今日はバレンタインデー。青森第108警護師団、石田小隊の隊員の面々もこのイベントを前に  
数日前から浮き足立っていた。  
意中の人からチョコを貰えるかそわそわしている男子や意中の人にあげるチョコの準備に  
忙しくしている女子。そして迎えた当日の朝。石田咲良は自宅のキッチンでうなだれていた。  
「私は…最新最高性能の新型だ。それなのに…どうしてこうなるのよぅぅ!」  
彼女の手元にはいびつなチョコ。湯煎ブロックチョコを5つ用意して前日の夜から格闘した結果がこれである。  
味見をしてみたがとても食べられる代物ではない。  
「小島に…渡せるチョコがないよぅ…」  
泣きそうになっているとチャイムが鳴った。  
「おはよう、石田さん…どうしたんだ?」  
ドアを開けた瞬間、航の目に飛び込んできたのは涙目になった咲良の顔。  
チョコの甘い香りと焦げたような匂いに部屋の中に目をやると、キッチンがぐちゃぐちゃになっていた。  
「小島ぁ…」  
「泣かないで。部屋に上がるよ」  
咲良の頭を撫でながら航はそう言ってキッチンに向かった。  
そこには鍋のお湯でそのまま煮込んだと思われるチョコだったものや、直接火にかけて鍋底にこびりついた焦げた  
チョコの残骸があった。  
(…まあ、想像はしていたけど…)  
呆然としてそれを見ていると咲良はがっくりと肩を落とした。  
「チョコを溶かして型に流して固めるだけ…それだけの事なのに、どうして上手くできないんだろう。  
私…壊れているのかな…」  
「石田さんは壊れてなんかいないよ。正しい方法を知らなかっただけだ。今度教えてあげるから  
あまり落ち込むな。この失敗はいずれお前のためになる。最初からうまくやれる奴なんていないんだから」  
「でも、アンタにチョコをあげたかったのに…っ」  
とうとう泣き出してしまった咲良を航は優しく抱きしめた。  
「俺の為に頑張って作ってくれたんだろう?それはよく解っているから。  
チョコはなくても気持ちは確かに受け取ったよ」  
「うん…」  
航の胸に顔を埋めながらうなずく咲良。航の言葉が胸に沁みた。  
 
散らかったキッチンを二人で片付けた後、咲良と航はリビングのソファでくつろいでいた。  
「そうだ、石田さん、これ…受け取ってくれるかな?」  
航はそう言って綺麗にラッピングされたチョコを咲良に差し出した。  
「え…チョコ?私に…?…ありがと」  
咲良は素直に喜んだ。チョコは大好きだし、何より大好きな航から貰えた事が嬉しかった。  
二日前まではバレンタインとはチョコを貰える日としか思っていなかった。空先生からそう聞いたのだ。  
それをちらっと口に出すと菅原が呆れたように言った。  
「あんたバッカじゃないの?バレンタインは、女の子にとっては特別な日よ。  
女の子が好きな人にチョコを渡して想いを伝える決戦の日じゃないの。何をノホホンとしているのかしらね」  
隊長に向かってバカとは何だ!とは思ったものの、寝耳に水の情報にショックを受けた咲良は  
こうしてはいられないと情報収集を開始した。想いを伝えるにはチョコは手作りが一番だと聞いて  
ヤヴァネットでブロックチョコを在庫がある分全部買い占めた。結果は大敗、いびつチョコだらけ…  
「はうー…」よみがえる記憶に思わずため息が漏れた。  
「何だ、まだ気にしているのか?」  
「ん…だって今、小島からチョコを貰えてすごく嬉しかったし、やっぱり私だってチョコをあげて小島に喜んでもらいたい」  
その気持ちが嬉しいんだけどね、航は心の中でつぶやいた。  
正直言って俺は甘い物が苦手だ。でも咲良がくれるのならたとえ無理をしてでも喜んで食べるだろう。  
しかし手元に咲良の作ったチョコはない。どうしたら気持ちは伝わっていると納得してもらえるんだろう?  
そう思いながら咲良の目を見つめた。  
そして真っ直ぐこちらを見つめる瞳に釘付けになる。彼女はいつもそうだ。  
何度身体を重ねても、ベッドの上でどんなにいじわるしても  
俺を信じる目を真っ直ぐ向けてくる。その度に俺はひどい罪悪感に襲われる。でもなかなか、手は止まらない。  
もうどうしようもないな。もうどうしようもない位に俺は彼女に惹かれてしまっている…  
「…じゃあ、お前が俺に与える事ができる甘いモノを頂こうかな」  
「え?でも私甘いもの何も持ってな…ふぁ…っん!」  
咲良の首筋の弱い所を的確に狙って息を吹きかけた航は、力が抜けた咲良を抱きかかえてベッドに向かった。  
そしてそのまま咲良をベッドに押し倒した。  
 
