咲良「ねぇ」
厚志「なんだい?」
咲良「……お兄ちゃん」
厚志「え?」
咲良「えへへ…ちょっと言ってみたかったんだ」
厚志「石田さん…」
咲良「髪、一緒。生まれた所、一緒。兄妹みたいなもの、だよね?」
厚志「…そうだね」
咲良「これからも、お兄ちゃんって呼んで、いい?」
厚志「…うん。構わないよ」
時は流れて小笠原。
転属した二人を、一人の少女が無い胸を張って待っていた。
二人を見て、不敵な笑みが引きつる。
舞「…厚志…これは一体どういう事だ」
厚志「ま、舞っ! 舞もここへ!?」
舞「いたら不味かった、か?」
厚志「…違うんだ、これは…これは…」
舞「…芝村に弁解は無い」
咲良「お兄ちゃん、この怖い人誰?」
舞「…………」
厚志「と、とりあえず離れて、僕から離れて石田さん!」
咲良「なんで? 私はお兄ちゃんと一緒にいたい。だから一緒にいる。問題は無い」
舞「………………」
厚志「問題はあるよっ!」
咲良「どんな?」
舞「あぁぁつぅぅしぃぃっっっ!?」
厚志「僕の命のもんだ」
打撃音。
キラリ。
星になって消える、今代のシオネ・アラダ。
咲良「……」
舞「……」
咲良「…………」
舞「…………」
咲良「指揮官確認。PXナンバー。入力終了。ご命令を」
舞「…それでよい」
厚志「誤解だ…誤解なんだよ…舞…」
小笠原の青に浮かぶ青。
そう呟いてから、沈んだ。ブクブク。