遠坂と田辺の2人はテントの中にいた。キャンプではない、田辺の家だ。 
田辺の家族は彼女に気を効かせたのか全員外出中だった。  
 
「あ・あのいまお茶入れますね」  
「ありがとうございます」  
 
田辺は外に湯を沸かしに出る。残された遠坂はこれから話そうとする内容を整理し始めた。  
 
「今日放課後お時間取れますか?」  
「え?」  
「いえ 少しお話する時間でも取れたらと思いまして…」  
「は・はいっ大丈夫です!」  
「では放課後…場所はどこが良いでしょう?」  
「あ…えーと…」  
「もし迷惑じゃなければ田辺さんのお家で…あ…失礼!………痛恨です…」  
「いえ!そんな気になさらないで下さい!…テントで良ければ…その…私専用のテントなんですが…」  
 
コトの起こりは遠坂の一言から始まった。いくら恋人同志になったとはいえまだ日も浅い。 
田辺は顔を真っ赤にしながら応対した。遠坂は優しく微笑み、彼女と放課後に話をする約束を取りつけた。  
 
「すいません 緑茶しかなくて…」  
「いえいえ 緑茶は大好きですから」  
「ど・どうぞ」  
 
このテントは田辺の両親が「年頃の娘なんだから」と母屋に使うテントとは別に用意したものだった。  
 
「良いテントですね 軍で使ってるモノより上等だ…雨風どころか台風もしのげそうですよ?」  
「そんなに良い物だったんですか?」  
「優しいご両親をお持ちになりましたね うらやましいですよ」  
「あ・ありがとうございますっ」  
 
家族の話をする時の遠坂はどこか寂しそうな顔をする。田辺にはそれがたまらなかった。 
が、この時は田辺の好きな笑顔のままだった。  
 
「…それで…その…話……なんですが」  
「はい? あ どうぞ 何でしょうか?」  
 
急に遠坂がかしこまる。田辺に嫌な予感が走った。コレがいわゆる「別れ話」なのか!? 
彼女の脳内を思考が走る。なにかマズイ事をしでかしてしまっただろうか? 
気づかないところで彼を怒らせてしまったのか?田辺の顔はどんどん青ざめ涙があふれそうになる。 
だがその心配は次の遠坂の一言で砕かれた。が、同時に戸惑うことになった。  
 
「申し訳無いです…」  
 
頭を下げて遠坂がいきなり謝った。急な出来事に田辺は反応できずに止まったままだ。 
何かされただろうか?靴下は別にプレゼントしたから盗まれたわけではないし…思い当たる節が無い。  
 
「遠坂さん 一体何の事ですか? 別に私…」  
「いえ僕はあなたにいくら詫びても許されない…酷い事を言ってしまって…」  
 
遠坂の顔は自責の念・悔しさ・怒り・悲しみにまみれ涙すら流していた…  
 
「憶えているでしょう? 勲章授与の後あなたは僕に話しかけてくれて…」  
「…あ」  
「あの時のセリフは…とても…とても酷い事を…」  
「き 気にしないで下さい!!私…」  
「いいえ 僕は自分で戦車技能を持っていながら士魂号には乗ろうとしませんでした。 
 誰かが代わりに乗るだろうと…だけどまさか女性が、あなたが乗る事になるとは… 
 最初はすぐに誰かと交代するだろうと思ってたらどうです? 
 今では絢爛舞踏を手にしまさに人類の希望・HERO… 
 僕は自分が戦場に出るのを恐れ他人に責任をなすりつけ、 
 あまつさ武勲を上げたあなたに嫉妬していたんです…!!!!」  
「遠坂さん…」  
 
普段の遠坂からは考えられない激昂振りに田辺は圧倒された。が、すぐに彼の肩を抱きこう言った。  
 
「いいんですよ」  
 
「遠坂さん 人間生きていれば誰だって他人に色んな感情を持ってしまいます…  
 こうやって本音をぶつけてくれて…私…嬉しいんです」  
 
いつしか田辺も泣き顔になっていた。それを見た遠坂は落ち着きを取り戻し彼女と向き合う。  
 
「私 皆の為にって整備班から戦車兵になって少しでも役に立とうと思って… 
 ただ頑張ってみただけなんです。それがたまたまこういう結果が出て… 
 でも…周りの皆はだんだんよそよそしくなってしまって… 
 親友だと思ってた新井木さんまで…」  
「…」  
「だから遠坂さん、お願いです…何を言ってくれてもかまいません!私を一人にしないで下さい!!」  
 
