーーー!」
ブランケットを頭までかぶり、枕に顔を埋め、足をばたつかせて叫ぶ。
なにあの夢。あれじゃあまるで、ただの色情狂じゃない!
何が、大好きよ?愛してる?うわー恥ずかしい。うわー恥ずかしい。恥ずかし過ぎる。
生まれてこの方、そんな台詞口にした事なんて一度も無い。
そんな台詞、相手が言うもの。アタシが口にするなんてありえないし、それに応えた事
だって、数えるほどしか無い。
流石に処女では無いものの、自慢じゃないが身持ちは固いのだ。
に、しても。
「…欲求不満なのかしらねー」
それは否定しない。
最後に男に抱かれたのは、多分もう3年以上は前だ。
仕事だって忙しかったし、ヴァン達と一緒に旅をしていた頃は本当にそれどころじゃ
無かったし。
ヴァンの事が好きだったと自覚してからというもの、他の男に抱かれるなんて想像も
出来なくなってしまった。
「はあ……」
こうして年をとってゆくのだろうか。虚しすぎる。
ブランケットに包まれたままもぞもぞと、手をTバックのショーツの中に突っ込んで見る。
「あー…やっぱし」
濡れてる。
このショーツも、もう捨てなきゃダメね。結構高かったし、気に入ってたのに。
アタシは濡れやすいし、愛液の量も多い、らしい。
普段は気をつけているんだけど、こんな淫夢の後は、大抵洗っても落ちないくらいの
染みをショーツに残してしまう。
「今度から裸で寝よっかなー…っと」
言いながらブランケットから手だけ出し、枕元にある小箱の中を漁る。
いつもの、アタシの相手。
アタシが15の頃からのお友達。
お手製の、バイブレーター。
「んっ……」
タンクトップ越しに分かるほど、乳首が勃起してる。悪い子ね、カルメン。そんな子に
はお仕置きが必要よ。ほおら、強く捻り上げてあげる。
「んあっ!」
バカね。カルメン。素直にならないからこういう目に会うのよ。本当はいやらしい癖に。
ほら、カルメン。何が欲しいの?言って御覧なさい。
「い、いや、いやあ…」
タンクトップ越しじゃもう物足りない。捲り上げて直に乳房を揉みしだく。
いつもお手入れを欠かさない、自慢の99cmのバスト。乱暴に扱うのは、こんな時だけ。
「あ。く。ああ!」
どうせ汚れちゃってるんだし。いっぱいショーツ汚しちゃおう。
ほおらカルメン。いやらしい染みがいっぱいこびりついているわよ?
「い、いやあ、見ないでえ…」
嘘ばっかり。本当は見て欲しい癖に。
「ち、違うわ。そんなこと…」
うそつき。本当は見て欲しいんでしょ。この、おまんこ汁で汚れたパンティー。
メスの匂いの染み付いたこのパンティーを見て興奮して欲しいんでしょ?
ヴァンに。
「くっ!あっ!ああああっ!!!」
ヴァン!ヴァン!ヴァン!
「い、いやあ・・・」
ぐりぐりと、バイブをショーツに擦りつける。
ああ、ダメよ、ヴァン。そ、そんなとこに擦りつけないでえ!
だ、ダメだったら!匂いなんて嗅がないで!
「ダ、ダメ…ダメ…」
言いながらバイブのスイッチを入れる。
軽い音と共に、クリトリスに振動が伝わって来る。
あまり強くないのがすき。ショーツの上からあてるくらいが丁度よくって、子供の頃から
止められないでいる。こんなオナニー。
「あん…あん…あんっ!」
甘えた声、出してる。いいよね?誰も見てないんだし。
「やあんっ…ヴァン…ダメだったらぁ…」
こんな風に甘えたって、どうせアタシは可愛くない。
いいじゃない。妄想の中でくらい、可愛い女を演じたって。
「い、イヤ。ダメ、入れないで!ヴァン!」
ショーツの脇から、バイブが…ヴァンのおチンチンが、入ってくる。
アタシを四つんばいにさせ、もどかしげに押し付けてくる。
ダメ、ヴァン、そ、そこは違うわ!そこはお尻の穴よ!
そう、もっと下。だ、ダメ!クリトリスをおチンチンの先で弄らないでえ!
あ、そう。そこ。って、ダメよ!入れちゃ、いやあ!
「ああ、お、犯さないでぇ…!」
分かってるわ。か弱い女なんかじゃないって。
でも、でもいいじゃない。今くらいそんな気分に浸ったって。
それに、ヴァンにはきっと敵わない。力ずくで来られたら、アタシ、きっと犯される。
こんな風に。
「ぐうっ!!」
後ろから一気に奥までバイブを捻じ込んで、スイッチを最強にする。
そのままショーツを穿きなおすと、入れっぱなしのバイブのせいでショーツの又布が盛
り上がって、まるでおチンチンを勃起させているみたいになった。いやらしい。
もっと、もっと食い込ませちゃおう。
ああ、アタシの手を離れ、ショーツの中でバイブが勝手に暴れてる!