「ちょ、待って、小島。意味が解らない…んっ…」  
咲良の言葉を遮るように口付けながら、慣れた手つきで咲良の衣服を脱がせていく。  
そして咲良の上に跨ったまま航も自分の衣服を脱ぎ捨てていった。  
脱がされながら与えられる愛撫に身をよじらせながら、咲良は自分を組み敷いている男を見上げた。  
「ん…小島…私がアンタに与える事ができる甘いモノって…何?」  
「そのうち解ると思うよ」  
そう言って微笑んで咲良に再び口付けた後、航は本格的に愛撫を与え始めた。首筋に舌を這わせながら  
手のひらに丁度収まる形のいい乳房を揉みしだくと、咲良は甘い声を漏らした。  
「ふぁ…んっ…」  
航は左手は乳房を愛撫したままで右手を咲良の背中に回した。そして咲良の背中からお尻に向かって指先を滑らせた。  
「ああっ!」ビクンと咲良の華奢な身体が跳ねる。  
次々と与えられる快感に身をよじらせる咲良の脚を割り開き、彼女の蜜壷に手を伸ばすと、そこは既に蜜で濡れていた。  
航はそのまま誘われるように咲良の蜜壷に口を寄せた。  
「…!!だっ、ダメーッ、そんな所っ、はっ、恥ずかしいようぅっ!!」  
そこを舐められるのは初めてで、咲良は羞恥の余り必死で抵抗するが、航は止めてくれない。  
「どうして抵抗するんだ?俺に甘いものをくれるんじゃなかったのか?お前の蜜はこんなに甘いのに…」  
チュパっと音を立てて咲良の秘所から顔を上げて、唇に付いた咲良の蜜を舌で舐め取る航を見て  
咲良は恥ずかしくて死にそうになった。それなのに嫌じゃないと思うのは何故なんだろう?  
解らない、解らないよ。  
「…小島はやっぱりいじわるだ。バカ、もう知らないっ…」  
頬を紅潮させ、涙目になった咲良を見て、航はまたいじめすぎたなと反省した。  
しかし、いじめっこ体質は死ぬまで直らないということも自覚している。  
「そんな事はお前に言われなくても解っているよ。でも確かにいじめすぎたね、ごめん…」  
航は咲良を宥めるように涙に濡れた目元に口付け、咲良の髪を優しく撫でた。  
 
優しく抱きしめてくれる航に身を委ねて、幾分落ち着きを取り戻した咲良だったが、しばらくして  
下腹部に航の勃起した硬くて熱いモノを押し付けられた。顔を赤くする咲良を尻目に航は愛撫を再開させた。  
蜜壷の上に存在する花芽を刺激され、仰け反る咲良を見て微笑むと、航は蜜を湛える蜜壷に指を差し入れた。  
「ひぁんっ!!」  
差し入れる指を2本3本と増やされて、咲良の蜜壷はとろとろに蕩け切っていた。  
咲良は懇願するような表情で航を見つめた。  
「小島っ…もう私っ…」  
「もう、何だ?ちゃんと言ってくれないと解らないな」  
やっぱりいじめっこ体質は直らないらしい。  
「私、もう我慢できないよぅ…。お願い…早く来て…」  
咲良はそれだけを言うのが精一杯のようだった。航は優しく微笑むと  
咲良の蜜壷に己のいきり立ったモノを宛がった。  
「んっ…」  
先端が当たっただけで敏感に反応する咲良。航はそのまま一気に咲良を貫いた。  
「あぁぁぁーっ!!」  
咲良の膣内は熱くて蕩けそうで航はすぐに達しそうになったが、何とかやり過ごした。  
執拗に咲良を突き上げ、攻め立てていく。  
「あん、あん、んっ、あっ…。航、こぅーっ!!」  
咲良も航の突き上げに無意識に腰の動きを合わせていた。お互いに絶頂に近づいている。  
「咲良…そろそろいくよ…膣内に出すけど、いいか?」  
返事をする余裕が無いほど追い詰められた咲良はコクコクと首を縦に振り、航の腰に脚を絡める事で  
OKのサインを出した。航は遠慮なしに白濁した熱い液体を咲良の膣内に勢い良く注ぎ込んだ。  
「あぁぁー!!んっ、…はあ、はあ、…ん…っ…」  
 
快感の白い波に捕らわれ、気を失っていた咲良は航の腕の中で目を覚ました。  
「んっ…」  
「おはよう。良く眠れたみたいだな」  
霞のかかった頭でぼーっと考え込んでいた咲良だったが、昨日の記憶が戻った途端、傍にあった枕を  
航に向かって投げつけた。  
「ちょ、咲良、何をするんだっ!」  
「うるさいっ!アンタはいじわるなんだから、こんな事をされても当然なんだ!」  
やれやれ、まだ怒っているのか…航は苦笑した。  
「何がおかしいんだ!バカ、バカ、航のバカ!」  
拗ねた表情の咲良が可愛くてまた笑ってしまいそうになったがそれを抑えて咲良に謝った。  
「ごめんな、咲良。…ああ、それと」  
「それと…何?」  
「昨日はご馳走様、咲良。…甘くて美味しかったよ」  
航は子供っぽい可愛い笑顔を見せて咲良の耳元で囁いた。航のその笑顔にドキドキしつつも  
また考え込む咲良。数秒後、顔を真っ赤にして再び枕を航に投げつけた。  
「可愛くない!アンタは可愛いけど可愛くないんだ!航のバカーっ!」  
 
 
Fin  
 
 

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