その日の滝川は浮かれていた。念願の、「速水を出しぬいてのデート」の日。
(無論そう思っているのは本人のみ)思わず浮き足立ってスキップをふんでしまう。いそいそと校門ま
で足を運ぶ滝川。そこにはすでにお相手が待っていた。
「いょぅ!香ちゃんまったー!?」
コケた。思いっきりコケた。モニターの前でハデにコケた。目を離してる隙にコイツデキてやがった!
しかも田代と!?システムのメモリをあわてて覗く…
絶句…以下はその要約っつーか……まぁ…レポート。
某月某日出撃…スカウトの滝川は戦場に砂塵で方向感覚が麻痺していた。残段数0
持ってるのはカトラスのみ…しかも援軍なんて期待できない。最悪の状況だった。
「くっそぉ〜こんな時来須センパイか若宮センパイいてくれたらなぁぁぁ;;」
情けないコトに泣き言しか出てこない。そんな自分がさらに追い打ちをかけていた。
そんな時だった。
「ダレかいんのか!?オイ!」
「!?」
「いるなら手伝ってくれ!早くしろ!!」
「あ・あぁ! 今いく!!」
そこには岩に足をはさまれた田代がいた。
「んげっ!田代のアネゴ!!こんなトコでなにやってんのさ!
「んなっ!?滝川!!……まぁいいかこの岩どかすの手伝ってくれ」
「えーアネゴ一人で砕けるっしょー;」
「アホか!崩したら押しつぶされちまうだろーが!!上から1個づつどかせ!」
「人使い荒いなぁ〜」
「なんか言ったか?」
「いえいえ何でも無いです千翼長!!」
砂塵も晴れてようやく方向が掴めた滝川は思いもよらぬ荷物を抱えて撤退することになる。田代をオン
ブしているのだ。骨に異常は無いだろうがなにぶん女性なワケで歩かせる訳にも、ましてや置いていく
ことなど出来ない。ならばと上司から飛んだ命令は…
「よし!オマエオレをおぶってけ!」
モチロン拒否権など彼には無い。あっても消されただろう…まぁそんなこんなで現在に至る。
もともと田代はショタっ気があった様だ。子供っぽさの残る(つーかガキなんだが)滝川が気になって
た模様。また滝川もスカウトの中でも特異な力を持つ彼女に少なからずひかれていたのでこういう関係
になるのもまぁ世界の選択か…
「香織ちゃんて呼ぶなぁぁぁ!!!」
「じゃアネゴ!」
「………」
=気まずい雰囲気=
「でもさ…2人っきりなんだからいいじゃん…」
「!?////////」
滝川の意外な一言に田代は面食らって真っ赤になった。
その後の2人の会話は驚くほど普通に、そして本当に恋人同士の様に時間を埋めていった。
夕暮れ時の公園…ブランコに腰掛け今日の幸せを反芻する2人。先に口を開いたのは田代だった。
「あ あのさ よーへーは…その…戦争終わったら…とかって考えたことあるか?」
「香織ちゃんは?」
「おおおめーの聞いてんだよっ!」
「ん〜 香織ちゃんの旦那になりてぇなっ!」
口にしてた飲み物を一気に吹いた。真顔で言われるとこんなに恥かしいものかと彼女は実感した。
激しくむせる田代の背中を滝川がさする。彼女の過剰な反応に滝側は満足げにニヤついていた。
「ナニ笑ってやがる!」
「だぁーって香織ちゃんカワイーんだもんよー」
「!?////////」
「なななななななナニ言ってやがる!上官バカにすっとテメーボコる…」
それ以上田代は言葉が出せなかった。口を…滝川の口でふさがれてしまったのだ。
「真紅」という色を見たことがないのなら、今のの田代香織の顔を見るといい。
ソレがどういう色かよく解るだろう。
==奥様戦隊 オクサマヒゲ(善行)==
「んっな…ナニすん…だ…」
目が点になり、真っ赤な顔でへたり込む田代。ソレとは対照的に真顔の滝川。
その表情に田代の鼓動がどんどん早くなる。
「オレ…大マジメだぜ…香織ちゃんを絶対幸せにするからさ…」
(プツン)
田代の中でナニかが切れた。いや切れたからといって暴れるわけではない。押さえが効かなくなったの
だ。気がつくと滝川は彼女の胸の中に抱きしめられていた。
人間押さえが効かなくなると一番したいことをしてしまうものだ。
==奥様戦隊 オクサマナイフ(原)==
「んもぉ〜かぁわいいなぁ〜オマエわぁ! どぉ〜すんだよマジで好きんなっち まうぞ!?いいのか?
