か細い、虫の鳴くような悲鳴が部屋に染み渡った。  
 
「…い、いや…。何するの…。こ、来ないで…。来ないで…!!」  
 
「俺には小隊の部下との親睦を深める義務と権利があるんだよ、吉田さん。」  
 
遥は悲鳴をあげてスカートを引っ張っている航の頭を押しのけようと、躍起になった。  
しかし、航は怯むことはなく、遥のスカートを 捲くりあげ ついにはその中に顔を突っこんでしまうのであった。  
その姿は痴漢以外の何者でもない。 常識の範囲を遥かに超えている、航の行為に 気が遠くなりかける  
初心な上に、もともと大人しい彼女は、こんなときどうしたらいいのかわからない。  
普通ならこんなとき、怒ったり、怯えたりするべきなのかもしれないけれど  
まだ、感情がそこまで追いつかない。頭の中がぐるぐると混乱している状態だった。  
 
小島さん、いったい、どうしてしまったの!?  
 
小島 航。彼がこの中隊に隊長として赴任してきてから早二週間が経つ。  
それだけの期間で彼は柔らかで物腰の良い包容力、実力に裏打ちされた統率力を如何なく発揮し、  
早くも中隊のメンバーからの人望の殆どを掌握しつつあった。  
男子からは頼られ、女子からは慕われる正に理想の中隊長といったイメージだ。  
 
しかし、遥は最初この小島 航という男が好きになれなかった。  
もちろん異性そのものが苦手であることに変わりはなかったが、それとは別に  
人間的に何か近寄り難いものを第一印象で感じ取っていたのである。  
 
だがその第一印象とは裏腹に、彼の遥に対する態度は実に甲斐甲斐しいものであった。  
勉強が難しくて授業についていけない時には、一緒に深夜まで残って懇切丁寧に教えてくれた。  
体力が足りなくて皆との合同訓練をこなせない時には、敢えて参加させることをせず、  
代わりに日曜日に一日中付きっきりで、私のペースに合わせて訓練してくれた。  
 
彼は、自分に色々なものを与えてくれた。仕事場、たくさんの友人。  
それに、 ゲーム以外なにもとりえのない、口下手な自分の話を、優しく真剣に、聞いてくれる  
 
そんな彼に、明確な自覚こそ無かったが、次第に憧れに近い恋情さえ抱くようになってしまっていた。  
 
しかし、最近になって、彼は激変してしまった。やたらと自分をからかったり、セクハラをしたりして彼女を 玩具にするのだ。  
 
誰に訴えようにも、真面目で人当たりのいい好青年で通っている我らが隊長が こんな真似をするとは、  
とうてい信じてくれるはずもない。 ただ、ひたすら、航のセクハラとイジメに耐える日々が続いているのである。  
 
 
「…吉田さん…これ、紐パン…だよね?」  
「い、いや……。見ないでっ」  
「これは驚いたな。吉田さんは、リボンのついた木綿パンツを愛用していると  
思ってたんだが。こんな布面積の少ないHなパンツを愛用してるなんて。みんなが知ったら驚くだろうな。」  
 
「ち、違うの…。これは、この前の、カラオケのときの王様ゲームで、  
当たったやつなの…。いつも履いてるわけじゃないんです!」  
 
 
ついこの間、慰安のために開かれたカラオケ大会のことは  
彼の記憶にも新しかった。ビンゴだか、福引だか、最後のほうにそのようなイベントも  
企画したモノだった。 こういう景品つきの企画は意外と士気高揚に役立つものである。  
 
こういうゲームには、豪華な賞品などよりもむしろ、ウケ狙いで用意したとしか思えないような  
ソレ系のモノのほうが印象に残る。黒の男性用ビキニとか、エナメルのブラジャーとか、チャックのついた、  
いつでもどこでもOKパンツ、 果ては大人の玩具、など笑うに笑えないものまで。  
仮にも軍属の身の上であればとても考えられないような代物ばかりだが、だからこそ  
未だ自分を信望せずに身構えている一部の部下の警戒心を解くにも役立つというものだ。  
 
「でも、当たったからって、普通、履かないよな。こんなエロいパンツ。黒いし、スケてるし。」  
 
実際には、そんなにエロティックな、デザインと言うほどでもないのだが、  
垢抜けない純朴な女の子なイメージの彼女が履くような代物ではないことも確かで  
 
「…うう…。」  
 
指摘されてかああああと、全身が赤く染まるのを感じた遥だった。  
じんわりと涙が込み上げてくる。  
 
吉田 遥 十四歳。ちょっぴりどころか、かなり内気な女の子。  
学力にも体力にも乏しかったが、その分卓越したプログラミング能力と  
幻獣の索敵能力には目を見張るものがあった。  
だが、そんな実力に比例する自信をもっていなかった。  
落ち込みやすく、内向的な性格は自分でもなんとかしたいと思っていた。  
けれど、持って生まれた性格は努力しても、そうそう変わるものではない。  
 
