「酔ってるん・・・でしょうか・・・?」
壁にもたれてグッタリとしているヴァンの前に膝をつく。
ヴァンの頬をぺちぺちと叩くと、おぼつかない手つきで振り払う。
ファサリナの顔がその視界に入っているはずだが、虚ろな瞳を向けるばかりでうわの空だ。
「面白いわ・・」
躊躇うこと無く、ファサリナは唇を重ねた。
そのまま舌を割り入れようとすると、ファサリナの肩を弱い力が押し返した。
見ると、肩にヴァンの手が乗せられていた。
「あ・・・いま起きる・・・から・・・」
言い訳じみた事を呟くが、すぐに眠りに戻ったようで、肩の手は力尽きたように床に垂れた。
ファサリナは満足げに口元を上げた。