ホバーベースの一室で淫猥な音が響いている。  
薄暗い室内では2つの影がうごめいていた。音源はそこだ。  
「んっ……んちゅ………じゅるっ」  
頭と同時に揺れる大きな胸と尻。  
カルメン99。  
そしてもう1人は……  
「…ねぇヴァン、気持ちよくないの?」  
 
もう1人の影…ヴァンは……  
「んん……! すまん。寝ていた…」  
「寝て―――っ!?あのねぇ!」  
「いや、気持ちよくて、つい。な」  
散髪をしてもらっているとき、気持ちよくてウトウトしてしまう。  
ヴァンにとっては同じ事なのだろう。  
 
「…何だかあんたに"シテ"あげてもつまらないわね。反応無いし」  
「………すまない」  
股間のアミーゴしたままの"ソレ"も心なしかしょげて見えて、カルメンはため息を吐いた。  
「仕方無いわね…じゃあ今度は私を気持ちよくしてよ」  
カルメンは ほら、と上体を起こし股をM字に開いた。  
「……」  
しかし一向にヴァンは動かない。カルメンの下半身を凝視したまま、何か考えているようだった。  
 
「ヴァン……?」  
「何をすればいい?」  
「はぁ?」  
「俺は何をすればいいかわからない!童貞だからだ!」  
まるで鍵爪の男を前にしたかの様な気迫だった。  
「全く…」  
――これだから童貞は…  
とは、やはり口には出さない。  
「舐めるのよ」  
「ヘソをか?」  
「何でそうなるのよ!ココよ!コ・コ!」  
自分で自分のを開くのも余りいいものではない。  
惚れた男が無知なのが悪いのだが…  
 
淫猥な音がホバーベースの一室に響いている。  
薄暗い室内では2つの影がうごめいていたが、構図は先程とは逆だった。  
ヴァンは大人しくカルメンの足の間に頭をうずめて舌でカルメンの秘所を刺激していた。  
初めての割にはなかなか敏感な場所を重点的に攻めていて、カルメンも満足げだ。  
「あっ……そうよ!…ヴァン!」  
「………………」  
一方のヴァンはペースは同じものの、何か足りないと思っていた。  
 
「…薄いな」  
 
そろそろカルメンが絶頂に達しようかというとき、ヴァンの口が離れた。  
――焦らしプレイ?  
そう思った途端、カルメンは自らの秘所に何かがかけられている事に気づいた。  
暗くてよく見えないが、ヴァンがカルメンの秘所に何かをかけている。  
精液にしては冷たい。  
それに……  
「この匂いって………」  
 
「味が薄かったからな」  
 
 
 
調味料だった。  
 
「元々酸っぱい匂いだから塩気が  
「阿呆っ!」  
 
 

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