ガンパレードマーチ  

 好奇心旺盛で気になったことに何でも首を突っ込みたがるのは彼女の癖だった。  
「私、もう少し色々調べてみようと思うんです」  
 原素子整備班長にくっついて5121小隊に配属された森精華は士魂号のブラックボックスに興味を持ち、  
危ない橋を渡ろうとしていた。  
 夜明け前、既に他の小隊メンバーは帰宅し、二人で士魂号の整備をしていた時のことである。  
「やめろ、お願いやけん。これ以上アレに首を突っ込まんといてくれ」  
 そう言って自分は彼女を抱きしめた。  
 自分は下っ端だ。しかし彼女よりは諸々の事情を知っている。「芝村」についてもだ。  
 士魂号の秘密に近付いた森をMr.B――芝村準竜師は生かしてはおかないだろう。  
 士魂号開発スタッフの原が未だ生きながらえているのは善行司令の尽力の賜物だが、  
自分は彼ほど権力も策略も持っていない。持っているのはソックスハンターとしての腕だけだ。  
「考えんでよか。気になるんは分からんでもないけど、機密に触れれば俺ら下っ端は消されるだけばい」  
 中村は更に力を込めて森を抱きしめた。まるで彼女が消えないように、守るように。  
 巨体の中村に対して小柄で細身の森は、それだけで壊れてしまいそうに見える。  
「ちょ、力入れすぎて痛いってば。馬鹿……」  
 迷惑そうに顔を顰めるも中村の真剣な気持ちを察したのだろう、森はそっと彼の背中に腕を伸ばし  
きゅ、と制服の上着を握った。  
「でも心配してくれてありがとう。好きよ、貴方のそういうところ」  
 にっこり笑って森は中村にキスをする。  
 夜明け前、既に他の小隊メンバーは帰宅し、ハンガーには二人きりである。  

 森のキスに答えるように中村はキスを返す。キスをしながら彼女のバンダナを外す。  
「な……こげな所でなったらこと!」  
 バンダナを外すのは情事の合図だった。  
 テント内とはいえ屋外での中村の行動に森は驚き素っ頓狂な声を上げる。  
 しかし中村はお構い無しに彼女の制服のボタンを外し、やわやわと胸を揉みしだく。  
 次第に森の口から熱っぽい吐息が漏れ出し、しな垂れかかるように中村に身体を預ける。  
「こんな夜中、誰も来んとよ。心配せんでよか」  
 森を軽々と持ち上げ、テント内のシートに彼女を寝かせた中村はニヤニヤと笑った。  
「それとも今このまま引き上げるとね?」  
 胸をはだけさせ、頬が上気している森に意地悪くそういうと彼女は上目遣いに中村を睨んだ。  
「分かりました、すればいいんでしょう! その代わり早めに済ませちゃって下さい」  
 やっと整備が終わって帰れると思ったのに……。  
 心の中で悪態をつきながらも、中村の愛撫で準備が整ってしまった森は仕方なく彼を受け入れた。  

 早めに、というオーダーを受けたので中村は手早く森の弱点を攻めていく。  
 元々じらしてゆっくりとろとろ……というのは中村は苦手だった。原や瀬戸口などの  
百戦錬磨の強者からは色々言われるだろうが、どうにも気恥ずかしい。  
 その点で今回の森の申し出はありがたかったかもしれない。  
「んん……あ、そこ……いいの……」  
 重点的に弱点を攻められているので早い段階から森の声に艶っぽさが出てくる。  
 右手で胸を愛撫し、左手で器用に森のジーパンを脱がしていく。  
「ここも、もういいんか?」  
 ショーツの上から割れ目を撫でられて、森の身体が一瞬跳ねる。  
 そのまま布の上から芽を探り当て、優しく押しつぶすと彼女の腰が断続的にヒクヒクと持ち上がった。  
 だんだんとショーツに染みが広がり、ぬるぬるとしてくるのが分かる。  
「あ、だめ……いいけど、や……はぅ、んっ」  
 森の指が中村の背中をカリカリと引っかく。まるで催促しているようなその動きに彼は  
ショーツの脇から指を差し入れた。  
 直に肌に触れるとすぐにまとわりついてくる粘液を絡みつかせ、そのまま森の内部へ指を侵入させる。  
 太い指が入ってくると緊張のせいで締め付けられるが、気持ちよさに弛緩した身体はまたそのうち  
緊張を解いて中村の指を受け入れた。  

 二本、三本と指を増やしていき、内部で広げてみせる。  
 露わになったそこはひくひくと蠢いていてグロテスクながらも目が放せなかった。  
「キチー。ここんとこ、ぐちゃぐちゃに光って動いとっとよ」  
 粘液を掻き出すように間接を曲げて指を激しく出し入れし、中村は森の耳元で囁く。  
「俺の指ギチギチに締めて、欲しがってごたる」  
「そんなこと、はぁ……ん、くぅ、あ……ああ!」  
 森の耳たぶを甘噛みしてやるとよりきつく締まる。  
 中村の手に自らの下半身を擦り付けるように腰が動き蜜は彼の掌全体を濡らした。  
 中村はそれを下半身に塗りたくるように撫でまわし、森は小振りの尻から太股までべったりと  
自らの粘液で覆われた。  
「だ、だめ……私もうイッちゃう……ぅうん、んぁあっ、あぁ!」  
「よかよ、いっぺん一人でイッとき。また俺が挿れるきに」  
 いやいやをするように森が首を振るが、中村は一向に手を休めない。それどころか一層指の動きを  
加速させ、掌でぐりぐりと円を書くように刺激を与えてやる。  
「いい、やぁ……ふぁ……あああぁあっ!!」  
 今までよりも激しい痙攣の後、森の身体は脱力して肢体がシートの上にだらりと寝そべる。  
 中村が彼女の身体に触れると絶頂の余韻でなおひくひくと震えた。  