先ほどと状況が入れ替り、いつしか田辺が遠坂にしがみついて号泣し始めた。  
 
どれだけ時間が流れただろうか?本音をぶつけ、お互いひとしきり泣いて、2人は見つめ合っていた。 
静寂を破ったのは遠坂だった。  
 
「約束します…いえ…誓います」  
「…!?」  
「あなたの側にずっと居る事を、あなたを支えつづけることを、遠坂圭吾はここに誓います」  
「遠…坂さん」  
「そんな他人行儀な呼び方、やめましょう。僕達はもう…」  
「……………………………」  
「ね?真紀さん」  
「…はい…そう…ですね………け、圭吾…さん」  
 
すでに涙は乾き2人の顔には笑顔が浮かんでいた。  
 
田辺真紀は気を効かせた家族に感謝していた。 
今、彼女は今まで生きてきた中で最も勇気のある行動を取っていた。 
彼の口を自らの口でふさいでいたのだ。  
 
「…ぷぁっ」  
「あ・あの…はしたない女だなんて思わないで下さい…ただ…その… 
 月並みな言葉ですが、いつ死んでしまうかも解らないこの身…愛する人に…」  
 
遠坂の人差し指が田辺の口をふさぐ。  
 
「みなまで言わなくてもわかってます。ただ普段のあなたから想像できなかったもので驚きました。 
 でも…とても嬉しいです。あなたに好きになってもらえてそして好きになって………!?」  
 
遠坂は驚いた上気した田辺の顔がまたたくまに涙に濡れていったのだ。  
 
「あ…なにかまずいことを言ってしまいましたか?」  
「違う…んです…とお…さ…遠坂さんがぁ…私のこと…好きになったって………言ってくれたのが… 
 う・嬉しくて…ごめんなさい…泣く所じゃないのに…嬉しすぎても涙が出るなんて…」  
 
その時遠坂の両腕が天井(?)に向かって勢い良く振り上げられ……(ベコン!)と鈍い音がする…… 
タライ…特大の金ダライが2つも落ちてきたのを彼の腕が弾いたのだ。  
 
「ははっ…言ったでしょ?支えるってね」  
 
遠坂の拳は真っ赤になっていたがその顔はいつもより少したくましく見えた。  
 
ねっとりとした湿った空気が立ちこめる。ぎこちない愛撫が田辺の意識を朦朧とさせ、 
それによって発せられる嬌声が遠坂の神経を昂ぶらせる。  
 
「あっ…あぁっ!圭吾…さん…圭吾さぁん!!」  
 
夢中で彼女の肌に吸いつく遠坂、異性によってもたらされる初めての快感に悶える田辺。 
そこには絢爛舞踏も幻獣共生派も整備士もパイロットも無かった。  
 
ようやく遠坂が声を発する。  
 
「あの…大丈夫ですか? 僕は…その…こういうのは初めてなもので…知ってることも… 
 瀬戸口や速水から借りた…その…本とか…その程度なモノで…」  
「…いいんです…圭吾さんの思う様に…好きな様に…して下さい……して…欲しいです…」  
 
遠坂の理性がとうとう切れた。 
今まで躊躇していた田辺の下半身に手を伸ばし、下着の上から荒荒しく撫でまわす。 
急な刺激に田辺もたまらず声を荒げる。  
 
「うぁぁあっ!? あああぅっ!!!」  
「ココを…こうすると…どうです?」  
「あぁうっ!!あああああああああっ!!!!」  
「ぅわ…いきなりベトベトに…」  
「あぅっ…や…そんな…そんなこと…言わないで下さ…あっ!!」  
「指…入っちゃいましたよ…ホラ」  
「動かしちゃダメ…あくっ…ぅぅあっ!!」  
 
短い様で長い愛撫は終わりを告げ、いよいよ結合する時が来た… 
M字に開かれた田辺の足の間に遠坂が入りこもうとしたその時、彼女は体を起こし彼の分身を手にした。  
 
「!?」  
「私も…この程度しか知りませんがさっき気持ち良くしてもらったお礼です」  
 
田辺は微笑むとソレを一気にほおばった。  
 
「真紀さん…」  
「んッ…うむぅっ…」  
 
ぎこちなく慣れない舌使いが遠坂の神経に余計に快感を与える。思わず彼女の頭を両手で押さえてしまう…  
 
「んっ!?んぶぅ!んもぁっ…」  
「あぁ…ダメだ…押さえられない…すいません…」  
 
遠坂の手は彼女の後頭部を押さえ、そのまま分身を彼女の喉の奥へ押し込んだ。  
 
「うぶっ!がっ!え゜ふっ!おふっ…」  
「あぁ…出る・・・っ!」  
 
苦しさのあまり田辺が口を離そうと遠坂の腰に手をかけ、力を入れ分身を引きぬいたと同時に田辺は白 
い洗礼を受けた。むせこみながらうずくまる彼女に、ソレは勢い良く降り注いだ。  
 