ん?どーなんだ!?」
「がっかほほひゃん!ぐーひぃー!ぐぅうひぃい〜!!!!」
本当に嬉しいことが起きてる時、人はソレに気づかない。
==奥様戦隊 オクサママッスル(若宮)==
田代は嬉しかった。自分を愛してると言う人がこんな側にいたことが。同時に不安もあった。
「コイツを護りきれるのか、この幸せを護りきれるのか…」
「香織ちゃん、今オレのこと護れるかどうか悩んだろ…」
「ぅい!?」
「言っとくけど、オレそんなにやわじゃないぜ? 幻獣の撃破数だってもうすぐ200いくんだからな!
逆に護ってやるさ!」
思ってたことを見透かされ、逆に一喝され、護ってくれるとまで言われ…田代は
完全に滝川にやられてしまった。
これ以上の詮索は野暮の極みである。
==奥様戦隊(一同)==
2人は人気の無い廃墟に来ていた。おたがい家庭の事情…というやつだ。しかも手持ちの金などたかが
知れている。
「え…と こ、ここで…か?」
「しかたないじゃん 金無いんだしさ〜」
何故か慣れてる感のある滝川に田代は戸惑っていた。まさか自分以外にこういうことをしてる相手がい
るのか? 上手くできるだろうか? 失敗して嫌われたら…
「あ・あのサ…言っとくけど初めてだから…その…ヘタでも笑わないでクレよ」
田代の心配そっちのけで滝川は言った。そのセリフが田代の不安を一気に吹き飛ばした。次の瞬間滝川
は押し倒されていた。
一気に口をふさがれる滝川。暴れてももがいても離せない。むこうは神の拳で彼を掴んでむしゃぶりつ
く様に唇を味わっている。
「んも!?」
ふいに彼女の下が口の中に入ってきた。初めての感触に彼は戸惑いなすがままになっていた。はたで見
ると逆レイプにも見える。
ちゅる…ぢゅ……んふっ…ぢゅっ…んむぅっ…ちゅぅぅ…
一方的なまでに吸い尽くす音が辺りに響く。滝川は口内の快感・味・感触の虜になっていた。
「!?」
田代はふいに違和感を憶えた。舌が押し返されている。滝川の舌がコチラに侵入してきている。激しく
絡まりあったソレはぴちゃぴちゃとやらしい音を立て続け辺りに響く。
「ぷぁっ!?」
思わず顔を離す田代。しかし次の瞬間後頭部を掴まれ再び口をふさがれる。攻守が逆転したのだ。今度
は滝川が田代の口内を侵略し始める。今まで自分は攻める側の人間だと思っていた彼女は不意をつかれ
た攻撃にある種の新鮮さを憶えた…
………あ なんか イイ………
気がつくと滝川とポジションが入れ替わっていた。
ひとしきり口内を蹂躙した滝川の舌は、そのまま唇の周り・あごの下・耳の裏…と攻め続ける。
「あ…はっ ふぁああっ! ちょっ…やめっ…ぁぁあぁああ!」
左手が胸も掴む様に揉み上げる。力任せに、ガムシャラに。舐められる感触に酔っていたところに急な
刺激は彼女の混乱した思考を更にかき混ぜる。
「あはぁっ…あっあグッ…ダメ!もっとゆっくり…うああああああああ!」
両手で一気に揉みにかかられ田代は思わずのた打ち回る。滝川の攻撃はまだ止まりそうない。