「やめろぉ、寄るな!おまえ、なんか気色悪いんだよ…まるで…」  
「まるでカギ爪の男と戦ってるみたいなんだ!とにかく触るんじゃねえ!」  
ドジューン!ビシュン!  
「ああ…今なんて…、なんておしゃったの?」  
ファサリナがクルクルと踊った。髪が帯のように綺麗に揺れる。  
「あぁあん?」  
女がちっとも堪えてない様子に焦るヴァン。  
「もういちど…言って…お・ね・が・い…ぁぁ…」  
「ぐ…っ!!」  
女の妖し誘いにもうかまわず突っ込んだ。  
 
「やめろぉぉぉ!気色悪いって言ってるだろおがぁ!!」  
ドシュッ! ブィーン!ギャシャーン!  
激しい火花が両者の交錯によって飛ぶ。  
 
「おほほ…いけませんわ…そんなに激しくなされては」  
ファサリナの嘲る笑いが宙を舞う。  
「うるせぇ!うるせ!うるせぇ!・・うるせぇえんだよぉ!」  
なりふりかまわず赤子のようにソードを振り回すヴァン。  
「う・る・せ・ええええええええええっ とにかくその無気味な喋り方を止めろぉぉ!!」  
ドバァァ!  
 
「あぁあ、それ、それですわ。それは私にとって最高の褒め言葉ですの…ぁぁぁ…」  
「やめろぉぉぉお!!!やめるんだぁああ!!!」  
「おやおや、では皆さん。よしなに」  
「ぁぁあああああ!!」  
 
 

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