IF〜彼の元に銃は戻らず〜
「…あっ、も、嫌ァ!!」
豪奢なベッドに裸身が、酷く小さな裸身が踊る。
薄暗がりの中で少女が、色素の薄い髪を振り乱して喘ぐ。
「……ッ」少女を犯している男は何も喋らない。
見た所初老、とまでは行かなくとも壮年期ではありそうな男は、
ただその渇いた瞳にその年には不釣合いな獣欲を写し、
ただ少女の柔肌を貪る。
純潔はとうに散らされたのか、その秘所からは蜜以外の液体は流れない。
憎い男の抽送にイヤイヤと頭を振るも、
房事にも長けた男の技巧に次第に望まぬ喜悦を与えられてゆく。
「あひっ!ひゃあ!ああん!!」抑えていても嬌声が喉を飛び出す。
「…嫌だぁ、助けて、助けてよママ…ブランドン……」
哭きながら漏らしたか細い声に、男の動きがピタリと止まる。
「…ハァ…ハア、ハッ?」強制的に絶頂への階段を通行止めにされ、
少女は訝しげに男を、自分を組み敷いてる男の顔を見上げた。
…そこにあるのは苦悩と葛藤に歪んだ男の顔だった。
――ぐりゅん!
「あああっ!」突如として再開された抽送に再び嬌声が上がる。
一瞬見せた表情を獰猛な笑みで打ち消すと、男は今まで以上に、
激しい勢いで腰を打ち付けた。
「死ぬっ!これいじょっ!ゆるしてぇ!ハリー!」
少女の懇願を無視し男は速度を上げていく、
「あぅ!あぁ!嗚呼、あっあっあぁぁぁぁぁ!!」
「……クッ!」少女の悲鳴と男の呻きが重なる。
少女は母の仇の精を受け、もう何度目か解らない快楽を溺れた。
急速に闇に沈んでいく意識の中、少女は、浅葱ミカは自問する。
…なんでかな、なんでこんな事になっちゃったのかな。
…もし、もしあの時、あの銃を、ママから預かったあの銃を……
ママの友達に、ブランドン・ヒートに渡せれば…
こんなことには…ならなかった、のかな……?
≪THE END or To be continued?≫