「…! だ・大丈夫ですか!?」  
 
果てて正気に戻った遠坂が見たものは、クラスの悪友から借りたどんなモノよりも隠微で扇情的な田辺 
の姿だった。  
 
「あぁァ…なんてこと…すみません今…?」  
「いいんです」  
 
慌てふためく遠坂を制する様に田辺が起きあがる。  
 
「あの…上手く出来なくて…いきなり奥まで入ってきて苦しかったものだから」  
「いえ すごく気持ち良かったですよ あなたをこんなに汚してしまう位に…」  
「もう大丈夫です…その…初めてなので…お願いします…」  
「痛くしない様努力します」  
「はい」  
 
遠坂ははちきれんばかりに怒張した分身を田辺の秘部にあてがい、彼女を抱き寄せた。そして一言…  
 
「いきます」  
 
田辺は黙ってうなづく。遠坂の体が動く…  
 
「う…うぁ!!?」  
 
思っていたよりも激しい痛みが田辺を引き裂く。しかし遠坂は止まらない。一気に田辺の中に入ってくる。  
 
「あっあぐっ…ああうっ!!」  
「うッ…くぅぅぅぅ!」  
 
痛みのあまり言葉が出ない。いや、もし出てたとしても今の遠坂には聞こえないだろう。  
 
 
遠坂の腰の動きは激しさを増す。田辺は耐えるのに必死になって力を入れる。  
ソレが遠坂の分身を締め上げ、余計に刺激を与えるため動きは止まらない。  
 
「はぁっ…はあっ…」  
「〜〜〜っ!〜〜〜〜〜ッ!!」  
 
田辺の声はすでに声になっていなかった。遠坂も一心不乱に動きつづける。  
 
「うっ…うぁあ!!」  
 
ずるりとソレは抜け、再び田辺を白い洗礼で汚す…  
 
「ハァーッハァーッ…」  
「あ…う……」  
 
静かな静寂の中、2人は静かに抱きしめあった。  
 
 
 
時間が立つのは早いもので、2人が肌を重ねてから既に1ヶ月が立った。 
今では月に数回情事を重ねるまで親密になっていた。  
 
「だいぶ慣れましたか?」  
「あっ…やっ…途中で止めないで…下さい」  
「そんなに良いですか? 喜んで頂けて嬉しいです」  
「あうッ…そ…そんな言い方しないで…あふっ!!」  
 
下校時間を過ぎた教室で愛し合っていたていた2人の耳に出撃の非常警報が届く。  
 
「…まったく!幻獣はムードとか風情が解ってない!!」  
「うふふ 圭吾さん怒らないで」  
「しかし…」  
「圭吾さんの整備してくれた士魂号ならすぐに片付けられますよ」  
 
「おい!誰か居るのか!?いちゃついてる暇が有ったら早く準備しやがれ!!」  
 
田代の怒声に方をすくめる2人。  
 
「…行きますか」  
「行きましょう!!]  
 
2人はハンガーへ向かって駆け出した。  
 
 
                

「絢爛舞踏彼女  =了=」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
5分後 OVERS SYSTEM 再起動・・・  
 
薄暗いラボに白い軍服の男がやってきた恰幅のいいクセ毛の男…芝村準竜師だ。  
 
研究員「! これはこれは芝村準竜師 今日はどのようなご用件で?」  
準竜師「うむ…例のアレが気になってな状態はどうだ?」  
研究員「ええ 安定してます 最新型のVRシステムに接続し仮想空間でも問題無く順応しています…ただ…」  
準竜師「なんだ?」  
研究員「こういうことを言うのもなんですが…酷い物です…こんな姿になってまで生き長らえさせるなんて…」  
準竜師「仕方あるまい 幻獣に対抗するには絢爛舞踏クラスの人間が多数必要だ…  
    システム維持並びにクローニングの完成を急げ…」  
研究員「…はっ!」  
 
培養液で満たされた水槽の中に脳髄が2つ浮かぶ…その水槽にはまるで墓碑の様なプレートが張りつけられていた。  
 
5121小隊 田辺真紀万翼長(絢爛舞踏)・遠坂圭吾千翼長  
対同小隊狩谷夏樹百翼長(聖銃寄生体)戦にて戦死・・・・・・  
 
研究員の手でVRシステムのスイッチが入ると、2つの脳は嬉しそうに…だがどこか悲しそうに痙攣した…  
 
 
=OVERSリポート 完=  

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