だから、せめて、少しだけ、見えないところで冒険する、  
勇気を振り絞ってその下着を履いて見たのが今朝のことである。  
運が悪かった。まさか、隊長にスカートを捲られ、  
頭を突っ込まれることになるなどとは思いもしなかったのである。  
 
 
「…小島、さん…。もう…いい加減にスカートの中から出てきて…下さい…。」  
 
「あ、ごめん、つい居心地が良くて。」  
 
スカートの中からよっこいせ、と、顔を上げると、遥の平手打ちが待っていた  
避けることもできたが、甘んじて、受け入れてやる航。  
頬にクリーンヒット。彼女なりに精一杯の力で叩いたのだろう。  
しかし、まったく痛くも痒くもなかった。  
 
「ひどいです。小島さん…。」  
 
そう言って、遥は航を睨んだ。しかし、それは彼の欲望を却って刺激するだけの  
仕草になってしまっていることに彼女は気がついていない。  
 
上目遣いの小動物のような、黒目がちの瞳。愛しんで庇護したいと思うと同時に、  
奪って滅茶苦茶にしてしまいたくなる。  
 
「小島さん、私…小島さんに、なにか悪いことしてしまったの?」  
 
「いや、全然?」  
 
「…だ、だったら、なんで…私に…こんなことを…。…こんな意地悪…するの?」  
 
「意地悪なんかしてないさ、イイことならしてあげてるけどな。」  
 
航は、そう言うと服の上から、遥の小ぶりな乳房をゆっくりと撫で回した。  
 
「ひっ…やっ、やめてください…。」  
 
航は逃げようとする遥の華奢な肩を、がしっと抱き寄せた。  
ろくな抵抗する暇も無く遥は鍛えられた腕の中に閉じ込められてしまう。  
そうして、がっちりホールドして、彼女の身動きを取れなくしてしまった航は、本格的なお触りを開始するのだった。  
右手で柔らかな乳房をぞんぶんに味わう。というか殆ど無いに等しいほどの小さな胸なので、  
乳首のあたりをコロコロと弄ぶというほうが正しい。そして、残りの左手は小ぶりなヒップをスリスリ撫でさする。  
 
「…や…!触らないで!」  
 
遥は涙目になって、胸を掴んでいる航の手をぽかぽか殴ったり、噛んだりしてその腕の中から逃げようと、  
必死になった。しかし、いくらあばれても、航の腕の中からは逃れることはできない。  
当たり前と言えば、当たり前なのだ。彼は自分と同年代の少年とはいえ、軍技、体術に長けた中隊のリーダーで  
自分は非力な非戦闘員のオペレーターなのである。単純な腕力で彼にかなうはずも無い。  
 
航の手が、遥の細い脚を強引に割り開いた。  
ぴたりと閉じていた場所に空気を感じて遥の羞恥と緊張は極限に達する。  
それでも彼女は顔を両手で覆い、じっと恥辱に耐えることしかできない。  
 
「これが吉田さんの大切なところか。…綺麗なピンク色だな。まだ一度も使ってないって感じだ。」  
 
「…いやっ、やめて…!見ないで……!!」  
 
「生えてもいないのか。まるで赤ん坊の割れ目のようだぞ」  
 
吐息が恥ずかしい場所に当たり、誰にも見られたことのないソコに彼の視線が落ちているのがわかる  
目を瞑っても視線を感じる。  
食い入るような、航の目が恥ずかしくてたまらない  
 
気が狂ってしまいそうになる。  
 
からかうような、航の言葉を否定しようとした遥は  
次の瞬間、一番、敏感な花芽を指先で弾かれて、声をあげてしまった。  
腰を浮かせて逃げようとしても、鍛えられた少年の腕に押さえつけられ  
遥の華奢な身体はびくとも動けない  
 
布地越しと違って、直接的な刺激にピリピリとした痛みにも似た感覚が、  
身体に走る。声をあげまい、と彼女は唇を噛み締めたが、  
すでに先ほどの愛撫で半分、覚醒させられていた快楽の器官は、  
彼の指先ににいともたやすく反応して、とろりとした蜜を流した。  
 
「…あっ、だめ…ソコ触っちゃ…いや」  
 
「ソコってどこのことだ? 言ってみてくれないか、吉田さん」  
意地悪く尋ねると、遥は泣きそうな顔をして首を振った。  
 
「言えないなら仕方無いな。その気になるまで弄ぶだけだ」  
 
そう言うと航は激しい愛撫を再開し、彼女の敏感な場所を徹底的に攻めたててやる。  
蜜で滑らかになった指でなで摩る。花芽がしこるように硬くなってくると  
勢いをつけるように指のスピードを速める。  
 
ふいにか細く咽ぶような声をあげて、遥の体が小刻みに痙攣した。  
突っ張るように固まっていた脚が、弛緩し、シーツの上に投げ出される  
と同時に、遥は生まれて初めての絶頂を経験してしまった。  
 
「さあ吉田さん、答えてみろ、どんな感じだ?」  
 
だが遥はあまりの快感の前に答える気力もなく、半失神状態で力なくベッドに横たわっていた。  
息も荒く、彼女がハァハァと息をつくたびにふたつの小ぶりな突起が上下している。  
もう、限界もいいところだった。 航はニヤリと笑うと、  
 
