「あ〜あ、まったく、ついてねえよなあ・・・」
日曜日の午後。滝川は快晴の中一人学校へ向かっていた。
このところ、こちらが圧倒的に有利な状況なので、戦闘もなく、
5121小隊は平和な日々を送っていた。
そんなときの英語のテストで赤点を取り、滝川は一人、本田先生から補習授業を言い渡されていた。
サボればマシンガンの銃口を向けられるのは誰でも知っている事実だ。
「森とせっかくのデートができるチャンスだっただよなあ・・・。
速水は舞とプールデート(*今は四月です)だし。なんで日曜に・・・」
ブツブツ文句を言いながらも、既にプレハブ校舎を上がろうとしているあたり、
滝川の性格が出ていると言えるだろう(本田先生が怖いだけかもしれないが)。
1組の教室はなぜかカーテンと暗幕で中が見えなくなっていた。
滝川は不思議に思ったものの、また本田先生のきまぐれかなんかだろうと思って
戸を開けた。
その途端。
「う、うわあああああ!?」
誰かに体を思い切り引っ張られた滝川は、一瞬で教室の中に消えた。
そして戸がすぐに閉められる。
教室の中は暗くてよく見えない。
パニックに陥りかけた滝川は複数の手に机に下ろされた。
押さえつけていた誰かはそのまま滝川を机に縛り付ける。
まるでまな板の鯉だ。
縛り終えた人物は、教室の電気をつけた。
明かりが眩しかったが、滝川は、ようやく周りの状況を確認することが出来た。
「ほ、本田先生!?それに、な、なんで2組の女子もいるんだ?」
そこには腕を組んでいる本田とのんびり教科書を読んでいる芳野先生。
さらに芝村をのぞく1・2組の女子が狭い教室の中、滝川を見ていた。
どこか緊張した空気が流れているが、滝川はその空気は読めない。
滝川がまた混乱しかけた頃、本田が黒板にチョークで文字を書いていく。
「ようし、オメーら。前から言ってたとうり、今日は保健の授業をやるぞ!」
黒板に書いてある文字は、”男子の生態”。
滝川はようやく自分がこれからナニをされるかを理解した。
図らずも滝川の願いである「Hな雰囲気を、見てみたい」という願いは叶おうとしていた。
本人を中心として。