晴れた午後の昼下がり、滝川はぼーっと空を眺めていた。小隊の活躍で  
幻獣どもの出現も減り、今では小隊の全員がのどかな日々を過ごしていた。  
 
滝川はぶらっと店に足を伸ばした。店長と誰かがもめている。  
 
「こんなんウチでも扱えないぞ? だいたいどっからこんなモン持ってきたんだ…」  
「そちらの言い値でかまわない」  
 
息をヒュッと吸った所で呼吸が止まる。動けない。その目に飛び込んできたのは  
「青い髪の東原ののみ」だった。  
 
「あー…う?」  
「わかったわかった コレでいいか?」  
「協力感謝する…」  
 
アレはののみではない。ののみタイプ…あの作戦の時いた娘だ。ソレが何故  
ココに?滝川の頭はパニックを起こしその場を動くことが出来なかった。  
 
男が去る。すれ違いざま目が合う。男はニヤリと笑いその場を後にする。  
 
「ちょっ…どーすんだよそれ!!」  
「おぉ オマエか」  
 
店に入るなり滝川が店長に食いつく。話によるとあの作戦の後「壊れてしまった」  
この娘を下取りに出してきたというのだ。その場はあまりの出来事に何も出来ず  
滝川は帰路についた。が確実に「彼の知らない自分」がその時芽生えたのを滝川  
は知る由も無かった。  
 
しばらく日を挟み、滝川はてに数枚の万札を握り店に訪れた。「あの娘」は  
店の奥にいるようで声は聞こえる。  
 
「店長!」  
「ん?あぁオマエか どうした?」  
「…そのコ いくらなんだ?」  
「!?」  
「いくらだって聞いてるんだ! 今コレだけしかないから足りない分は後で払う!」  
「正気か?」  
「あぁ!」  
 
数分後人目を盗んで人影が2つ、店から駆け抜けて行った。店を出る際、店長  
から聞いた言葉を滝川は反すうしていた。  
 
「壊れたって言ってもな (リセットがかかった状態)だ つまり赤ん坊同然だって  
 のを忘れんなよ? コイツは一人じゃ何も出来ねぇんだ 間違ってもオマエが  
 考えるようなこと…すんじゃねぇぞ?」  
 
同時に何年か前に十数年監禁された女の子のニュースを思い出した。  
 
 
 
「なぁ速水 戦車関係の勉強とか教えてくれないか?」  
「え・どうしたの今更?」  
「いいから教えろよ!」  
 
「あ・若宮センパイ 来栖センパイ カトラスの上手い使い方教えてください!」  
「おう いいぞー」  
「…?」  
 
 
「なぁなぁ指令 最近タッキーみょーにはりきっとらん?」  
「今まで何もしてなかったことに反省でもしたんですかねぇ? ま・ヤル気がある  
 のは良いことですよ 3日坊主にならなければ良いですがねぇ」  
 
はりきるのも当然だ。今の滝川は2人分の生活を切り盛りしなくてはならないの  
だ。あの娘を自宅に連れて帰ることが出来なかった滝川は、誰にも秘密でアパ  
ートを借りそこで2人で暮らすことを決めた。どうせ家にもいたくない…それなら  
いっそと思い切った行動に出たのだ。  
 
「ののぉー 今帰ったぞー」  
「よーへー おかえりぃー」  
「今日はカレー作ってやっからなー」  
「よーへーの作ったカレーすきぃー」  
「嬉しい事言ってくれるじゃねーかぁー」  
 
元々頭が良いのか「のの」と名づけたその娘は言葉をどんどん憶え、わずか  
一ヶ月足らずで「年の離れた妹」並に会話が出来るようになっていた。  
 
「子供育てるって…こんな感じなのかなぁ〜 大変だけど悪い気分じゃねぇーな  
 ………母さんも…そうだったのかな…」  
 
ののが寝返りを打つ姿を見て滝川は一人涙した。その時寝巻き代わりにと着せ  
てたYシャツがおもむろにはだけた。  
 
「!!」  
 
白くキレイな肌があらわになり、ふくらみかけの乳房に目が釘付けになった。  
 
ゴクリ…  
 
滝川は思わず生唾を飲み込む。月明かりに照らされた「ソレ」は、まるで  
やわらかな宝石のようにすら見えた。  
 
手を伸ばす…理性が邪魔をする…煩悩が暴れる…  
 
「よーへー…」  
「んがっ!? の のの…起こしちまったか?ゴメ…」  
「いーよ よーへーなら」  
「え?」  
「よーへーなら…のののおっぱい…さわっていーよ」  
「s。hl。srjg・lsjけrm・;えrk・¥sk・;えrbkl;・!!(解読不能)」  
 
