ガンパレードマーチ  
岩田は今至福の境地にいた。集めに集めた靴下の山…その上にルパ○V世ばりに  
飛び込む。  
 
「ん〜イイ!すんごぉ〜〜〜〜〜〜くイイ!これぞ究極の快楽!究極の娯楽!」  
 
ひとしきり靴下の山(海?)で戯れた岩田は厳重にロックされた金庫を開ける。  
そこには5121小隊の面々の靴下がずらりと揃えてあった。  
 
「きょ・お・は・だ・れ・にし・よ・お・っか・なぁ〜」  
 
エレクトした自身をダーツの矢のごとく狙いを定め…一気に腰を突き出す!  
 
「決定!今日はヨ〜コさんにけってぇぇ〜いぃ!」  
 
突き出した自身にはヨーコの靴下が、あたかもコンドームの様にかぶさっていた。  
 
ざらつく布の摩擦に岩田は心を奪われていた。もう何者も彼を止めることは  
出来ない。自信もはちきれんばかりに怒張し、今か今かと最後の時を待って  
いた。  
彼はヨーコのソレを選んだのに特別な理由など無い。昨日は芝村だったし更  
にその前は滝川…もう全員のソレを何順もしている。自らの精を吐き出して  
は丹念に洗い、干し、アイロンをかける…彼にとってソレら、5121小隊  
のメンバーの靴下は他の靴下とは別格なのだ。  
 
「いつかは…お別れするんですよねェ…」  
 
行為の真っ最中にふと我に返る。皆にウソをつき身内さえ騙し自分の願い  
を叶えようとしている…そんな自分を慕って(?)くれる仲間がいる……  
本当はココに留まりたいのかもしれない。  
 
「…ははっ なぁにを似合わないコトを!」  
 
吹っ切るかのように再開した行為。しかしそれ以上続くことは無かった。  
 
速水が狩谷を救って数日後彼はゲートに飛び込む準備をしていた。そのトランク  
には例の靴下達が入っていた。  
 
「見納め…ですね」  
 
そう言った矢先気配を感じ取る…  
 
「ダレです!?」  
「おいおい オレだよ」  
「オ…瀬戸口…」  
 
驚く岩田に瀬戸口はふろしきを投げてよこす。  
 
「これは?」  
「餞別だ 持ってけよ」  
「!!」  
 
その中には靴下が入っていた。しかも名前が入っている。速水・加藤・森・原・  
若宮…小隊の皆の靴下だった。  
 
「みんな薄々勘付いてたのさ」  
「…………」  
 
岩田はこの世界に来て、始めて他人(?)の前で涙を見せた。止まらなかった。  
 
「これはこれはイイものを!ありがたくいただきますよぉ〜お!」  
「おう じゃあオレは帰るぜ?」  
 
それがこの世界で最後の会話になった。  
 
 
今、岩田はあの頃と逆の行動を試みていた。(第5世界へもどる)あの仲間に  
もう一度会いたい。いまの彼の望みはそれ1つだった。  
 
「戻れんかもしれんぞ?」  
「その時は何とかしますよ アリアンお気遣いどうも」  
 
そう言って岩田は迷うことなくゲートに入った。トランクにあの靴下達を詰め込んで…  
                             
                             ゲートを越える靴下  
                                  =了=         
 

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