明かりのついていない寒い部屋に、少女の荒い呼吸が響いている。  
 やめてという涙声と卑猥な水音を伴って、それは途切れることなく続いていた。  
「やめないよ…渡部さん、こんなにぐちゃぐちゃに濡らして。このままじゃ可哀相だもの」  
 浅黒い肌の細身の少年が、素っ裸のまま大きく開脚させられた少女の性器を弄っている。  
 少年、上田虎雄の言う通り、少女の、渡部愛梨沙の割れ目は愛液塗れだった。  
 毛もない、幼い割れ目に指を二本ねじ込んで、中で激しく関節を曲げてやる。  
「や、ふぁ、あぁぁぁっ!」  
 目隠しをされ、両腕を縛られた渡部に、その指を拒否する力はない。  
 高い声をあげて、肉壁をする指を受け入れるしかないのだ。  
 愛液がどんどん溢れ、上田の指を白く濁した。  
「どうして佐藤君なの? 僕を見てくれないの…?」  
 もう片方の手に備わった指で、膨らみのほとんどない小さな乳房を撫でる。  
 乳輪をなぞって、痛いほどに摘みあげると「嫌ぁっ!」と渡部が悲鳴をあげた。  
「僕は君の話をあんなに聞いたじゃないか。それに一度、デートだって行ったよね」  
 渡部の悲鳴に構わず、上田はまるで用意された台本を読むが如く続ける。  
「楽しかったって言ってくれた、あの時の渡部さんの顔…僕、ずっと忘れてない。  
 僕がこんなに君を愛してるのに、でも君は佐藤君が良いって言うの?」  
「だ、だって…あぁっ…嫌ぁっ……こんなっ…!」  
「ねえ…渡部さんは、僕が絵本が好きって言っても馬鹿にしなかったよね。  
 僕、本当に嬉しかった。その時思ったんだ…僕のお姫様は君なんだって」  
 上田はそう言いながら、指を一斉に渡部の体から取り払った。  
 視覚を奪われ、感覚と聴覚に頼るしかない渡部は、その動きに異変を感じる。  
 だがそれも、ほんの一瞬だった。  
「い、あ、や、あぁぁぁぁーっ!!」  
 膣口を押し広げ、一気に圧迫してくる肉の感触。渡部は狂ったように声をあげた。  
「あぁ…渡部さんの中、あったかくて気持ち良いね。ふふ、僕のこと歓迎してくれてるみたい。  
 この柔らかい中も白い肌も、綺麗な目もさらさらの髪も、全部…全部僕のものだよ」  
 ――愛してるよ渡部さん。  
 唱えてすぐ、上田は腰を前後に動かして、自らを激しく渡部へ打ち付けた。  
 少女の声が上擦り、揺れる。  
「佐藤君のことは忘れて、渡部さん。君の王子様は僕なんだ!」  
 渡部を犯す上田の口元には、冷たくも暖かい笑みが浮かべられていた。  
 
 
 
終  
 

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