 中村が自身のものを取り出し森の入り口にあてがってやると花弁が収縮し、  
新しい蜜がとろりと溢れる。しばし入り口に擦り付けるように先端だけ出し入れすると、  
森の身体が再び強張った。  
「や、そんな、続けてなんて……あぁ……」  
「悪いけど、俺も我慢できんとよ。疲れたかもしれんけどもうちょっと付き合ってはいよ」  
 中村は森の膝の裏を持って足を大きく押し上げる。  
 胸の所まで押さえつけられたせいでぱっくり開いた割れ目が簡単に見て取れた。  
 先端だけを出し入れしていたものをそのまま勢いをつけて根元まで一気に突き入れる。  
 一度達したお陰か、ずるりと入ったそれはすぐさまヌルヌルとした壁面に締め付けられた。  
 そのまま出し入れを繰り返し、中村は森の身体を味わっていく。  
 大きく開かれて押さえつけられた足の間から、森の羞恥と快感が入り混じった顔が見えた。  
「いやぁっ! こんな激しいの、私……ああっ、ん、ふぁあ……ひぁ!」  
「激しいのがよかとね? こっちからだと俺のに食いついとるのがよう見えるたい。  
 出し入れする度にめくれとるのがたーいがいやらしかとよ」  
 わざわざ森が恥ずかしがるように状況を説明し、腰を大きく振りグラインドさせる。  
 既に達しているせいで敏感になっている森は何度も軽く絶頂まで上り、  
緩んだ口から喘ぎ声を上げっぱなしにし、目が熱っぽく虚ろになっていた。  

 中村の動きが激しく速くなり、それに合わせて森の身体ががくがくと揺さぶられる。  
「も……ダメぇ……壊れちゃう、くぁ……はあ、あっあっあぁ……!」  
「うん……俺ももう無理たい。イッて、よかよ……」  
 お互いの身体がぶつかり合う音と、ぬめった水音がテント内に一層大きく響く。  
 森の喘ぎ声は既に声になっておらず、僅かな発声が荒い息遣いに混じっているだけになっていた。  
 中村の方もまた、不規則な呼吸と共に身体を動かす。  
「あ――――――――――……っ!!」  
「う、く………………っ!」  
 二人同時に絞るような声を漏らし、ピンと身体が伸びたまま強張る。  
 その後に遅れて身体が痙攣し、一気に力が抜けたような感覚に襲われた。  
 シートに倒れこむ中村だったが、かろうじて腕を伸ばし森を下敷きにするのを防ぐ。  
 中村が森から自身を抜くと、どろりと二人の体液が混ざって零れた。  

 

 かろうじて動ける中村は既に気力も体力も使い果たして眠ってしまった森の身体をタオルで  
拭いてやり、服とバンダナをきちんと着けてやる。  
「俺は気の利いたこと言えんけど、これだけはちゃんと言うとくよ。  
 お前のこと好いとお、大事に思っとっとよ。その気持ちに嘘は無か」  
 彼女が聞いてはいないだろうが、中村は呟く。  
 好きだから大事だから守りたいと思う。  
 たとえ彼女に軽蔑されようと、自分は自分の出来る手段で彼女を守ろうと思う。  
 空が白んできた。もう家に帰るよりは整備員詰め所で寝かせてしまった方がいいだろう。  
 中村は森を抱きかかえて整備員詰め所に運び、自分の制服の上着を掛けてやった。  
「さて……やるか」  
 久々の貫徹だ、と呟きながら中村は整備員詰め所を後にする。  

「こんな早朝になんの用だ? わざわざ手土産まで持って」  
「森精華のことだ。あんたのことだから既に知っているだろう。  
 彼女は士魂号の情報を握っているがまだほんの触りだけ、これ以上は深入りしないように釘を刺した」  
「フ……惚れた弱みと言うやつか? まあいいだろう、彼女の処分は取りやめる」  
「感謝するMr.B……」  
「生身の女に惚れると苦労するぞ。我々ソックスハンターは忌み嫌われる存在。  
 今後も重々承知しておけ、ソックスバトラーよ」  

 
 

 森が目を覚ました時、そこに中村の姿は無く、代わりに中村の上着が自分の身体に掛けられていた。  
 彼の上着を自分の顔に押し当てて深く吸い込む。  
 少しの汗と、甘いお菓子の匂い。大好きな彼の匂い。  
 不慣れな場所で無茶なことしたから身体がだるい。  
 けどもう朝だわ、早くしないとみんなが登校しちゃう。  
 きっと彼が運んでくれたであろう整備員詰め所を出ようとしたとき、彼女は気がついた。  
「……やられた!!」  
 情事の最中までは確かに履いていた靴下が無い。  
 迂闊だった、自分の彼氏はソックスハンターだったのだ。  
   
 自身の靴下で己の命が救われたこと、それは彼女にとってあずかり知らぬことである。  

                                                                〜END?〜 

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!