「よし、いい返事だ……。もう充分ほぐれきったようだな」  
 
航は強張りきったペニスを、遥の秘所に押し当てた。  
処女膜の抵抗は若干あったものの、充分に潤ったそこは  
思ったよりも、すんなりと彼を迎え入れた。  
 
 
「いっ・・・・・!!」  
初めての絶頂の余韻を味わっていた彼女は、突然、襲ってきた激しい痛みで、  
自分の純潔が奪われてしまったことを悟る。  
 
「……いたいっ!!!…いたっ、いやっ、抜いてっ!!」  
 
「痛いのは最初だけだから、我慢しろ。」  
 
挿入するときは思ったよりも楽に入ったのだが。  
やはり内部はかなりきつい、苦痛すら感じる  
とてもじゃないけれど、このままでは動けない。  
航は繋がった状態のまま  
まだわずかに充血したままの、彼女の花芽を指でそっとなぞった。  
 
「…あっ…」  
途端に膣内がきゅっとペニスを締め付ける。  
達してしまいそうになるのを必死に堪えながら、手の動きをくり返した。  
やがて――痛みが薄れてきたのか、遥の唇から、小さく声か洩れ始めるようになると  
航はゆっくりと動き出した。  
 
柔らかく暖かな肉が、ペニスを咥え込むように絡みついてきて  
航の身体に、快楽が走る。熱が、身体を支配する。  
顔から汗がつたわって、遥の白い胸に落ちる  
 
限界が近い  
 
「吉田さん、そろそろ出すぞ。」  
 
耳元にそう囁くと  
苦悶に歪めらていた顔が  
驚愕の表情に変わる。経験の無い初心な彼女にも、  
それが何を意味するかくらいはわかった。  
「い、いやっ、中に出さないで……!!」  
 
「おかしなことを言うな。出されても俺たちは子どもなど作れない身体だろうに」  
 
この話の舞台となる第五世界ではある時期を境に生殖能力が低下していることが発覚し、  
人類は18世紀ごろからクローン技術で子孫を残すことを余儀なくされていた。  
彼らは数えて第六世代目となるクローン体である。  
従って彼らにとってのSEXとは、生殖行為というよりはむしろ  
快感を得るためだけの共同自慰に等しいものだった。  
 
「だって・・・・・赤ちゃん・・・・・できちゃうかも…。」  
 
「面白いじゃないか。いいだろう、俺の赤ん坊を孕んでみろ。」  
 
普通ならそんな子どもでも分かる一般常識を理解しないはずが無い。  
だが、幼少から他人と距離を置き、ゲームの世界に没頭していた遥には  
どこかで人の常識とは異質なところに常識を作り上げていたのかも知れない。  
ともかく、そんないやいやをするように首を振る遥にかまわず。  
航は込み上げてくる快感を堪えることなく、彼女の中に白濁した精を残らず吐き出した。  
 
ゆっくりと遥の中からペニスを引き抜く  
破瓜の血と交わった、桜色の精液がシーツの上を汚す。  
 
ぽたりと、遥の頬から大粒の涙が落ちた。  
 
「・・・・・ひどい・・・・・どうしてこんなこと・・・・・。」  
 
「吉田さんが好きだから、じゃダメか?」  
 
「嘘……。好きだったらこんなことしない・・・。  
好きな人同士でこんなことしたらもっと優しくしてくれる…。  
私をイジめたりなんかしない……。」  
 
「本当だ、一目見たときからずっと、吉田さんのこと可愛いと思ってたんだ。」  
遥は何も答えずに小さくかむりを振ると しくしくと泣き続ける。  
だが、そんな震えるように泣く遥を見て航の心に浮かんだ感情は  
どうにも抑えがたい加虐心だった。  
 
彼にとってSEXとは部隊の女性隊員を心身ともに手中に収めるための手段のひとつに過ぎなかった。  
そしてただ一人中々自分に従わなかった吉田 遥を計画どおり少しずつ段階を踏んで篭絡し、  
そして今、その目的は完遂したはずだった。  
だが、空想上の物語に没頭しすぎて他と掛け離れた一般常識を持つ遥にとっては  
強引に攻めるのはむしろ逆効果であったらしい。  
 
だが、もう、後にはひけない。  
こうなったら面倒だが、彼女の頭の中に描いた世界ごと突き崩してやるほか無いだろう。  
 
「信じられないって言うなら、何度でも証明してやる。」  
 
「……え……?」  
「おまえには、お前の想像だにしない新しい世界を学習させる必要があるようだからな。」  
航は遥にそう宣言すると 有無を言わさず、再び彼女をベッドに押し倒すのだった。  
 
「……ちょっ、ちょっとまって…! 小島さん!! ……いやーっ!!」  
 
あと何十回弄ばれるのだろう。  
あと何百回突き上げられるのだろう。  
いつになったら自分は解放されるのだろう。  
 
誰も聞くものとて無い、か細くすす切れるような悲鳴が部屋に染み渡った。  
 

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