まるで成人向け漫画の一コマをそのまま持ってきたかと思う出来事に滝川  
は硬直しっぱなしだった。  
 
「よーへーこれみてたんだよね?」  
 
ののが取り出した本は…「ア○ス倶楽部」…遠坂に借りてそのままだったの  
が荷物にまぎれてたのだ。  
 
固まったまま動かない滝川に後ろからののがしがみつく。  
 
「あのね よーへー」  
「う…」  
「よーへーならいーよ?」  
「!?」  
「そのほんと おなじことしよ」  
「な・何を…」  
「ののはしたい…」  
 
振り向きざまに柔らかい物体が言葉を消した。  
 
もう2人は言葉も無く絡み合っていた。衝動に任せて貪る滝川。得た知識の  
みののの。粘つく体液と小さな吐息、荒い息遣いだけがその空間を埋め尽  
くしていた。  
 
「よ よーへぇー…きもちいいよぉ」  
「ん んじゃもう少し…」  
「ひゃあ!?」  
 
滝川の行動にののは急にのけぞった。秘部に入った指がそのまま中をか  
きまわす。  
 
「あっやっ…ひゃぁぁぁああぅっ!!」  
「んっんむっ」  
 
ぢゅうぢゅうと吸い付く唇に、ののはのけぞりながら果てた。  
 
「…やりすぎたかな」  
 
いくら本で見てたとは言え、2人とも実践するのは初めてだ。加減がわから  
ない。頭をかきながら困惑しているとののが起きあがり、滝川の分身を口に  
含む。  
 
「おわぁああ!?」  
「んっんっんっ…」  
 
口に含んだままののは規則正しく唇と舌でしごき始めた。分身が果てるのに  
そう時間はかからなかった。  
 
「うあっ も 駄目だっ!でるっ!!」  
「んむぅあっ?」  
 
口から弾け飛ぶように子種がほとばしる。白いすじがののを汚す。本や  
ビデオで見た光景が目の前に再現される。  
 
滝川はゆっくりとののを抱きしめ、まだいきり立っている分身を、ののへ  
埋め込み始めた。  
 
ののは痛みをこらえながらも滝川にしがみついて離れなかった。滝川も  
また、それに答えるように出きるだけゆっくり、時間をかけてののを愛した。  
 
「はぁ…ん…くっ……あっ!…はっ…ぅウッ…」  
 
静かに時が流れる。自分で手に入れた、自分の空間に大切な存在と居ら  
れることに滝川はこの上ない幸せを感じていた。いや、幸せ以上の充実感  
といっても良いだろう。この時を得るまでに滝川は変わった。自分以外の何  
かを守ることを覚えた。生きていく苦労を知った。苦労の後の幸せを喜んだ。  
そしてそれを維持する覚悟を身につけた。こんな時間が永遠に続くと思って  
いた。その瞬間までは…  
 
[バタン!]と激しく戸が開くと同時に数人の黒服が部屋になだれ込んできた。  
彼らは二人を無理やり引き離し、ののを連れ去っていった。  
 
「まちやが…!!?」  
 
怒声と共に飛びかかろうとした滝川に麻酔銃の針が刺さる。  
 
「…のの…くそっ…まち……れ…」  
 
瞬く間に意識が遠のく。目が覚めたときには何事も無かったかの様に独り  
部屋に取り残されていた。  
 
 
時は無常に流れ、いつしか滝川は「鋼鉄の狩人」と呼ばれる程の随伴歩兵  
に成長していた。  
 
「頼まれてた物 用意しといたよ」  
「…ありがとな速水」  
「滝川 どうしても行くのかい?」  
「あぁ 取り返さなきゃならねぇモンがあるからな」  
「正直つらいよ 次に会う時は…『芝村』としてキミを討たなきゃならない」  
「遠慮すんなよ じゃないと勢い余ってオマエの姫さんまで巻き込んじまうぜ?」  
「…それはさせないよ」  
「…」  
「…」  
 
ニッとお互い笑って背を向けて歩き出す。滝川の顔は臆病で逃げ腰の少年  
だったあの頃の顔ではなく戦士の、父の、そして大切な人を取り返す勇者の  
顔になっていた。  
 
 
 
                       ==リサイクル・プリンセス 了==  
 
 
 

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