そう。ズボズボされるより、グリグリされる方がすき。すき!だいすきぃっ!!
「あ、あ、あ、イキそうっ、イクッ、イクぅっ!!」
し、子宮をグリグリしてぇっ!グリグリしてぇっ!ヴァン!
や、や、やだ、やだ、グリグリ気持ちいい!グリグリ気持ちいいよおっ!!
ィ、イ、イクぅっ!!!!
「あ、あああっっっ!!!!」
最初の絶頂の波が、アタシを襲った。
ブランケットの中で足先までぴいんと張り詰めて、息も絶え絶えに喘ぐ。
膣圧でバイブが抜けちゃいそう。Tバックのショーツのゴムじゃ抑えきれない。
や、やだ。やだやだ。まだ挿れていたい。まだグリグリしてて欲しい。
ベッドからちょっと離れた床の上に、昨日脱ぎ捨てたままになっているデニムのショー
トパンツがあった。そうだ、あれ、穿いちゃおう。
よろめきながらベッドを出て、ふらつきながらショートパンツを穿いた。
もともと体にぴっちり張り詰めるくらいのサイズが好きなせいで、股間のバイブは身体
の一番奥まで押し込まれる。やだ、これ、気持ちいい。
「ん、んんっ・・・!」
あ、あ、奥まで、奥まで来てる!
油断すると脇からショーツが見えそうなほど短いショートパンツ。
ショーツは見えないでしょうけど、でも見て、ほら、愛液が垂れてきちゃってる!
良く見て!股間がもっこりしてるでしょ!バイブを、バイブを挿れているのよ!
ねえ見てヴァン!アタシ、いやらしいでしょ!見て!ヴァン!
「あ!あ!あ!」
穿いたまま、立ったまま。
イクわ。イキそう。イカされそう!
見て。見ないで。見ないで。見て!
い、今、こんなとこ、こんなとこ、ヴァンに、ヴァンに見られたら、見られちゃったら!
「ア、アタシ、アタシ、もおっ!」
「あのー、すいません。なんか、食うものとミルクを…」
いきなり部屋のドアが開いた。
開いた先には、タキシードに帽子の男がいた。
「……ヴァン?」
頭、まっしろ。何?何?何これ?夢?
なんで、なんでアタシの家に、アタシの部屋に、ヴァンが?
「なんっ…でえぇっ・・・っ!!!」
あ。あ!あああ!!!
ダメ!来ちゃう!来ちゃってる!バイブが!バイブがあっ!
ダメ!来る!来ちゃう!ヴァンの、ヴァンの前でえっ!
ダメ!ダメ!ダメ!止まって!イっちゃ!イっちゃダメよ!
「あー。いや、なんか、この辺りに女の情報屋がいるって聞いて。っておい、大丈夫か」
「だ、大丈夫よ。ちょ、ちょっと風邪気味なだけっ、だ、からぁ…っ」
大丈夫なわけない!も、もうダメ!な、何とか誤魔化さないと。
そ、そうだ。トイレにっ!
「わ、悪いけどヴァン。ア、アタシ、ト、トイレにっ…」
「お。そうか。何かそういや、顔色悪いぞ」
「ちょ、ちょっとね。だからちょっとだけ待ってて…っ」
気力を限界まで振り絞り、踵を返した。
股を閉じていないと、太股から愛液が垂れているのがバレちゃう。
変に内股で歩いてるのは、便意だと思ってくれるだろうか。
それもとってもみっともない話だけど、でもマシ。ずっとマシ。
ヴァンの前でイキ顔晒すよりよりは、ずっと。
だってもう限界。バイブはひっきりなしにアタシの子宮を責めたててる。
もう少し、後少し刺激を与えられたら、アタシ。
「おい、大丈夫か。カルメン」
あ…
な、名前……
呼ばれちゃったぁ……
「イ!グ!グゥッ!!!ゥーッ!!!!!」
ガクガクと身体が震える。
股間から何か生暖かいものが垂れる。漏れる。滴る。
あ。ショートパンツのお尻まで染みが広がって、ポタポタ落ちてる。
これ、愛液じゃないやぁ…おしっこだぁ…
あははは…アタシ、イってる…
ヴァンの前で。ヴァンの前で、おしっこ漏らしながら、イってる…
視界が、暗転した。
フローリングの床に派手な水溜りを作りながら、アタシは倒れた。